”これからの世代に万灯を伝承していきたい”

今年、発足40周年を迎える米子がいな万灯。万灯の個人技の頂上決戦である名人戦が8月31日に実施され、大松建設万灯会の長谷川さんが、その頂点である「三代目万灯名人」に輝きました。名人戦は5年に一度実施されていましたが、前回がコロナ禍により中止となったため、10年ぶりの名人誕生となりました。

長谷川さんは万灯を始めて今年で14年目。もともと体を動かすのが好きだったこともあり、社会人になってから職場の万灯会で練習を始めました。なんと1年目から平手、額、顎、肩、腰で難なく万灯を担ぐことができたと言い、新人戦では準優勝を果たしました。「負けず嫌いな性格もありますが、とにかく万灯が楽しくて、ここまで続けてきました」と微笑みます。練習は1年を通して欠かさず、オフシーズンは週1回、がいな祭の前は週2回、仕事の後に2時間ほど万灯を担ぎます。
名人戦では、万灯の個人戦である「妙技会」の歴代優勝者など10人が参加。当日は炎天下で風が吹く難しい状況の中で、参加者の中で最多となる5本の竹を接いだ高さ14メートルの万灯を、腰、肩、顎、額の順で持ち上げながら傘と扇を開く難易度の高い構成で安定感のある演技を披露。名人に選ばれた時は「少し風にあおられた感覚もあったので、自分が一番びっくりした」と振り返ります。名人となった今、めざすのはチーム優勝。「これからの世代に伝承していくため、若手中心のメンバーで勝ちたい」と、後進の育成に力を注ぎます。
掲載日:2025年10月24日