淀江町にある日吉神社では、毎年5月3日に春の例祭が行なわれます。例祭では、約370年前から続く「神輿渡御」(みこしとぎょ=神輿に移られた神様がお出かけされるという意味)の行事があり、かつては大山と日吉神社、または日御碕神社(現在の坪亀山にある神社)と日吉神社との間で行なわれたともいわれています。
地元では「よいとまかせ」といわれるこの行事は、山車・神輿を中心に、それぞれの衣装をまとった約200人もの氏子が行列となって、社寺奉行の「えんよーいやな、えんよいとまかせ、さささ、さあよいとまかせ」の掛け声とともに町内を練り歩き、人々の健康や安全、作物の豊作等の幸福を祈願します。掛け声の意味は「よい世の中だな、よい世になりますように、さあもっとよい世になりますように」といわれています。
度々中断や変遷がありましたが、現在の行列は大正15年に再編成された順番で並んでいます。
【行列の順番】
1 杖払(つゆはらい)
2 箒引(ほうきびき)
3 大鳥毛
4 社寺奉行御供廻り
5 鉄砲組
6 子供神輿(こどもみこし)
7 社名旗
8 猿田彦命
9 大幣
10 真榊
11 日月像幡
12 金幣
13 道神楽
14 神輿
15 神職
16 宇豆女命
17 四神旗
18 五色旗
19 真榊
20 五色幟
21 随神
22 奉幣
23 道神楽
24 神輿
25 神職
この行列は、社寺奉行(4)を中心としたグループ、神輿(14・24)を中心とした2つのグループの3つに分けることができ、中心部分が神輿であるという点で大名行列と違います。県下唯一の「神輿渡御」である「よいとまかせ」は、市の無形民俗文化財として指定されています。
(大鳥毛) |
(社寺奉行御供廻り) |
(行列のひとこま) |
(道神楽) |
掲載日:2012年4月17日