市長定例記者会見(令和2年1月6日)

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市長定例記者会見(令和2年1月6日)

 令和2年1月6日(月曜日)

内容

  • 市長年頭記者会見()


幹事記者:
では市長、年頭に当たってのお言葉をお願いいたします。

市長:
皆さま、明けましておめでとうございます。本日は、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。本日は、フリートークということではありますけれども、私のほうから、今年の動きを少し皆様方にお伝えしながら、皆様方からのご質問等を受け付けたいと思っております。
まず1点目ですが、今年は、何といっても皆生温泉開発100周年という一つの節目のイベントがございます。海岸のところに有本翁の銅像が建っておりますけれども、有本翁が皆生温泉を始めてからちょうど100年という節目が今年でありまして、4月以降になると思いますが、これからいろいろなイベントが企画され、盛り上がっていくことと思っております。
あわせて、これは鳥取県の事業になりますけれども、弓ヶ浜サイクリングコースが3月22日に全面開通する予定となっております。
今、米子市としましては、レンタサイクル拠点等の整備を境港市と共同で行ない、竹内側、つまり境港市側からでも、また、皆生温泉側から、つまり米子市からでも乗って、観光客のかたにとっての利便性を提供していこうということでいろいろ考えております。既に、部分開通をしている段階で、市民の皆さんから非常に走りやすいですとか景色がいいですとか、好評価を得ておりますので、全面開通をすればそれなりの評価は得られるのではないかと期待をしているところでございます。
2点目としましては、市の商工行政の中で、中小企業振興条例を3月の議会に向けて最終の詰めを行っているところです。今月中にもパブリックコメントをお出しできるのではないかと見込んでおりますし、そこで内容を最後もんでいただいて、3月議会に上程するという流れをつくろうと思っております。この中身は、これから皆さまにはお知らせすることになると思いますが、今、一番求められていることをしっかりとり入れていこうと考えております。議論の行く末によってはわかりませんが、地産外商、つまり地域で産んだものを外に、これは商っていくかたの地産外商ということを一つうたっております。やはり、14万7千人の人口の米子市ですけれども、そうした小さなマーケットではなく、よいものはどんどん外に出していけるように、そして地域の振興を図っていこうというものです。この外というのは、県外のみならず海外も視野に入れて取り組んでいけるような、そういったことを織り込んでいきたいと思っております。
そして、何よりもその大きな目標は、私たちの暮らしや市民の暮らしがよくなるように、所得が向上するような具体的な内容もどこまで盛り込めるか、これからの議論に期待をしたいところでございます。
そして、3点目ですけれども、子育て支援の充実というものをいかに図れるか、これに少し挑戦したいなという、少しというのは言葉が弱気で申しわけないですけれども、挑戦したいと思っております。昨年の出生数、人数のほうですが、90万人を割れたということで、皆さまもかなり衝撃をもって受けとめられたのではないかと思います。自治体としてできる少子化対策はなかなか限られるんですが、これを一歩踏み込めないのかというところを内部で議論をしております。子育て支援の充実という言葉自体は、全く新しい言葉ではありませんが、その中身といたしまして、もっと早い時期からといいましょうか、今は妊娠期から支援をしていますが、妊娠がわかったか、あるいはわかりそうな時点からもっと早く支援をしていくというようなことも考えております。それがどこまで少子化対策につながるかというのはわかりませんが、少なくとも社会がこれから生まれてこようとする子どもを歓迎しているという雰囲気は、しっかりとつくっていきたいと思っております。
大きくは以上3点だと思っておりますが、あと、年度を越えますけれども、新年度からは、米子駅南北自由通路等整備事業の工事がいよいよ始まります。本年度は、詳細設計をしているところでして、昨年には、駅のデザインを市民の皆さまに2案お示しをした上で最終決定をさせていただきました。来年度の4月以降ですけれども、工事に取りかかるということになっております。
あわせて、駅北広場の使い方ですね、だんだん広場の部分も含めました使い方については、これも県や有識者の皆さんと一緒にしっかりと話し合って結論を出していきたいと思っております。いよいよ米子の表玄関であります駅の姿が変わっていくという段階に入っていきますので、そのあたりも注目いただければと思います。
それと、年末の12月議会の中でもお話を出しましたが、米子城跡の史跡整備事業についても、これも具体的に来年度4月以降から始めていくことになります。湊山球場のレフト側のスタンドの撤去なども含めて、史跡の確認と保護、そういったものを事業の中で進めながら整備事業を一つずつ進めていく、そういうような段階に入っております。
また、ゴールデンウイークあたりになりますけれども、児童文化センターにありますプラネタリウムのリニューアルオープンがございます。最新鋭の機材を入れて、星を映し出すことはもちろんですが、コンテンツも取り入れながら楽しく、これは大人も楽しめるプラネタリウムが完成するのではないかと思っております。これは本当に請うご期待というところだと思っております。
そして、直近ですけれども、1月11日の上海便の就航にあわせて、しっかりと本市といたしましてもインバウンド事業の多角化というものを図っていきたいと思っております。
ほかにもいろいろありますが、私のほうは、とりあえず以上とさせていただきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いします。

