米子市長年頭記者会見(令和6年1月4日)

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米子市長年頭記者会見(令和6年1月4日)

令和6年1月4日(木曜日)

内容

  • 市長年頭記者会見


幹事記者:
定刻となりましたので、年頭記者会見を始めさせていただきます。市長、よろしくお願いいたします。

 

幹事記者:

定刻となりましたので、市長定例記者会見を始めさせていただきます。

 

市長:

新年明けましておめでとうございます。

冒頭、まずは、能登半島地震におきまして犠牲になられた方に対するご冥福をお祈り申し上げたいと思います。また、被災された皆様に対するお見舞いの気持ちと、今なお救助を待っておられる方がいらっしゃいますので、一人でも多くの人命が救われることを心から祈る次第でございます。

地元の動きを申し上げますと、1月1日の夜に西部消防で、いわゆるレスキュー隊の部隊を編制いたしまして、いつでも出動できる状態で待機をしておりました。消防庁からの指示を待っておりましたが、昨日、一旦この待機が解除となりました。

現地の状況を十分把握しているわけではありませんが、現地は道路の寸断や土砂崩れ、損壊などによって非常に道路事情が悪いようです。今は近隣の自治体を中心に応援に入っているようでして、一旦待機の解除が入ったところでございます。

全国的に消防組織として被災地を支援することになっておりまして、西部消防におきましても、いつでも指示があれば救援に入れるよう、準備は怠りなくしていきたいと思っております。また、地元の災害につきましても、しっかりと警戒をしていきたいと思っています。

 

そのことを申し上げまして、今日は年頭でございますので、一つボードを用意いたしました。今年一年、成果を実感できる年にしたいということで、お手元にも配付しております。

 

リンク・新しいウィンドウで開きます 資料:成果を実感できる一年に (292キロバイト)

 

順不同ではありますが、歩いて楽しいまちづくりは、昨年からの引き続きになりますが、がいなロードも完成して、様々な公共交通関係の動きに最初の一石を投じることができたのではないかと思っております。今年はより一層公共交通の利便性向上のためにできることを、今ちょうど予算編成期に差しかかっておりますが、令和6年度当初予算でしっかりと打ち出せるよう努力をしたいと思っております。

また、フレイル対策につきましては、コロナ禍でしばらく動きが取りづらかったのですが、昨年、全市展開をすることができました。当初約8,000人の方から、このフレイルチェックに対する回答をいただきましたが、各地区を歩いておりますと、例えば公民館に行った際に市民の方から、「今フレイル対策をしていますよ」といった感じで、話をしてこられるようになりました。フレイルという片仮名も、大分浸透してきたのではないかと実感を持っております。

この成果が現れるのは、まだまだ先ではあるとは思いますが、気づき始めた方といいましょうか、フレイル対策の重要性を認識された方から、自らのやり方でフレイル対策をしていただいています。やがて健康寿命の延伸という形でこの成果が現れるのを待っているところですが、今年もそういった意味で一歩でも二歩でも前進できる年にしたいと思っております。

それから、ラーメン・さばしゃぶ・475パフェについてですが、これらは一つ確立した米子の食文化ですので、しっかりとPRしていきたいと思っております。年度内にはラーメンに関する案内チラシやパンフレットの作成が完了すると聞いております。最終的な体裁はまだ確認しておりませんが、配布物も含めて、米子のラーメンなどもPRしていきたいと考えております。

こうした食文化については、今申し上げた3つ以外にも、恐らく様々な意味において重要になってくると思います。食文化のPRができるような体制もしっかりと整備しながら、まずはラーメン・さばしゃぶ・475パフェ、こうしたものを売り込んでいきたいと考えております。

 

それと、「えしこに」についてですが、運営を開始し既に1年以上が経過しておりますが、4月1日以降の拡充体制をどのように図っていくのか、今議論中でございます。近々またお話しできると思いますが、こうした福祉関係の相談体制や、あるいはその解決をしていく体制について、今年は充実を図っていきたいと思っております。

