県指定保護文化財 髙田家住宅

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県指定保護文化財 髙田家住宅

髙田家住宅(たかたけじゅうたく)

福万(ふくまん)の髙田家は、大山山麓などを開墾した大地主で代々庄屋をつとめた家柄です。

約千坪の屋敷地に、寄棟(よせむね)造り、茅葺(かやぶき)形式の主屋を取り巻いて門長屋、米蔵、味噌蔵、衣装蔵、納屋、離れなどの付属屋が整然と建ち並び、東側には池泉庭園を設けています。

主屋は、江戸時代寛政期(18世紀末)の建築と考えられます。

間取りは鍵型に奥の間がある九間取(きゅうまとり)形式で、江戸中期から末期にかけてこの地方の庄屋や大庄屋層が取り入れた新しい形式で、規模の大きい家構えです。

式台のある「中の間」から上手の公的な客室回り、「玄関」「中座敷」「下座敷」などの表回り、「台所」や「奥の室」「前の室」などの勝手回りに三分され、土間には「手代の間」「女中部屋」など使用人の部屋もあります。土間との境には2本の大黒柱があり、屋根には大きな梁や桁が二重三重に架けられています。

瓦葺の置棟に来待石(きまちいし)をのせた大屋根は軒先まで葺きおろされ、軒先の厚さは1mにも及びます。この形式の屋根では「煙出(けむだ)し」を上棟に作るのが普通ですが、ここでは東西の妻部分の中程に三角形の瀟洒(しょうしゃ)な煙抜きをもっているのが特徴です。屋根は現在も定期的に葺き替えが行なわれています。

また、養蚕場と薬用人参製造場は、農家の屋敷に残された生業(産業)を具体的に示す希少な建築で、近代の豪農の多角的な農業経営を伝える遺構として歴史的価値があります。

守り継がれた豪農のたたずまいに、伝統の美しさや力強さを伝えています。

(内部非公開)

高田家住宅

掲載日:2022年2月15日