市指定天然記念物 和田御崎神社元宮社叢

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市指定天然記念物 和田御崎神社元宮社叢

和田御崎神社元宮社叢(わだみさきじんじゃもとみやしゃそう)

米子市大篠津町の外浜街道沿いにある和田御崎(みさき)神社は、昔から農業、商業、漁業など産業の神様として親しまれています。この神社の南西にこんもりと繁る森は元宮(もとみや)の社叢(しゃそう)で、昭和53年(1978)に市の天然記念物に指定されています。地元では「御崎さんの森」とよばれ、子供たちの遊び場、住民の散策の場となっています。
 社叢には、ヤブニッケイ、タブノキ、ムクノキ、センダンなどの高木、サカキ、シロダモ、ユズリハ、ネズミモチ、アオキなどの中低木、林床にはマンリョウ、ヤブコウジ、ジャノスゲ、ベニシダ、キヅタ、サネカズラなどの小低木やツル植物が生え、ガマ、ヨシの群生が森を囲んでいます。弓ヶ浜半島の沖積地帯に現存する照葉樹の自然林として貴重な存在です。
 江戸時代末に編纂された『伯耆志(ほうきし)』には「和田御崎神旧地。村の西南一町余の所なり。古池あり。東に流て海に没る。御崎川と呼べり。土人霊水と称す。」という記載があり、ここに湧水が存在したことが分かります。この湧水が源となって、近世における和田周辺の農業開拓の発展につながったとも伝えられています。弓ヶ浜半島の歴史と自然を語る上で、欠かすことのできない森です。

掲載日:2021年2月9日