市長定例記者会見(令和5年4月11日)

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市長定例記者会見(令和5年4月11日)

令和5年4月11日(火曜日)

内容

  • ドローンを活用したヌカカ発生抑制対策について

  • 開設1周年を迎えた総合相談支援センター「えしこに」について

  • 令和5年度皆生みらいの灯り推進事業及び令和4年度施工海岸遊歩道街灯お披露目式について

     

     

幹事記者:

ただいまより米子市長定例記者会見を始めます。それでは、市長、よろしくお願いします。

 

市長:

本日は私から3点ほど、皆様にお知らせをしたいと思います。

 

【資料】新しいウィンドウ・タブが開きますドローンを活用したヌカカ発生抑制対策についてPDF 791キロバイト)

 

まず、1点目です。ドローンを活用したヌカカ発生抑制対策についてでございます。
ヌカカの発生抑制事業を令和4年度から本格実施をしておりますが、その中でドローンを活用した石灰散布の実証実験を行いました。昨年は70アールでドローンの実証実験を行い、安全性などについて確認をしておりました。その検証結果を踏まえ、今年度は自治会の了解を得ながら、昨年度比で約3倍の2ヘクタールに面積を拡大し、ドローンを活用した石灰散布を実施することをお知らせいたします。
ドローンを活用した石灰散布作業を実施する自治会は、彦名地区の4自治会及び崎津地区の1自治会となっており、その実施面積の合計が2ヘクタールとなっております。
実際の散布の様子を取材していただけますように日時を設定しております。場所は彦名10区の自治会で、日時は4月24日(月曜日)の午前9時30分からです。天候によっては順延することもあり得ますので、ご承知おきください。資料に場所を図示しておりますので、ご覧をいただきますようお願いいたします。

裏面(次ページ)の2番にこれまでの経過を記載しております。。

まず、令和元年度から3年度にかけ、ヌカカ発生抑制対策のモデル事業を彦名地区中心に行いました。

令和4年度につきましては、資料の(1)の後段に記載しておりますが、14ヘクタールの面積で対策を本格実施をすることとなりました。これまでのモデル事業で石灰散布がヌカカの発生抑制に一定の効果があるという結果が得られましたので、令和4年度には事業の本格実施をいたしました。令和5年度には、前年度の14ヘクタールから17ヘクタールに拡大し、対策を実施をしたいと考えてございます。
(2)のドローンを活用した実証実験から本格運用についてでございますが、先ほど申し上げましたとおり、令和4年度に夜見町地内70アールで実証実験を行いました。技術面や安全性、経済性などを考慮し検討した結果、実施可能な手法であると判断をいたしましたので、令和5年度にドローンを活用した石灰散布を各自治会に提案した次第です。
この発生抑制事業に関するアンケート調査についは、対策を実施された自治会などからは、ヌカカが減った・景観がよくなった・続けてほしいといった意見がございました。また、特に広い面積で継続的に対策を行った自治会からは、ヌカカの発生量が抑えられ健康被害が軽減した、と効果を実感された意見もありました。今後もできるだけ面積を広げながら、ヌカカの発生抑制を図っていきたいと考えております。その際に、身体的な負担をなるべく軽減するためにもドローン活用した石灰の散布を積極的に推進していきたと考えてございます。

ドローンを活用したヌカカ発生抑制対策については、一旦以上とさせていただきます。

 

【資料】新しいウィンドウ・タブが開きます開設1周年を迎えた総合相談支援センター「えしこに」についてPDF 113キロバイト)

 

続きまして、開設1周年を迎えた総合相談支援センター「えしこに」についてでございます。

まず申請についてですが、2月の出張申請の実施日と場所をお知らせいたします。2月末がマイナポイント付与のためのカード申請期限となっています。

まず、開設からこの1年を振り返った成果と今後の課題についてお話させていただきます。
成果についてですが、相談支援ということで、当初約300件程度の相談件数を想定しておりましたが、蓋を開けてみますと、1年を通じて499件、うち108件が継続ケースということで、想定を大きく上回ったところでございます。

多機関との協働という点につきましては、総合相談窓口という性質上、各関係機関と連携をして、様々な相談内容に対し対策や検討を行う必要性がございます。その対策や検討をする場として、重層的支援会議を設け、年間で27回開催し44ケースに対応してきたところでございます。毎月約4件のペースでのケース対応は、想定以上であったと感じております。

