”妊娠・出産に関する知識や情報を伝えたい”

昨年秋、地域の母子医療を支える医院の三代目院長に就任した中曽さん。それまでは山陰の大学病院や中核病院などで経験を積んできましたが、産婦人科医としてキャリアを築く中で芽生えた「さらに成長したい」という思いが、中曽さんを東京の大学病院へと向かわせます。

胎児超音波検査などによる出生前診断、周産期救急や麻酔科研修に携わり、「母体や胎児の異常を早期に見つけるための判断能力の向上をさらに意識するようになった」と言います。「検査で全ての異常が分かるわけではありませんが、できるだけ情報を知って備えたいと考える患者さんに対して、検査の選択肢なども提供しつつ、丁寧に説明できる医師になりたい」と語ります。日々の診療に携わる中で、「思いを地元の患者さんにも伝えたい」と、かつて心のどこかにあった「医院を継承することへの迷い」は払拭され、新たな決意へと変わり、ふるさと米子への帰還を決断しました。

近年、若い男女が将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合う「プレコンセプションケア」というヘルスケアが注目されています。「妊娠時期が遅くなると、ハイリスクな妊娠や出産が増える傾向にあります。医療者として、妊娠や出産に関する知識や情報を、結婚前の人たちにも伝えていきたい。地元の少子化対策の一助となれば」と、地域の未来を見つめます。
掲載日:2026年2月25日