県指定保護文化財 龍虎図屏風

本文にジャンプします
メニュー
県指定保護文化財 龍虎図屏風

龍虎図屏風(りゅうこずびょうぶ)

鳥取ゆかりの絵師として江戸時代後期に活躍した、片山楊谷(かたやまようこく)の作品です。楊谷の作例のなかでは珍しい、銀箔を全面に押した総銀地屏風(そうぎんじびょうぶ)であり、銀箔の上に薄く墨を掃いた大画面に、墨を用いて雲龍(うんりゅう)と竹虎(ちっこ)を描いています。
楊谷は多くの虎を描いていますが、この虎は毛描きが墨の濃淡だけで行なわれているのが特徴です。白い筋のようにみえる部分は淡墨で引かれた線と線の間のわずかな隙間であり、その隙間を計算にいれて筆がおろされていることがわかります。
しなやかな虎の身体の動きが左隻(させき)の渦巻く雲烟(うんえん)のなかの龍と呼応する、楊谷晩年の傑作(けっさく)です。

掲載日:2022年2月15日