幹事記者:
各社さん、質問をお願いします。

記者:
一番直近での、今月11日の上海便の就航となりますが、改めて米子市にとっての上海便への期待を一言お願いします。

市長:
昨年は、日韓関係の悪化に伴いまして、米子-ソウル便が運休をするという事態がございました。その前から、本来であればインバウンド事業の多角化というものは進めてこなければいけなかったわけですが、このソウル便の運休によりまして、本当に即座にやらなければならないという状況になりました。上海の皆さんの志向は一つではありませんけれども、いろんな形でおもてなしをさせていただいて、評価していただけるよう受け入れ体制を整える機会、そのように上海便の就航を捉えたいと思っております。
あわせて、香港便も就航しておりますので、香港からのお客さんに対するおもてなし、そして県営鳥取空港のほうが台湾の台中市とチャーター便を結んでおりますので、台湾のかたのお出迎え、こうした需要をしっかりと取り込んで本市の観光振興につなげたいと意気込んでおります。

記者:
そこで、もちろん観光もそうですが、かなり買い物を楽しみに来られるということで、米子市の場合は、中心市街地が今、生まれ変わろうとしている中で、髙島屋東館「GOOD BLESS GARDEN」もインバウンド対応をかなり意識しての建物だと思います。この中心市街地にも買い物に来てもらう流れへの期待もあると思いますが、それについてはいかがですか。

市長:
本市が上海や、あるいは香港のかたを受け入れるに当たって、一つ、ウイークポイントだと思うのは、買い物する場所が少ないということで、既に旅行業者さんから指摘をいただいているところでございます。そうした意味において、中心市街地のそれぞれの商業施設がどれだけ対応できるか、対応していただけるかということは非常に大事なポイントだと思っております。3月には髙島屋本館のほうが地元の資本に譲渡されるということもございまして、一層、米子、地方のオリジナリティーを出した物産販売やいろんな物産の販売が展開されるのではないかと思っております。

記者:
これまで観光という形でのインバウンドだったですが、「商業都市・米子」としては、買い物シティーというか、ある意味、チャンスじゃないですか。

市長:
はい、おっしゃるとおり、このチャンスを生かさなければならないと思っております。それは、今申し上げた、買い物をしていただくということは一つあるんですけれども、もう一つは、いわゆるアウトバウンドですね、つまり米子から上海に出ていって、現地で何らかのビジネスを展開するという流れ、これは香港便もそうなんですけれども、上海や香港というのはビジネスシティーですので、規模は違えども米子と非常に親和性のあるまちだと思っております。そうした意味において、米子の事業者さんが、やはり単に迎え入れるだけではなくて、このルートを利用して外に打って出る、さきほど冒頭に申し上げた、いわゆる地産外商のきっかけにしていただけないかなということも我々としては考えております。

記者:
中小企業振興条例なんですが、具体的にどういったことに対して支援していくとか、どれぐらいの対象というんですかね、どのあたりを想定されているのか教えていただけますか。

市長:
まず、具体的に今考えているのが地産外商の具体化ということで、特定の国あるいはまちに何か出店をしたいとか、物を売っていきたいとか、そういったご希望のある事業者さんに対して現地コーディネーターを紹介するなど、支援をさせていただこうと思っております。やはり大事なことは、最終的には所得を向上させるということですが、その原資たる、パイを拡げるためには地域の企業が外に打って出るということが非常に重要ですし、そのことによってレベルが上がっていくと思っております。ですので、特には地産外商を具体的に進めるための、そうした支援策を充実させていきたいと思っております。