それから、鳥取大学医学部附属病院と一緒に行っております米子ヘルスケアプラットフォームの実装事業でございますが、今年のそう遠くない段階で、プロトタイプといいましょうか、どのようなシステムなのか病院側から発表されると伺っております。

米子市もプラットフォームの中に入れるコンテンツについて関わっておりますので、これを進めていきながら、デジタル化社会の恩恵を実感できる米子のまちにしていきたいと思っております。

新体育館の整備についてですが、完成目標は令和9年3月となっており、今月には業者の選定が終わります。最終的には3月の議会に諮って決定しますが、今既に複数の企業グループから、この新体育館の整備に関するプロポーザルに応募いただいています。今月中に審査を終え、その審査結果を公表させていただく大変重要な局面を今迎えております。しっかりとこれを乗り切りたいと思っております。

それから、美保中学校区の義務教育学校につきましても、年度内には買収と造成のめどを立てる予定でございます。既に先月、この新しい学校の構想につきましてプロポーザルの募集をかけたところです。

今年中に事業者も決定をし、新しい学校の姿を設計図面等によってお示しできる段階になるのではないかと思います。令和10年4月の開校予定ですので、まだ多少時間はありますが、計画段階における大変重要な1年になると考えております。

それから、子育て支援の充実についてですが、これまでも米子市独自の考えや、やり方の中で、こども総本部の設置や5歳児健診、こども総合相談窓口の設置などを行ってまいりました。これについても、例えば現在、政府が行っております妊娠時に5万円、出産時に5万円を給付する出産・子育て応援給付金において、より一層実効性を伴わせる形で拡充することができないか検討しております。

例えば、J-Coin Payを使った支援を昨年やってきたわけですが、そういったものと組み合わせることができないか、現在検討しております。子育て支援の充実も、今年度進めていきたいと思っております。

米子城跡の整備推進ですが、逐次、皆様には報告をしているところですが、令和6年度はいよいよ三の丸広場の整備にも取り掛かる予定でございます。登城路は一部完成をしましたが、あと5年ぐらいをかけ、全体の登城路整備を進めていきたいと思っております。直近でいいますと、3月には建築中のトイレが完成をする予定です。トイレにはガイダンス機能も併設され、観光客の方などが利用できるようにコインロッカーも設置されます。より一層、米子城に登られる方が様々な形で分かりやすく、そしてトイレなどの便益施設を利用しながら楽しんでいただけるように整備も進めていきたいと思っております。

皆生温泉のまちづくりですが、現在2期工事として街灯のリニューアルを進めております。海浜公園からさらに先、皆生グランドホテル天水さんの付近まで街灯をつなげていくこととしておりまして、年度内には完成予定となっております。

ハード整備は、一旦計画しているものは以上となっていますので、一層この完成したハード整備を基に、観光客がしっかりと入るような皆生温泉にしていきたいと思っております。これもやはり成果を実感できなければいけない年だと感じております。

それから、12月議会で認めていただきましたJ-Coinによる地域活性化の予算でございます。これは第二弾となるわけですけれども、引き続き物価高騰対策と、様々な事業体の支援を併せて行うために米子市内限定でポイント付与ができるJ-Coinによるキャッシュレス決済による応援をやっていきたいと考えております。

米子港のプロジェクトにつきましても、民間の動きと合わせながら、市としても米子港の後背地における土地の取得や、それから先の整備に徐々にフェーズを移していき、完遂していきたいと思っております。

最後にインバウンド需要の取り込みですが、ご存じのとおりソウル便が再開をいたしましたし、2月までの期間限定ではございますが、香港便が航路が再開をいたしました。このインバウンド需要を取り込んでいくことは重要でありますし、同時にアウトバウンドについても何らかの形で成果が出るように努力をしていきたいと思っております。

 

