”好きなことに集中すれば 世界が変わる”
村田さんは進行性の目の病気で、16歳で視力を失いました。現在は市内で鍼灸師として働きながら、水泳、卓球、スキー、ボッチャといったスポーツやギター、そして3年前の東京五輪では聖火ランナーも務めるなど、精力的に活動されています。
子どものころから体を動かすことが好きだったという村田さん。特に水泳は視力を失ってから本格的に始め、18歳のときにはトロント・パラリンピックに競泳平泳ぎで出場し、入賞しました。
現在も鳥取県の強化指定選手として大会へ出場され、全地区で自身が持つ大会記録を塗り替え続けています。トレーニングは仕事の合間を縫い、大会前には週4~5回。妻の良美さんがしばしば練習に付き添います。良美さんは、ターンやゴールタッチのタイミングを棒で選手に知らせる「タッパー」を務めます。選手が壁に近づくと、棒で選手の体を叩く「タッピング」の技術が必要で、このタイミング次第でタイムが左右することもあるため、良美さんも共に練習を積んできました。
村田さんは「妻がいなければ、今日の自分はない」と感謝し、良美さんも「全国の大会に一緒に行くのは楽しい」とほほ笑みます。村田さんは原動力について、「見えるとか見えないとかではなく、自分の置かれた立場で、できること、好きなこと、楽しいことに集中すれば、世界が変わる」と声を弾ませます。
掲載日:2024年8月26日