「米子市都市景観施設賞」は米子市内で平成元年以降に新築、建設、改築等され、良好な都市景観の形成に貢献していると認められる施設等を募集して審査を行ない、優秀な施設を表彰し広く紹介することにより、市民や事業者の皆さんに景観に対する意識の高揚を図ることを目的として開催したものです。この度、募集および審査が終了し、受賞施設が決定しました。それに伴い先日、受賞施設等の所有者・設計者および施工者の方々に対し授与式を執り行ないましたので、審査の講評、施設写真とともにご紹介します。
第11回 米子市都市景観施設賞 受賞施設
米子ガスグループの社屋
この施設は旗ヶ崎の中海に面した社屋群です。景観に配慮されながら複数の社屋棟やガス設備を順次整備されて現在の姿にされています。前面道路沿いに設けられたバラ園と植栽広場は地域開放されています。近年新しく建築された社屋、既存社屋へのルーバー追加、各社屋棟のエントランス部分の植栽など、いずれも丁寧な建物計画と植栽剪定が行なわれています。これに加えて正門から中海対岸の山並みが見え、ガス設備塔などの各種機械設備も整然と配置され、眺望への配慮も感じられます。比較的広い企業敷地の全面にわたって良好な景観づくりに努めておられ、企業社屋における景観づくりのモデルとなる事例として高く評価されました。バラ園の成長とともに今後より一層の景観を作り出していただけるという期待も抱くことのできる施設です。
所有者:米子瓦斯株式会社
設計者:株式会社平設計
施工者:大松建設株式会社
岡成の家
この施設は岡成の丘陵地にあり、大山、岡成池の土手や段々に折り重なる田畑を望むことができる、自然豊かな敷地に建つ個人住宅です。主屋は切妻屋根を持つ平屋建ての木造建物で、多くのガラス面からは開放的な室内と共に先に挙げた眺望を透かし見ることができます。主屋は小波板の屋根と県産杉板の下見板張りの外壁で作られ、農機具庫を思わせる外観です。さらに、付属の屋外道具庫はハデ木小屋を思わせ、主屋と屋外道具庫による外観は周辺の田園風景と高いレベルで調和しています。敷地はアスファルト舗装することなく自然の草地として整えておられ、約100本にもおよぶ樹木も植え育てられています。豊かな自然の中で子育てを行ないたいという夫婦の強い思いが感じられる住宅であり、田園の中に建つ戸建住宅における景観づくりのモデルとなる事例として高く評価されました。
所有者:木村 智彦
設計者:合同会社グラムデザイン一級建築士事務所
施工者:株式会社辻工務店
会長特別賞
緑化施設(個人庭)
この施設は彦名町の住宅地にあり、個人住宅に至るアプローチ空間と庭園を全て家主自らの手作りで緑化されている大変な力作です。駐車場を兼ねるアプローチ空間について、地面は芝生とそれを育成するための雨水を利用した自然の流れを工夫し、両サイドは竹垣と多数の花ポットで立体的に緑化されています。この竹垣は隣地の方にも了解を得て創作されており、こうしたことによって前面道路を行き交う人々に潤いを与えてくれる空間が作り出されています。個人所有の空間を緑化によって潤いある景観づくりに取り組むモデルとなる事例として高く評価されました。
所有者:吉田 敏雄
お問い合わせ
米子市 都市整備部 建築相談課
電話番号:0859-23-5293
掲載日:2021年2月12日