このほかにもいろいろと案件はございますが、成果を実感できる一年にしたいというところを皆様にお伝えをして、私の話とさせていただきたいと思います。

 

幹事記者:

ありがとうございます。

各社、この件について、それぞれご質問等ありましたらお願いします。

 

記者:

先に、能登半島地震の関係で、西部消防が待機をされて、今は解除されたというところですが、現状、市として職員の派遣や、例えば医大から何か出ていくですとか、今後、物資を送るといった予定が決まっていることはありますか。

 

市長:

現時点ではそうした予定はないのですが、ただ局面に応じて我々としてできる最大限の支援をしていきたいと考えております。今は発災から72時間というラインが到達するかしないかの段階でありまして、レスキューが最大の課題ではないかと思っております。先ほど申し上げたとおり、西部消防もいつでも向かえる態勢を取っていたわけですが、消防庁からの指示により、一旦解除をいたしました。これは恐らく現場の道路状況がかなり悪いと話が入っておりますので、そのことが起因しているのではないかと認識しております。

今後につきましては、避難所等の物資などの支援要請があれば、我々の在庫などを使いながら適切に対応していきたいと思っております。また、様々な被災状況の確認が、この後、入ってくると思いますので、その際も職員の派遣が必要とあれば積極的に応じていきたいと考えております。恐らく県で取りまとめをされ、各市町村に役割を分担されると思いますので、それに対して我々はしっかり対応していきたいと思っております。

 

記者:

例えばいろいろ市民に呼びかけをし、協力していこうといったことは考えておられませんか。

 

市長:

現時点では、そこまでは考えておりません。やはりこのタイミングにおいて、現地の道路状況は渋滞等が発生しており、かなり厳しいと聞いております。理由ははっきりと分かっておりませんが、道路の寸断等は間違いなく発生しています。何とか使える道路はありますが、個々人による救援物資の搬送が、かえって道路渋滞を引き起こしている、引き起こしかねないという話もあります。我々としましては、適切な指揮命令系統の中で適切な対応をしていきたいと思っております。もちろん支援をしていきたいという気持ちは、多くの市民の方がお持ちでいらっしゃると思いますし、我々も同じ気持ちではありますが、現地の状況に混乱を来すことがないよう、適切な指示の下に実行していきたいと考えております。そういった意味で、現時点では市民に呼びかけるということは考えておりません。

 

記者:

例えば要請が来る前に、事前に市民から救援物資を集めておくといったことなどは考えておられませんか。

 

防災安全監:

先ほど市長が申し上げましたとおり、被災された地域の状況を踏まえまして、適した支援を考えております。現時点では、市民の方にご案内をさせていただき、物資を市でお預かりするということは考えておりません。

 

記者:

分かりました。今後の状況を見ながらということですね。

 

市長:

はい。能登半島の先で地震が発生し、被害が集中しているようでして、そこに通ずる道路状況は、話を聞く限りかなり厳しいものと想像いたします。

救援物資なども銘々届けていては、道路渋滞がさらに悪化することになると思いますので、十分に現地の状況を把握しながら、都度対応していきたいと思っております。

 

記者:

分かりました。

 

記者:

鳥取県内でもメートル単位の津波の襲来が予想され、実際に境港市で60センチの津波が来ることが証明されました。今回の石川県で発生した地震を踏まえ、改めて今後の防災対策、特に津波対策について、何か見直しや強化が必要であるなど、今後の対策についてどうお考えでしょうか。

 

市長:

米子市の沿岸部につきましては、おおよそ60センチから最低10センチ程度の津波の到来予想で推移をしたわけですが、地震発生場所によっては非常に大きな津波が来る可能性も、当然想定しなければなりません。津波のハザードマップを作っておりますので、その見直しが必要かどうかは、都度検証していきたいと思っております。

またハード面の対策につきましては、津波ハザードマップ等と照らし合わせながら、その見直しの必要性に応じて、国土交通省や鳥取県と話をしながら、沿岸部のハード面での対策に抜かりがないか確認をしていきたいと思っております。