また、人材育成の面におきまして、「人と地域とつながる研修」を開催し、延べ95人に受講していただきました。今後、地域活動実践者を着実に増やしていきたいと考えております。
一方、今後の課題についてもよく分かってまいりました。まず市役所内における課題でございますが、各窓口で対応した職員が、来庁された方のニーズに合ったつなぎ先が分からない場合などに、「えしこに」につないでしまうケースが多々ございました。これについては、全ての職員を対象とした「断らない相談研修」を実施し改善を図る予定です。できる限り「えしこに」につながなくとも、各窓口で対応可能な課題については対応できる体制を整えたいと思っております。
また、総合相談窓口という名称であるがため、例えばご近所の困り事といった福祉関係以外の相談が寄せられるケースも幾つかございました。「えしこに」が主に福祉相談であることをもう少し発信していきたいと思っております。
チーム支援の強化という面においては、まだまだ始まったばかりということもあり、十分でない部分もありますので強化をしていきたいと考えております。
裏面(次ページ)に続きます。また、地域支援がまだ十分に手が回っていないということもございます。

それと、こうした様々な福祉相談を行政での受付を、継続して充実させなければならないと思う一方で、もしそれが家族や地域、あるいは親族といった中で解決できる課題であれば、そこで解決できるような社会の形成が必要だと感じております。ありとあらゆる相談を行政で受け付けてしまうと、税金で運営している以上、あっという間に限界を迎えてしまいます。総合相談窓口を設置しながらも、地域社会やあるいは家族といった単位で課題解決がある程度できるような社会をいかに維持していくかといった課題意識も持ち、問題に取り組んでいきたいと思っております。
総合相談支援センターについては、市内を7つ程度のエリアに分け、エリア毎にセンターを設置できるよう、相談員の育成や充実を図っていきたいと考えております。

この総合相談支援センター「えしこに」ですが、1周年を記念し講演会を実施することといたしましたので、お知らせをいたします。
開催目的は、資料記載のとおりです。開催日時は令和5年4月22日(土曜日)午後1時30分から午後4時30分までとなっております。開催場所・内容につきましては、資料のとおりでございます。一旦この話題につきましては以上とさせていただきます。

 

【資料】新しいウィンドウ・タブが開きます令和5年度皆生みらいの灯り推進事業及び令和4年度施工海岸遊歩道街灯お披露目式についてPDF 907キロバイト)

 

3点目ですが、令和5年度皆生みらいの灯り推進事業及び令和4年度施工海岸遊歩道街灯お披露目式についてのお知らせでございます。令和2年度に策定をいたしました皆生みらいの灯りコンセプトに基づき、事業が順調に進んでおります。
資料の1番ですけれども、令和5年度につきましては、街灯整備をさらに延伸したいと考えております。資料に図示しております黄色部分になりますが、皆生海浜公園からグランドホテル天水までの約400メートルにおいて今年度整備を予定しております。施工時期は夏場の繁忙期を避け、比較的人が少なくなる令和5年9月頃からと考えております。
裏面(次ページ)ですけれども、令和4年度までに完成した街路灯のお披露目式の開催をいたします。日時は4月22日(土曜日)午後7時30分からとなっております。街路灯のお披露目式になりますので、明るいうちですと照明を活かした景観が分かりにくいため、ある程度日が落ちた時間帯から開始をさせていただくことをご理解いただければと思います。場所は、皆生の海浜公園北側の芝生エリアで行います。
開催の目的ですが、「皆生みらいの灯りコンセプト」に基づいて実施した事業が、実現したところを見ていただきたいと考えております。また現在、皆生温泉では、「ぐるぐるかいけ」といった空間を活用をした様々な企画やイベントも実施されています。お披露目式当日は、その「ぐるぐるかいけ」の開催と日程を合わせておりますので、その点につきましてもご理解をいただければと思っております。

式典の概略などは資料のとおりとなってございます。私からは以上とさせていただきます。

 

幹事記者:

ありがとうございました。それでは、各社、質問に移ります。まず、ドローンを活用したヌカカ発生抑制対策ついてお願いします。

 

