”いつまでバク転できるかな”

体操発祥の地といわれるドイツで6月に開催されたマスターズ体操ワールドカップ。夢の世界大会に生田さん(66歳)と寺澤さん(65歳)は日本代表として出場しました。

2人が体操を始めたのは、中学校の部活動。「皆生海岸で砂にまみれて宙返りの練習をしていた」と寺澤さんは当時を振り返ります。2学年差の2人は、米子西高校から筑波大学まで同じ体操部で切磋琢磨し、卒業後は米子市内の高校で教員となりました。40年前に開催されたわかとり国体では、生田さんが監督、寺澤さんが選手キャプテンとして出場し、鳥取県体操成年女子チームは団体2位という成績を残しました。

その後、教員として生徒への体操指導は行っていたものの、自身の競技からは離れていた2人に、50歳代前半で転機が訪れます。大学時代に共に体操をしていた仲間からの誘いで、マスターズの大会に出場することに。その後も10年以上、「体操を愛する仲間たちに会いに行くため」年に一度の大会へ出場を続け、今年は初めて世界大会にも出場しました。「お互いに支え合って一緒だったから頑張れた」と2人は目を細めます。 今後については「いつまでバク転ができるかなと思っている」と笑う生田さんを見て、寺澤さんはうなずきながらほほ笑みます。「けがなく、正確に、美しい体操をしていきたい」と、2人は情熱を燃やし続けます。
掲載日:2025年7月25日