県指定保護文化財 上淀廃寺跡出土壁画・塑像 附 瓦・土器類

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県指定保護文化財 上淀廃寺跡出土壁画・塑像 附 瓦・土器類

上淀廃寺跡出土壁画・塑像 附 瓦・土器類( かみよどはいじあとしゅつどへきが・そぞう つけたり かわら・どきるい )

平成3年(1991)以降、上淀廃寺跡から出土した多量の壁画・塑像は、地方における仏教文化の定着を示すものであり、また飛鳥時代の寺院の堂内荘厳(しょうごん)を復元しうるものとして高く評価されます。

壁画は金堂(こんどう)内側の壁に描かれていたようです。寺が建てられた7世紀終り頃と8世紀中頃の2つの時期にわたって、仏教の説話などを描いたものと考えられます。これまでに出土した壁土片は約6,000点に及び、その約1/3に彩色が認められます。火災による熱を受けたことにより、緑青(ろくしょう)など鉱物系の顔料(がんりょう)を除いて当時の彩色は失われていますが、分析等によって赤・黄・緑・青・白・黒の6系統、8~12種類の色を持つ顔料が使用されたと推定されています。

塑像(粘土造りの仏像)片は4,000点近く出土しています。2時期にわたって製作されており、金堂だけでなく塔跡からも出土しています。金堂の本尊は丈六三尊(じょうろくさんぞん)で、高さ2.4mの如来坐像(にょらいざぞう)を中心に、両脇に高さ3mの菩薩立像(ぼさつりゅうぞう)、その他にも高さ1m前後の四天王(してんのう)や八部衆(はちぶしゅう)とみられる断片も見つかっています。

壁画「神将」
壁画「神将」
壁画「菩薩」
壁画「菩薩」
塑像「菩薩」の衣
上淀廃寺式の軒丸瓦
上淀廃寺式の軒丸瓦
 「寺」の文字を刻んだ瓦
「寺」の文字を刻んだ瓦
みずのとひつじのとし」の文字を刻んだ瓦
掲載日:2022年2月15日