市指定無形民俗文化財 上淀の八朔行事、国選択無形民俗文化財 上淀の八朔綱引き

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市指定無形民俗文化財 上淀の八朔行事、国選択無形民俗文化財 上淀の八朔綱引き

上淀の八朔行事(かみよどのはっさくぎょうじ)

上淀の八朔綱引き(かみよどのはっさくつなひき)

上淀の八朔行事とは

「上淀の八朔行事」は、米子市淀江町福岡の上淀地区で毎年9月の第1日曜日に行なわれる綱引き行事です。以前は旧暦の8月1日に行なわれていました。「八朔」とは旧暦の8月1日のことで、この頃には各地で様々な行事が行なわれますが、綱引きを行なうのは上淀地区だけです。五穀豊穣や無病息災などを祈願するもので、市指定無形民俗文化財及び国選択無形民俗文化財となっています。
上淀の八朔行事の起源は定かではありませんが、汗入(あせり)郡(現在の淀江町・大山町周辺)では1000石以上の地領を持つ村だけに八朔綱引きが許可されていました。
かつては県内の一部の地域や兵庫県但馬地方に伝承されていましたが、いずれも現在では廃絶しています。
上淀地区で行なわれているこの行事は、県内唯一の伝承例として大変貴重な文化遺産です。

クチナワサンづくり

当日は、上淀地区の各戸から稲藁を持ち寄り、集落内の天神垣(あめのかみがき)神社にてクチナワサン(口縄さん)と呼ばれる大蛇のような綱を製作するところから始まります。
長老はクチナワサンの頭部を、若者は胴体をそれぞれ製作します。頭部は完成後、宮司によって入魂の祈念をしてもらい、胴体の先につけられます。
完成したクチナワサンは、長さが約50mにも及びます。

写真:クチナワサンづくり

綱が完成すると

クチナワサンの完成後、自治会長が頭部を、他の人々が胴部をもって、神社内にある荒神さんの神木の回りを右回りに3周回ります。このとき、クチナワサンが神木や玉垣に触れると縁起が悪いといわれているので、慎重に回ります。これが終わると、クチナワサンの頭部は神社内の燈籠(とうろう)にかけられ、胴部だけが綱引きのために集落内へ持ち出されます。

写真:完成後の様子   写真:クチナワサンの頭部
いよいよ綱引きへ

綱引きは、集落内の道路で上手と下手に分かれて行なわれます。昔は上手が勝つと豊作とされていましたが、現在ではどちらが勝っても良いということになっています。この綱引きに参加すると運が良くなるといわれ、上淀地区の人々だけでなく、親戚の人なども多く参加しています。
綱引きが終わると、ホウカイサン(法界さん)と呼ばれる村境まで運ばれて、とぐろを巻いた状態にして安置されて行事が終了します。

掲載日:2022年2月15日