記者:

ヌカカの抑制についてですが、どの程度成果があったのか具体的に数字など測定がされていますでしょうか。

 

環境政策課長:

特に数値などの測定はしておりませんが、実施された自治会のアンケート結果を基に評価をしております。

 

市長

近隣の皮膚科のクリニックに対して、ヌカカ被害の受診件数などをお聞きしております。今まで年によってヌカカの発生が多かったり、比較的少ない年もありましたし、全数把握はできていないため、十分ではないかもしれませんが、住民の皆さんが、今年は健康被害が減ったと継続して実感できるかどうかがポイントだと思っております。

 

環境政策課長:

成果指標につきましては、1年遅れになりますけれども、先ほど市長が申しました医療機関への受診数などを調査いたします。自然環境によってもヌカカの発生の増減がありますので、継続しデータを取ることで全体の傾向の把握に努めたいと考えております。

 

記者:

今年度もアンケートをベースに(健康被害のあった)人数が減少傾向にあることが分かるのでしょうか。

 

環境政策課長

必ずしも今年度減少するとは限らず、年度によって増減はあるかと思いますが、全体の傾向として減少に向かっているのではないかと考えております。受診数などである程度成果は把握できますが、その数値だけをもってヌカカの発生が減っていると断定できるかは不明です。

 

市長

補足ですが、間違いなく事業の成果は出ていると認識しております。ただ、ヌカカも移動する性質がありますので、どのぐらい減ったかということにつきましては、もう少し継続的にヒアリングを行っていくことが重要だと思っております。さすがに個体数を数えることは困難ですので、先ほど申し上げたようなクリニックの受診件数の傾向といった数値を例年追っていき、着実に減少傾向が見られるまで継続するような考えでおります。

 

記者:

自治会へのアンケート調査で、ドローンの活用に対して、例えば作業効率が減って助かるといった意見はアンケートでありましたでしょうか。

 

環境政策課長:

まず、昨年度は夜見の自治会にご協力をいただいて、本市が実証試験としてドローンでの石灰散布をいたしました。実際に散布した場所と散布してない場所で幼虫の数を確認したところ、減少したという効果が確認できております。実証試験を見学された方からは、ドローンの活用により、人の手によって石灰散布をする負担が軽減されるという好意的な意見をいただいております。

 

市長:

アンケート調査は、事業を行った全ての自治会に対して行っております。ヌカカ発生抑制対策の全体に関する意見だとご理解いただければと思います。

 

記者:
2点質問させていただきます。まず1点ですが、これまでのヌカカに対する対策、そして昨年から実証実験を行われてるドローンの活用で、作業の効率や負担といった面で何か変化があったのか分かれば教えていただきたいです。
2点目はなぜ石灰がヌカカに対して効果的があるのか教えてください。

市長:
先に、ヌカカになぜ石灰が効果的なのかお話させていただきます。米子工業高等専門学校や鳥取大学医学部と長年にわたって様々な研究を行ってまいりました。これまでの実証実験の結果、石灰の散布がヌカカ発生に一定の効果があることが分かり、更に実証実験を続け効果的であることを解明しました。そこでいよいよ令和4年度でに本格実施に至ったということです。
最初のご質問の、ドローン活用についてですが、広範囲をスピーディーに作業することができますし、上空から散布することで、人が手で散布するよりもバランスよく、効率的に散布することができます。こういった点においてドローンが有効であると分かっております。
ただ一部の自治会では、このヌカカ対策が地域の一つの行事となっている実情もございます。ドローンの活用は効果的ですが、地域の人が集まるきっかけとして捨て難いという声もあるのです。無理にドローンの作業に替えることを勧める訳ではなく、あくまでドローンの有効性をPRしながら、自治会の皆さんに利用を促しているところです。

環境政策課長
石灰の有用性について補足いたします。石灰の散布によって、土壌がアルカリ性になりヌカカの育成を妨げる効果があることが研究で分かっています。
ヌカカは4月はまだ幼虫の状態です。成虫になってしまいますと駆除は難しくなりますので、石灰をまくことで幼虫の段階で駆除をすることが対策の狙いです。

