相見家文書(あいみけもんじょ)
相見家文書は、米子市八幡(やわた)の相見家に伝わる南北朝期の中世文書です。後醍醐(ごだいご)天皇の綸旨(りんじ:天皇の秘書的役割を果たす役人が天皇の意を受けて発給する命令文書)を含む8通からなり、巨勢(こせ)氏(相見氏)への恩賞や相見氏が神主をつとめる八幡神社への土地の寄進等に関する内容が書かれています。
特に元弘3年(1333)の後醍醐天皇の綸旨は、隠岐島(おきのしま)を脱出した後醍醐天皇が船上山(せんじょうさん)から発給したもので、左近中将(千種忠顕(ちぐさただあき)の名前で書かれていますが、筆跡等から天皇の直筆であることがわかる珍しいものです。
後醍醐天皇の動向や相見氏の南北朝期から室町期にかけての動向をうかがわせるものであり、鳥取県の中世史研究をするうえでは、極めて貴重な資料といえます。
掲載日:2022年2月15日