現時点ですぐに見直しをするということはありませんが、石川県で発生した地震は距離がありましたので、この程度の注意報で済みました。近くで発生した場合は、やはりより大きな津波が想定されますので、改めて検証したいと考えております。

 

記者:

北陸の被災地と米子市とで何か特別な関係があり、支援をしたりといったことがありますか。

 

市長:

現時点で私が把握しているものはございません。

 

防災安全監:

特別に北陸地方と関係のあることは、伺っておりません。

 

記者:

念のため、米子市民の方が被災地に出かけておられ、連絡が取れないですとか避難しておられるといったことはありますか。

 

市長:

そういった情報は、今のところ入ってございません。

 

記者:

津波ハザードマップは直近でいつのものが一番新しいですか。

 

防災安全課長:

令和3年度のものです。防災安全課に現物ございますので、必要であればお取りいただければと存じます。

 

記者:

ハザードマップは何をきっかけに見直されるのですか。令和3年度というのは東日本大震災を教訓に見直されたのでしょうか。

 

防災安全課長:

一定期間で見直しが行われています。県でデータが更新されるタイミングで、地図化し市民に配布しています。

 

記者:

ほかの自治体も当然関わってくることですが、このハザードマップは県と連携しながら一緒に作成するのでしょうか。

 

防災安全課長:

はい。

 

記者:

県とも確認をしながら作成されているいうことでよろしいでしょうか。

 

防災安全課長:

はい。今後の動きについては、県等と協議などを行いながらという形になろうかと思います。

 

記者:

市内の沿岸部には観光地として皆生温泉があります。非常に気になるところですが、何か災害対策における教訓はありますか。

 

市長:

まず、ハード面についてですが、海岸護岸には消波ブロックが設置されておりますが、津波ハザードマップでは、それを越えてくることが想定されております。その際には、沿岸部の一部地域は、ある程度海水につかると認識を持っております。また、ソフト面においては、旅館などを含む付近の高い建物を所有されていらっしゃる方と避難関係の協定を結んでおり、適切に堅ろうな高い建物に避難できるよう対策をとっています。

 

記者:

テレビ各局でも避難のアナウンスをしますが、被災者側の立場になって考えてみると、すぐ思いつく避難場所があるか心配です。ハザードマップをもう一度家族などで相談し見直してもらうなど、そういったお考えはいかがですか。

 

市長:

ハザードマップで見ていただくと、日本海に面したエリアでは、やはり避難が必要な場合が出てくるということが分かると思います。各自治会単位ではどういった防災体制なのか、これは本市の防災安全課がいろいろと協力をしながら、一部では避難計画をつくっている自治体もございます。我々としましては、そうしたことを日頃から自治会などを通じて情報発信をし、また、いざというときには適切なアナウンスの下、避難していただくよう対応をしていきたいと思っております。

 

記者:

改めてハザードマップの現状を見てもらうということも呼びかけられますか。

 

市長:

そうですね。一つ落ち着いたところで、特に日本海側に面する地区においてハザードマップを改めてしっかり認識していただくよう話をしていきたいと思います。

 

記者:

はい、分かりました。

 

防災安全課長:

補足ですが、避難では、難を避けることと、安全を確保するということが第一となります。ハザードマップには指定避難所等のマーキングはしてありますが、そこにさえ逃げればいいということではありません。

災害が発生した際、その災害に対し自分の身を守るにはどうしたらいいのか、指定避難所に限らずどこに行けば安全なのかを、日頃から考えていただくことが市が進めている地域防災の取組でございます。そうした取組を今後も進めていきたいと考えています。

 

記者:

先ほど、高いところに逃げるというお話があったのですが、皆生温泉では高いところとなると旅館しかありません。協力を呼びかける、あるいは事前に協力を取り付けているといったことはありますか。

 

市長:

皆生温泉旅館組合さんとは、防災に関する協定を結んでおりまして、そのような避難行動が取れる協力関係となっています。

 

記者:

なるほど。観光客の方が来られても受け入れてもらえるということですね。

 

市長:

はい。

 

記者:

「えしこに」の拡充の件について伺います。

現在は予算編成段階でなかなか話しづらい部分もあると思うのですが、市長として拡充したいという思いがあるということでしょうか。

 

市長:

「えしこに」を1年以上運営してきまして、やはりニーズはあるということは把握ができました。当初、今のふれあいの里も含めて市内7か所と考えておりましたが、7か所に同じ規模のものを設置するのは、人的体制が整わないと感じています。ある程度絞りつつ、進めたいと思っておりますし、機能としても、ふれあいの里以外の場所にどの程度の機能を持たせるのか、今詰めているところです。

一方で、ある程度マニュアル的に対応できる質問もあるのではないかということで、その部分については逆に省力化ができるよう進めていこうと話をしています。一件一件の相談に対して、全て一から丁寧に対応していては、相談数をさばき切れませんので、たくさん相談いただいた内容を精査しつつ、類型化し、マニュアル的に対応することも検討しています。そのための相談内容のデータは、しっかりとたまってきておりますので、生かしていきたいと思っております。

 

記者:

相談内容をきちんと精査し、改めて対応できる体制をつくるとともに、機関の拡充を目指していくということですね。

 

市長:

はい。

 

記者:

当初は7か所を整備する計画であったと思いますが、今年設置するお考えですか。

 

市長:

4月1日からのスタートでどのような体制が取れるのか、予算と人的体制の双方について現在、最終精査をしているところです。

当初からふれあいの里1か所でやってきたわけですが、かなり多くの相談を受けることができました。やはりニーズがあると認識しておりますので、もう少し身近なところに相談場所を置けないか現在考えております。一方で、当初予定したふれあいの里を含めた7か所に設置するのは、人的体制の整備も大変大きなものとなってしまいますので、もう少し軽い形で人的体制の整う範囲でできる体制を最終的に詰めているところです。

 

記者:

4月1日を起点に規模は未定ですが、ある程度の新体制にしていく調整をされているということですね。

 

市長:

はい、それで間違いないです。

 

記者:

災害対策に話を戻してしまって恐縮なのですが、能登半島地震では、時期的なこともあって、被災者の数が想定を上回り物資が足りなくなっている、また、大きな余震が続いており、当初通常指定されていた避難所に避難を行うことができていなかったといった話も入ってきております。

帰省の時期や観光客の多い夏場の時期によっては米子市でも同じようなことが起こり得るのではないかと思います。そういった時期に、市民以外の被災者を抱えられる余裕は、どの程度あるのでしょうか。

また、冬場に大きな地震が続いている中で、例えば避難所の中に避難ができないことなど、どの辺りまで想定なさっているのでしょうか。

 

市長:

まず、時期についてですが、もちろん災害はいつ何どき来るか分からないことは想定をしております。今回はお正月というところで、帰省されている方々もいらっしゃる中での地震であり、現地は大変な状況であるということがうかがえます。

一方で、災害の規模は、当然最大限を見積もりますが、ただ、そうなったときに、なかなか対応し切れないこともあり得るというのは、認識をしているところです。

一番難しいのは、平常時どの程度の規模の災害を想定して準備をするのかだと思います。これは平常時における活動のバランス中で決めていくことですので、全ての最大限の災害に完璧に備えるということは残念ながらできません。

したがって、起きた災害に対して、その場の反射神経といいましょうか、対応能力で切り抜けていく部分との合わせ技で対応していくことになると思います。

今回の能登半島地震につきまして、まだ十分詳しいことは分かっておりませんが、やはり山がちな半島の先端の部分で起きたことにより、道路事情がかなり悪いということが一つ言えるのではないかと思います。我々が即時対応しようと思ったところ、待ったがかかったのは、やはり現地に入り切らないといった事情があったのではないかと推測しております。そういった意味では、地震が発生する場所にかなりよるのだと思います。つまり、奥まった場所、寸断しやすいような山の斜面に面した道路があるところで起きる地震や災害は、孤立するような状況は当然想定されます。