記者:
今回は彦名地区の4自治会、崎津地区の1自治会でドローンによる散布が行われますが、希望がある自治会があれば追加で受け付けているのでしょうか。

政策課長:
はい、希望がございましたら受け付けております。現在のところご提示した自治会で実施予定です。

記者:

令和5年度は17ヘクタールの土地で対策が実施されるとあります。これは、ドローンも含めたものなのか、これまでの人の手による散布のみなのか、区別が分からないので教えていただけないでしょうか。

環境政策課長:
全体で17ヘクタールの面積を実施、うち2ヘクタールでドローンを使用いたします。

幹事記者:
そのほか、よろしいでしょうか。
では、開設1周年を迎えた総合相談支援センター「えしこに」について、いかがでしょうか。

記者:
今回の相談支援の件数について、499件あったということですが、詳しい内訳は出せませんか。

福祉政策課長:
すぐに内訳はお答えできかねますが、例えば高齢者問題や、障がい者支援問題、子どもの相談、生活困窮に関わる問題、ひきこもりに関する問題、住まいに関する問題といったものが主な相談内容でございます。

記者:
会見後で構いませんので、どういった相談がどのぐらいの来ていたか、内訳を教えていただければと思います。

福祉政策課長:
承知いたしました。

記者:
3点伺います。
1点目ですが、年間300件の相談を想定したとありますが、何を根拠に300件と想定されたのでしょうか。
2点目は、庁内外への周知啓発に工夫が必要とありますが、どのような方法で啓発を想定してるのか教えてください。
3点目は、人材育成の部分で研修を延べ95名が受講したとありますが、どういった方々が受講されたのか、この95人は多いのか少ないのか教えてください。

福祉政策課長:
まず、1点目の300件の想定についてですが、「えしこに」はこれまでの地域包括支援センターを包含した形で運営されています。総合相談センターの性質上、件数を見込むことはなかなか難しいのですが、前年度の地域包括支援センターの相談件数をもとに300件程度と想定しておりました。
2番目の庁内外への啓発の工夫についてです。「えしこに」は地域包括支援センターの役割も担っていますが、たびたび地域に出掛けていくことは限られます。特に外部に関しては、例えば公民館を巻き込むなどの工夫が必要だと感じております。
庁内に対しましては、「えしこに」のそもそもの趣旨や役割を明確に伝えるといった工夫が必要だと感じております。

市長:
私から補足しますと、「えしこに」では福祉相談以外の相談を受け付ける場合が散見されました。そういった場合も対応はしておりますが、福祉相談の窓口ですので、「えしこに」の前に、例えば福祉相談窓口といったサブタイトルをつけた上で広報するといった工夫も考えております。

福祉政策課長:
3点目の95人の内訳ですが、一般の方のほか、福祉関係の職業の方や、地域包括支援センターなどの支援団体の方が主であったと思います。

記者:
「えしこに」という言葉自体が一般市民に浸透してないことも大きな要因だと思いますが、「えしこに」と名付けた理由を教えてください。

市長:
この地域の方言で、「いいように」ということを「えしこに」または「ええしこに」と表現します。「えしこに」は総合相談支援センターですので、様々な難しい問題を良い形で解決できるように、という願い込めまして、アンケートで公募した意見の中から選ばせていただきました。
広報につきましては、やはり継続的に様々な媒体を通じて発信していきたいと思っております。「えしこに」の名前とともに、福祉相談窓口である総合相談支援センターが認知されるよう努めていきたいと思っております。

記者:
相談に来ていただけるために、広報面にもう少し力入れたいとお考えでしょうか。

市長:
そうですね、どんどん来てくださいと言うより、お困り事を抱えてらっしゃる方が適切に相談が受けられるよう、地域社会に知れ渡るような努力を継続的に行っていきたいと思っております。

