”人権は自ら切り拓くもの”

人権擁護委員は、人権に関する相談を受けたり、人権について関心を持ってもらえるよう啓発活動をするボランティアです。市町村長が推薦し、法務大臣が委嘱した方々で、米子市では13人の委員が活動しています。小林憲充さんはその中で最も長く、今年で13年目を迎え、活動に尽力されてきました。
人権相談は、ふれあいの里で月1回定期的に開催しているほか、法務局でも受け付けています。いじめ、体罰、部落問題、近隣でのもめ事など、幅広い問題が持ちこまれると言い、「困っている方が前を向けるように、丁寧にお話を聞きたい」と目を細めます。

人権啓発にあたっては、「指導的なものや何かの結論を出すものではなく、一人ひとりが自分の人権感覚を見つめ、気づけるものを」という思いで人権学習などを企画。「人権をもっとわかりやすく伝えたい」と、全員がゲーム感覚で取り組みながら人権について気づきを得られるものも考え、取り入れてきました。

小林さんは、「人権が尊重されるためには、自分の損得勘定ではなく、お互いを大切にし、全体を良くしようとする気持ちが大事」と言い、そのためには「多様な人が集まる地域行事は気づきを得られる場の一つ」と、参加を促します。加えて、「差別を憎むだけでは物事は変わらない。人権は前に進むために、自ら切り拓いていくものとして学んでほしい」と呼びかけます。
掲載日:2024年5月24日