”バスケのおかげで成長できた”

中嶋さんは市内在住の高校3年生。高度難聴により補聴器を着けて生活しています。小学4年生からバスケを始め、昨年、デフバスケットボール男子の日本代表選手としてオーストラリアで開催された国際大会に出場しました。

デフバスケは聴覚障がい者によるバスケットボールで、ルールは同じです。しかし、試合中の補聴器の着用は禁止されており、中学3年生で初めてデフバスケをプレーした際には、「これまで『声を出せ!』と指導されてきたのが、ジェスチャーや表情での意思疎通が必要になった」と、音のない世界のバスケに大きな違いを感じたと言います。

中嶋さんが特に苦戦したのは、コミュニケーション。「もともと消極的な性格だったこともあり、手話が分からないことに加え、チーム最年少である自分からコミュニケーションを取ることに難しさを感じた」と振り返ります。しかし、日本代表の強化合宿を重ねるにつれ、コミュニケーションの大切さに気づき、ジェスチャーなどを工夫して積極的に話しかけるよう
になり、「バスケのおかげで、人として成長できた」と、はにかみます。直近の目標は、2025年に東京で開催されるデフリンピックに出場すること。そして、鳥取にはデフバスケのチームがないこともあり、「聴覚障がいがあってもバスケができることを知ってほしい」と競技の知名度向上にも意欲を見せます。
掲載日:2025年1月24日