記者:
ご近所トラブルやごみ屋敷問題など、福祉以外の相談も少なくなかったということですが、何件ぐらいがそういった相談であったか分かれば教えてください。

福祉政策課長:
内訳の件数は集計し、後ほどお知らせさせていただきます。

記者:
ご近所トラブル、ごみ屋敷問題等といった福祉以外の相談ですが、ほかにどういった内容の相談があったか教えていただければと思います。

福祉政策課担当課長補佐:
例えば犬・猫のふん尿被害であったり、職場での人間関係の悩みなど、様々でございます。

記者:
庁内でのつなぎ方についてですが、具体的にどういった場合において福祉以外の相談が「えしこに」へ寄せられるのでしょうか。

福祉政策課長:
庁内では、市民の方が窓口で所管外の話題をされたときに、まずは「えしこに」へつなぐというイメージになっていることが原因ではないかと思います。

福祉政策課担当課長補佐:
例えば窓口で高齢者の話題が出たとき、高齢者というワードだけを捉えて、詳しく話を聞かないまま「高齢者のことは長寿社会課です」とご案内したとします。しかし実際に長寿社会課でお話を聞くと、高齢者の方も家庭にいるれども、独り親で非常に困っているという相談内容が主だった、といった複合的なケースがあります。
そういった場合に部署間のたらい回しにならないような工夫が必要だと思っております。

幹事記者:
そのほか、よろしいでしょうか。
それでは、皆生みらいの灯り推進事業について質問はありますでしょうか。

記者:
確認ですけれども、当日の取材にあたり報道用の駐車場がありますでしょうか。

観光課長
報道の方につきましたは、皆生観光センターの駐車場などを利用いただければと思います。
「ぐるぐるかいけ」に行かれる一般の方向けには、皆生温泉エリア経営実行委員会がakippaという駐車場管理会社と協定を結び、各旅館の利用していない駐車場を利用できるようにしております。

記者:
整備内容についてですが、ポール灯12基を新設と記載してあります。このポール灯の高さは何メートルなんでしょうか。

観光課長:
手元に資料がありませんので、後ほど情報提供させてください。

記者:
その他の質問はありますでしょうか。

記者:

市長に伺います。一昨日に知事選挙があり、平井知事が5度目の当選をされました。そのことについて市長として受け止めと、今後、鳥取県と米子市でどのような連携をしていきたいか伺います。

市長
受け止めについてですが、平井知事におかれましては、これまで4期16年間、様々な実績をつくってこられました。特に鳥取県西部エリアに住む私たちからすると、西部のほうにもよくよく目を配っていただいていると感じております。したがいまして、次の4年間につきましても、様々な地域課題が山積しておりますので、県と市で力を合わせて取り組んでいただけるものと思っております。
今後の県と市の連携につきましてですが、新体育館の整備が大きな目玉になるだろうと思っております。令和9年3月までの竣工を予定しておりますので、現在それに向けて手続きを始めておりますし、今年は事業者の選定がございます。これは非常に重要なテーマだと考えております。
そのほかにも今秋には、市からすると麹町庁舎、鳥取県からすると西部総合事務所の新棟が完成をいたします。米子市の都市整備部はそちらに移り、逆に県税は米子市役所に入居を予定しております。鳥取県では県土整備局、市では都市整備部になりますが、土木や建築といった公共工事などを行う部署が隣接することとなり、住民の利便性は大きく上がります。
税に関しても、市税と県税とを同じフロアに配置し、窓口を並べて業務をいたします。市民の方にとって市税なのか県税なのか分かりにくい税金も、一元的に対応できるような体制となります。県と市とで力を合わせながら住民の利便性を向上させながら、これからの人口減少社会に行政も対応していこうと思っております。

記者:
平井知事は昨日、買物環境の確保に向けて新組織をつくりたいと抱負を述べられました。米子市でも、Aコープが閉店を検討していると報じられており、買物環境の整備も課題になってくると思われます。このような点において、具体的に市と県との連携について考えていることがあれば教えてください。

市長:
現時点で案はございませんが、課題を共有したいと思っております。中山間の人口減少エリアにおける小売店の撤退の話と、米子市内における小売店の撤退の話とでは様相が異なっており、米子市内においては、地場のスーパーが競争に負けてしまう形で撤退が起きているところです。地場のスーパーは、近隣の方が普段よく買物に行く場所でありますので、こうした方々にとって買物する場所がなくなってしまうことは、一つの都市問題として課題視しなければならないと思っております。ただ、全体観としては、買物をする環境自体は整っておりますので、競争激化の中、地場のスーパーをどういった形で守っていくのか、あるいは競争力を高めていくのか、この点については更なる議論があっても良いのではないかと考えております。
スーパーだけの問題だけでなく、小売店が替わりますと卸し先まで全て替わる可能性があるため、たとえ買物環境が保たれていたとしても、地元経済にとって非常に打撃を被ることもあります。こういった課題意識や問題意識を県と共有しながら、今後何ができるか、率直に話し合いをさせていただくとありがたいと思っております。