したがって、これは米子市だけの力ではなく、自衛隊など空からでも支援ができるような機関と適切に協力をしながら、切り抜けていかなければいけないと思っております。

答えになっているかどうか分かりませんが、様々な自然災害を想定しつつ、平常時、どのような準備ができるのか、その最大限を常に目指しながら努力をしているというのが、答えになると思っております。

 

記者:

J-Coinによる地域活性化についてですが、具体的には、先般の議会でもって承認され進めていくということでした。具体的に、どういった分野で、J-Coinを活用されるのか時期や案件など、今お話しできる範囲で教えていただけますでしょうか。

 

市長:

まず、予算でお認めいただけたのは、あくまで12月議会のものでございまして、これについては恐らく2月中旬にはスタートできるものと思います。財源としては国からの臨時交付金を充てておりますけれども、2億5,000万円の財源を使いまして、先般、8月から10月にかけて行ったキャンペーンの第二弾として実施をしたいと思っております。ただし、前回は20%のポイントを付与しましたけれども、今回は10%に下げ、より幅広く、期間を長めに取って実施できるようにしたいと思っております。また同時に、本庁舎1階には相談コーナーをつくり、デジタルディバイド解消対策にも充てていきたいと思っております。

それ以外の使途につきましては、全て4月1日以降の新年度の話になりますけれども、先ほど少し触れましたとおり、子育て支援の様々な支援金などにも一部充てることができるのではないかと思っております。昨年9月には、健康フェスティバルの中でフレイルチェックをされた方に対して500ポイントを付与するというようなことを行いましたので、健康対策に対するインセンティブなどにもJ-Coinが利用できるのではないかと考えております。したがって、今年は例えばウォーキング大会や、あるいはボランティア活動といった場面でもJ-Coinを使うことができないか検討しており、使えるのであれば、ぜひ使っていきたいと思っています。

 

記者:

子育て支援の充実においてのJ-Coinの活用について、もう一回伺ってもいいですか。

 

市長:

政府から妊娠をしたとき母子手帳を交付するタイミングで5万円の支援金が出て、また、出産をしたときに別途5万円の支援金が出る出産子育て応援給付金という政策が始まっています。例えばそこに米子独自の支援金を上乗せして給付することを検討しています。その際にJ-Coinを充てることによって、子育て支援と地域振興との合わせ技が図れないか考えているところです。これはあくまで子育て支援に重きを置いた政策ではありますけれど、その際にJ-Coinを使うことができれば、よりよい施策になるのではないかと思っております。その辺りは検討していきたいと思っております。

 

記者:

全国的にも非常に子育て支援を充実させる取り組みが増えていると感じます。こども家庭庁もできましたし、東京都では都立大学授業料の実質無償化の方針を決定されました。市では子育て支援のあり方をどのようにしていかれるのでしょうか。

 

市長:

全国的に子育て支援といった場合、無償化にすることが一番多いのではないかと思っております。無償化というのは税で負担することとなりますので、市民の負担で実施することとなります。したがって、そこにはしっかりとした市民合意の下、進めていく必要がありますし、様々な既存予算の使途とのバランスを取りながら実施されなければなりません。議会などでもご質問いただくことはございますが、その都度、その旨を説明させていただいているところです。

ただ、米子市としましても、子育て支援や教育面は、将来のこの地域をつくる人々に対する支援となりますので、大変重要な分野だと認識しております。特にこの平成の三十数年は、高齢者福祉の充実を大きく図られてきた期間だったと思っています。そのバランスにおいては、子育てや教育関係の予算が乏しい状況が生まれていると認識しておりますので、リバランスといいましょうか、適切に変えることでしっかりと予算がつくような形を取りたいと思っております。

