市指定有形文化財 長砂経塚出土品

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市指定有形文化財 長砂経塚出土品

長砂経塚出土品(ながすなきょうづかしゅつどひん)

経塚は釈迦入滅後の仏教思想の変遷を示す末法思想によって生まれたもので、県内では平安時代から室町時代までの33か所が知られています。このうち紙に経典(きょうてん)を写経した場合、経巻(きょうかん)が残存することはほとんどなく、経巻、経筒、外容器の揃った経塚出土品として貴重です。
昭和16(1941)年頃、米子市観音寺の裏山(長砂・坂本神社裏山ともいう)で発見されました。発見者によると、平たい石の下の小石槨内に、経筒と外容器が安置されており、その下に鉄刀が刺さっていたといいます。経筒内には法華経の経巻8巻が埋納されていました。朱墨で写経されており、6巻のみ開くことができます。銅鋳製経筒の蓋は、中央が盛り上がった被せ蓋で、小型の宝珠つまみが付きます。外容器は暗灰色の須恵質壺で、粘土紐つくりされ、器面はナデ調整されています。口縁内面には×印のヘラ描きが2か所あります。平安時代~鎌倉時代前期のものと考えられます。
員 数(出土点数):経筒(蓋付き)1、経巻8、外容器(壺)1、鉄刀残片
長砂経塚出土品
左:経筒総高26.2cm、経筒口径9.4cm
右:外容器高31.0cm、外容器口径18.2cm

掲載日:2022年2月4日