記者:
米子城跡の整備について伺います。米子城跡は最強の絶景の見ることができる城ということで、近年大変注目されております。その一方で、石仏巡りのルート付近で大規模な樹木の伐採が行われ、心配をされている市民の方がかなり多くいらっしゃいます。整備の仕方は様々かと思いますが、市民からは不満や懸念の声も出ております。環境保護や防災面なども考慮しての整備だと思われますが、このことについて一言お願いします。

市長
一言で言うならば、我々からの情報提供が不足していたことを反省しております。樹木伐採につきましては、大きくは整備基本計画に基づいて、個別には有識者会議の検討を経て、自然環境の保護と史跡の遺構の保護との兼ね合いを取りながら進めてまいりました。事前に城山に関する利害関係者の方々との協議もあり、ぜひ整備をやって欲しいといった声もいただいておりましたし、有識者の方からも、遺構の保護と自然環境の保護とのバランスについては了承を得た中で伐採を進めておりました。しかし、ご意見があったということは、米子市役所から情報提供が不足していたことが原因ではないかと考え、その点については真摯に反省をしたいと思っております。今後整備を進めていく上では、十分にご理解をいただきながら進めていきたいと思っております。
樹木の伐採は令和4年度から令和5年にかけて、年度をまたぐ作業になっておりました。切った樹木の処理や処分など景観の問題については、令和5年度中に景観を保護することを考えております。どういった形で行うかは、現在検討中でありますので、決定しましたら皆様に情報提供をしたいと思っております。

記者:
城跡全体の整備は大事だと思うのですが、もう少し自然の保護をしながら進めて欲しいという声もありました。市民の声に耳を傾け、一緒に連携して整備を進めて欲しいと思いますが、今後の対策について一言お願いいたします。

市長:
情報提供が不足していたということは、重ねてになりますが、大きな反省点であります。
現状の日本においては手つかずの山は少なく、手が入っていない山は基本的にないと認識しております。城山も、もともと植林した樹木が生育していますが、昭和50年代に樹木を伐採して以降、これまで全く手が入れられてきませんでした。樹木も密林のように生い茂り、自然の手つかずのままと言えば聞こえが良いかもしれませんが、本来は適切な間伐などがされないと山肌がかえって弱くなっていきます。根が張り過ぎたため、雪の重みで木が倒れた際、根ごと山肌を削ってしまうといった事案も過去起きておりました。山には適切に手を入れていかなければなりません。
こういった説明も含めて、市民の皆さんの理解を促すために、我々から丁寧な情報提供が必要だったのではないかと反省しております。単に史跡整備事業に基づいて工事を行います、その間通行止めをします、といった情報提供では十分に理解は得られないと思いますし、利害関係者の方にお話をして理解が得られたことなども、もっと情報を提供しても良かったのではないか思います。有識者会議の中でしっかりと検討した上で進めてきたことなども、しっかりと広報をするべきであったと感じております。そういった部分において情報提供が不足していたことは反省をしております。

記者:
市長ご自身は、大規模伐採の跡を実際にご覧になられましたでしょうか。

市長:
拝見しました。

記者:
どうお感じになられましたか。

市長:
伐採後の樹木の後処理が丁寧ではなかったと思っております。ただ伐採した樹木を下に下ろすには大変な労力が必要です。令和元年に樹木を伐採した際は、ワイヤーで伐採した樹木を下まで下ろす作業を行いましたが、そのワイヤーを張るためには、周辺の樹木も全て伐採しなければいけませんでした。自然に対してあまりに手を入れ過ぎているということで、今回は登城路に影響しない場所などに、安全を確認した上で伐採後の樹木を置くことも選択肢に入れ、進めておりました。今回は登城路からはっきりと見える場所で伐採を行いましたので、景観上に良くなかったという部分はあります。むき出しになった切り株や、伐採後の樹木がそのまま転がっているような現状ですので令和5年度に何らかの形できれいにすることを検討しております。

 

