県指定保護文化財 瑞仙寺文書

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県指定保護文化財 瑞仙寺文書

瑞仙寺文書(ずいせんじもんじょ)

文書のある瑞仙寺は、米子市日下(くさか)にある古刹(こさつ)です。寺が最初につくられた年代はよくわかりませんが、伯耆国守護山名(やまな)()によって15世紀中頃に再興され現在の地にうつされたと伝えられたゆかりの深い寺です。寺のある場所は、土豪真野(まの)氏の(やかた)があったところと伝えられており、付近に土塁(どるい)状の高まりが残っています。

この寺に所蔵されている古文書のうち、中世文書31通が指定されています。寺への税を免除する旨を命じた永享11年(1439)の「山名教之書下」以降、代々の守護山名氏の古文書があります。また、尼子(あまこ)(はる)(ひさ)尼子(あまご)(かつ)(ひさ)安堵状(あんどじょう)杉原(すぎはら)(もり)(しげ)寄進状(きしんじょう)も伝えられています。指定の文書は、次のとおりです。

「山名教之書下(永享11年9月29日)」「山名教之書下(文正元年7月26日)」「真野重成、同宗鎮、瑞仙寺竹翁連署状(寛正元年2月吉日)」「山名教之書状(年不詳11月晦日)」「山名豊之書下(応仁3年正月20日)」「山名之定寄進状(文明4年2月23日)」「山名之弘書下(文明5年11月21日)」「山名之定禁制(文明5年11月21日)」「山名元之禁制(文明9年閏正月19日)」「山名元之書下(文明9年閏正月19日)」「山名元之寄進状(文明9年閏正月19日)」「山名政之書下(文明14年閏7月5日)」「山名政之書下(文明17年9月17日)」「山名政之寄進状(文明17年9月17日)」「山名尚之書下(明応3年9月2日)」「山名澄之寄進状(永正18年正月24日)」「山名澄之寄進状(永正18年正月24日)」「山名澄之安堵状(年不詳卯月28日)」「豊隆書状(年不詳卯月28日)」「道昌寄進状(永正18年6月19日)」「瑞仙寺領注文(永正18年10月13日)」「尼子晴久安堵状(天文12年8月5日)」「尼子勝久安堵状(年不詳8月9日)」「吉田元勝書状(天正13年7月27日)」「せいおくめういん寄進状(大永2年2月吉日)」

これらの文書を通して、15世紀から17世紀にいたる伯耆国西部の政治状況を垣間見(かいまみ)ることができます。また、山名氏とその後の伯耆国の領主が瑞仙寺をいかに重要に考えていたかがうかがわれます。

米子地方には、現在まで伝えられている中世の文書が少なく、貴重な存在です。

掲載日:2021年2月1日