令和5年度の米子市都市景観施設賞の施設が決定し、令和6年2月15日に授与式を執り行ないました。市内で平成元年度以降に建築・建設等されたデザインに優れ、良好な都市景観の形成に貢献されていると認められる民間施設が対象です。
応募のあった作品を米子市景観審議会で審議を行ない、米子市都市景観施設賞 建築部門1件、景観づくり部門1件が選出されました。
第14回 米子市都市景観施設賞 受賞施設及び受賞団体
建築部門
みはな耳鼻・甲状腺クリニック
この施設は耳鼻科に加えて甲状腺や嚥下障がい等を診察治療する平屋建てのクリニックとして、市道・安倍三柳線に面した敷地に令和4年8月に建てられたものです。道路側に植栽と駐車場をとり、建物を道路から大きく後退させる形で計画され、車入口だけでなく、歩行者が通れる通路も植栽内にとられています。
建物外観は切妻屋根を持つ同形の2つの建物が高さの低い入口建物で連結され、周辺の住宅に近い建物ボリュームとなるよう配慮されています。切妻屋根の妻面は木材の縦ルーバーが施され、その内側と下部は赤レンガ積み、正面入口との間の壁は柔らかなアーチ状の塗り壁となっており、素材の持つ色や肌触りが上手く組み合わせられています。加えて、夜間時には赤レンガ壁を映し出すような照明も計画されています。正面だけでなく、側面等も繊細で落ち着いた外観に仕上げられていると共に、沿道の看板や建物各部のサインも印象的なデザインでまとめられています。
縦ルーバーの下は半屋外の縁側のような空間が作られており、ベンチが置かれ、診察前後の休憩と共に、発熱外来のための屋外の待合としても機能しており、コロナ禍の最中に計画・建設されたことも良く分かります。
市道・安倍三柳線は近年、JR 境線の跨線橋が完成して交通量が増え、弓ヶ浜半島部にある各種学校の通学路の役割も果たしており、本施設は行き交う多くの人々に潤いと活気を与えています。沿道及び住宅地の施設の作り方の見本となる優れた施設として高く評価されました。
所有者:三宅 成智
設計者:株式会社蟻宙設計団、OPPOSITE
施工者:株式会社平田組
景観づくり部門
皆生温泉エリア経営実行委員会
景観づくりの取り組みとして、このプロジェクトは皆生温泉の海岸遊歩道に3つの滞留拠点づくりを行ない、地域住民や観光客の散策や休憩の機会を作り出し、イベント時には「つながる拠点」としての活用が目指されたものです。この取り組みは令和3年8月から検討が始まり、現在は海岸沿いの3つの宿泊施設の敷地の一部を活用した形でウッドデッキ、木製ベンチやテーブル等が設えられています。ウッドデッキやベンチの設置と共に周辺の植栽も丁寧に管理され、休憩場所の提供と緑の潤い、海岸景観への眺望等、様々な景観要素を楽しめる場所の提供が目指されており、景観づくりの活動として高く評価されました。
※この写真の著作権等は皆生温泉エリア経営実行委員会に帰属します。
お問い合わせ
米子市 都市整備部 建築相談課
電話番号:0859-23-5293
掲載日:2024年2月20日