市指定名勝 粟島、県指定天然記念物 粟嶋神社社叢

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市指定名勝 粟島、県指定天然記念物 粟嶋神社社叢

粟島(あわしま)

粟嶋神社社叢(あわしまじんじゃしゃそう)

米子市彦名町の中海に面する粟島は、標高約36mの小山です。かつては中海に浮かぶ小島でしたが、江戸時代に周辺の新田開発のため干拓され、地続きとなりました。かつては山を神体とし、社殿は麓(ふもと)にあったといわれています。現在は、187段の石段を登りきった山頂に銅板葺きの堂々とした社殿があり、少彦名命(すくなひこなのみこと)が祀(まつ)られています。また山麓の西側には、八百比丘尼(やおびくに)伝説で知られる「静(しず)の岩屋(いわや)」とよばれる洞穴があります。

社叢(しゃそう)となっているこの山の植生は、スダジイ、タブノキ、モチノキ、ヤブツバキ、カクレミノ、ネズミモチなど樹種に富んでいます。中海側の斜面にみられるツツジ科のシャシャンボは、全国的に減少していると言われていますが、ここでは数多く群生し、うっそうとした独特の景観をつくりだしています。林床にはツワブキ、ベニシダ、テイカカズラなどの下草が群生しています。この地方では数少ない天然の照葉樹林として大変貴重なものです。

中海も含めた粟島の風景の美しさは古(いにしえ)の人も認めたところで、江戸時代の文政年間(1818~1830)にうたわれた米子八景のなかで、「粟島秋月」として「うき雲をはらひし風をあは島のしまにのこして月ぞすみける」と詠まれている名勝地です。

粟島

掲載日:2022年2月4日