その具体的な形については、一つ一つ議論をして、その都度皆様にお知らせをしたいと思っております。ここに書きましたのは私の一つの決意といいましょうか、今年一年、こうした子育て支援を頑張るぞ、というところで受け止めていただくと大変有り難いと思います。

 

記者:

先ほど言われたJ-Coinの活用も含め、予算の中でリバランスを図っていくということでしょうか。

 

市長:

はい。支援金を拠出する場合に、できれば地域経済の活性化にも資するような使い方をしてもらえれば有り難いと思っていましたが、なかなかこれまでは手段がありませんでした。

例えば過去にプレミアム付商品券のように、紙での地域共通券の発行を行いましたが、その都度印刷をしたり精算をしたりと、手間や大きな人件費、様々な委託費がかかっておりました。J-Coinですと、地域限定のポイントが発行できますので、あたかも地域通貨のように活用でき、地域の活性化のために使うことが可能です。その手段をうまく組み合わせられるものであれば、積極的に使っていくべきではないかと考えております。

 

記者:

がいなロードの完成から半年がたちます。他の自治体も着目し始めていますが「歩いて楽しいまち」を打ち立てられてから2年目となります。歩くということに先べんをつけられたと思いますけれども、今年歩くことに関してアピールするため、イベントなどにインセンティブをつけるようなお考えはありますか。

 

市長:

いわゆるウォーキングイベントというのは、各地区、公民館単位で比較的多く行われていると認識をしております。ただ、参加者がある程度限られている状況でもありますし、主催者のマンパワーなどの問題がありますから、どんどん仕掛けていくということは必ずしもできないかもしれません。しかし、より一層様々な形でイベントが開けるように、例えばJ-Coinをインセンティブに使うこともあり得るのではないかと考えています。

具体的には、ウォーキングをするコースの中に何か所かチェックポイントを設け、そこを通過するたびにスマートフォンで二次元コードを読み取ることで、ポイントが入るようにします。全てのチェックポイントを回るとジュース1本分ぐらいが買えるようなポイントを獲得できるような感じで、ちょっとしたインセンティブを持たせる方法を考えていきたいと思っています。

 

記者:

大きな起爆や大きなアピールみたいなものはありませんか。

 

市長:

この三が日、私も挨拶回りも含めて地区を歩いたのですが、本当に誰も歩いていないですね。町なかはともかく、郊外の住宅地などでは、子供以外は車でしか外出しない慣習になってしまっているのではないかと思います。多くの人は車で外出することが一つの習慣になっているのだと感じました。

ちょっとした外出では歩こうということを、様々な形で言っていきたいなと思っています。私自身のことですが、余りにも運動不足が過ぎるので、せめて1日何千歩といったような目標を持ちながら歩くことも良いのではないかと思います。そうしたことで何かムーブメントを起こせるような形は頑張ってやりたいと思います。

 

記者:

車のメリットもあるのですが、歩くことのメリットが時代の状況の中でかなり高まってきている印象があります。

 

市長:

現代人の様々な高齢化に伴う疾患の多くが、歩くことで解消されるとも言われています。整形外科のあるお医者さんに聞きましたが、膝や腰が痛くなる状況は当然高齢になると誰もが出てきますが、ある程度歩けるような筋力があれば、そうした疾患も繰り延べ、後ろに延ばすことができるそうです。早ければ50~60代ぐらいから歩く習慣をつけ、筋力を維持できるような生活習慣に持っていくことが、健康寿命延伸の第一歩かなというふうに思います。その辺りは駅の改修ともタイミングを合わせて、やっていきたいと思っております。

 

幹事記者:

他に質問はよろしいですか。(質問なし)

どうもありがとうございました。

 

市長:

今年もどうぞよろしくお願いします。

 

掲載日:2024年1月17日