記者:
わかりました。具体的に何か製造業のかたが、例えばですけど、中国とか香港などで商売するときにサポートするというような、そんな感じですか。

市長:
そうですね、はい。

記者:
県外も含まれるっていうことですよね。

市長:
県外ももちろん含みますけれども、県外は比較的ルートを開拓しやすいところはあるんですが、海外となるとなかなかその道筋というものが読みづらい、現地の情勢というものがわかりづらいところがあります。例えば、台湾の台北市には既に現地コーディネーターのかたを米子市と調整をしてお願いをしているところが、昨年末までに成立しておりますので、こうしたルートを通じて台北市に何か出店をしたいかたがあれば、具体的な話が進められる土壌が整っています。これを香港ですとか、これから上海ですとか、その他のまちでもやっていきたいなと思っております。

記者:
年末に知事が米子から境港まで高速道路を延伸したいようなことを言っておられましたけど、これは何か米子市としての取り組みはありますか。

市長:
もちろんこれは本市、境港市、及び日吉津村、そして鳥取県(以下、「地元」)が一体になって、「米子境港地域と道路のあり方検討会」(以下、「道路のあり方検討会」)を国に対して、開催していただくようしっかりと要望していきたいと思っております。

記者:
「道路のあり方検討会」とは。

市長:
はい。まず、道路のさまざまな課題などを国、地元で話し合い、検討を行なう段階がございまして、ちょうど昨年は地元の意向として、この会を開催したいということでまとまったところですので、事業化へ向け具体的な進展を見せていくべき、そういう年になると思いますね。

記者:
「道路のあり方検討会」というのは、既に設置されていますか。

市長:
「道路のあり方検討会」は過去にも開催されていますが、現在中断しておりますので、これを改めて再開し、最初の一つの目標としては、米子IC~米子北ICの事業凍結解除を図ることをこれから進めていくという段階を踏んでいきたいと思っています。

記者:
積極的に取り組むということですか。

市長:
もちろんそうですね、はい。

記者:
米子が生んだ宇沢弘文さんですか、社会的共通資本という経済のあり方について、去年の暮れも大きな講演会などがあった中で、ちょっと難しいかもしれませんが、市長ご自身でも社会的共通資本という経済の中の母体になるものに力を入れていくような、何か言葉を一部聞いておりますが、そういうことで具体的に何かやりたいとかあるんですか。

市長:
宇沢先生の理論の一つの大きな柱に社会的共通資本という考え方があるわけですけれども、やはりそれは、我々にとって道路等のインフラであったり、この地域が育んでいる自然であったり、あるいはいろいろな地域の雰囲気といいましょうか、気質というものも含んだルール的なものが該当するわけですけれども、ある程度そういったものを定義づけていきながら、それを守っていく、そして育んでいくというようなことをしていかなければならないかなと思っております。やはり理論を実践に移すには、それなりの労力というのは要るんですけれども、具体的には社会的共通資本という概念を具体的なものに定義づけていく作業、こうしたことを経ながら、米子市政としてどこまで何ができるかという話ではないかなと思います。
やはり宇沢先生を生んだまちですので、その宇沢先生の理論がこのまちで実践される姿を一つでも多く見せられるような努力はしたいと思っております。

記者:
概論的なところがあり、抽象的過ぎるので、具体的な取りかかりとしてそういうものにふさわしいものは何から手をつけていこうと思われますか。

市長:
結局、そこを多くのかたが宇沢弘文の理論で経済を進めてほしいっていうことを言われるんですけれども、我々、実践をする立場から言うと、定義はありますけれども社会的共通資本という言葉が具体的に何を定義するのか、この道路は社会的共通資本なのか、自然の中のどこまでの範囲が社会的共通資本なのか、ルールの中でどのルール、全てのルールなのか、それとも何か限っていくのかなど、そのあたりの定義づけというのがはっきり言うとまだできていないんですね。できていないので、そこをやらなければいけない、前へ進めないというところがあります。我々も毎年度、一つ一つの事業をこなしていく中で、宇沢先生の理論を意識して実践に置きかえられたらいいなというところは常に思っているんですけれども、なかなかそのところがうまく定義づけられていないのが現状でございますので、その辺の定義づけをどこまでできるかなというところだと思います。それが宇沢先生の理論をより実践化する一助になるのではないかと思っております。

記者:
その手前ってところですか。

市長:
はい。

記者:
わかりました。

幹事記者:
各社、ほかに何かありますか。では、ありがとうございました。

市長:
ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。

掲載日:2020年1月22日