記者:
大規模な伐採してしまうと、保水力が弱まり土砂崩れが起こる心配もありますが、災害対策についてはいかがでしょうか。

市長:
その点については十分配慮をしております。土砂崩れが起こる原因は、単に山の保水力だけの問題ではなく、植物の根や土壌、山肌にも関係があると存じます。
これまでも城山では一部土砂崩れを経験しております。根の弱い木があると、かえって土砂崩れが発生しやすくなることが考えられますので、適切に樹木を伐採し、山に手を入れていくということが重要だと思っております。
我々が行っている整備事業は、史跡の保護だけが目的ではなくて、山そのものを守っていくことも含めて議論した結果に基づくものでありますので、市民の皆さまにご理解を広げられるよう努力をしていきたいと思っております。

記者:
今後も大規模な伐採は行われる予定ですか。

市長:
大規模かどうかは別といたしまして、予算の都合もございますが、必要な手入れは継続し行っていくつもりです。

記者:
今後の整備が決定される過程の中で、事前に説明が欲しいという声もあります。また、市民も一緒になって整備を考えるようなイベントなどを行って欲しいという意見もありますがいかがでしょうか。

市長:
新聞記事に出ていた方々については、少なくとも事前に声をかけさせていただいており、了解も得ていたと職員から報告を受けております。その点について、そごがあってはいけませんので、今後も適切な時期にお声がけをし、情報提供をし、理解を得る努力をしていきたいと考えております。
市民を巻き込んでのイベントというのは、どの範囲の方々を想定されておられるのでしょうか。

記者:
子供たちも含めてというレベルの話です。例えば、伐採した樹木を山道などに利用するため、市民や子供も一緒に汗を流すイベントがあってもいいんじゃないかという意味合いです。

市長:
樹木伐採と、その樹木の処分については、かなりの難作業になりますので、専門の業者に任せるべきだと考えております。
一般市民の皆様には、例えば城山の清掃や草取りといったボランティア活動などに参加していただいております。例えば就将地区の皆さんも定期的に活動に参加していただいておりますし、他にも幾つかの団体の皆さんにご参加いただいております。
建築士会の皆様には、長年にわたって様々なボランティアで、城山に手を入れていただいております。そういった方々の範囲を今後さらに広げられれば良いと感じております。

記者:
先ほど反省の弁がありましたけど、今後は丁寧な情報提供していくという捉え方でよろしいですか。

市長:
はい、そこが非常に大切だと思っております。

記者:
今後の整備に向けて抱負をお願いします。

市長:
やはりその整備に向けては、多くの市民の皆様のご理解をいただきながら進めることが大事だと思っております。もともとあります整備基本計画に基づき行うことは大前提ではありますが、一つ一つの整備事業を進めるに当たりましては、有識者会議でしっかりとご意見をいただいた上で事業計画を立て、特に関係する方々につきましては事前に情報を提供し、ご理解をいただくようにしたいと思います。市民の皆様に対しても、今後の城山の整備の考え方や方針などについては、マスコミの皆様の情報提供機能を使わせていただきながら広くお知らせしたいと思っております。

記者:
米子城跡は宝物ですか。

市長:
ええ、もちろんです。米子城跡は我々米子市民にとって宝ですし、市の大きなシンボルでもあります。多くの市民の皆様のご理解をいただきながら事業を進めるように努力をしたいと思います。

記者:
情報提供の不足が原因だとお話がありました。今後、丁寧な発信が求められますが、市の広報紙やホームページの掲載といった方法以外にも、直接話を聞ける機会や場が非常に大事だと感じます。情報提供の手法については今後どういった形が望ましいとお考えか伺います。

市長:
広報紙やホームページは当然ですが、城山で活動していらっしゃる方に対しては、これからも継続し、個別に情報提供をしたい思っております。我々としましては広く市民の皆様に伝えていただけるのはマスメディアだと考えております。報道関係の皆様に対して、例えばこういった定例記者会見の中に項目を入れ、整備事業についてお話する機会を設けるなど、適時適切なタイミングで皆様に情報をお届けしたいと思っております。

幹事記者:
そのほか、よろしいでしょうか。
以上で米子市定例記者会見を終了いたします。お疲れさまでした。

 
掲載日:2023年3月24日