令和5年1月4日(水曜日)
内容
幹事記者:
定刻となりましたので、年頭記者会見を始めさせていただきます。市長、よろしくお願いいたします。
【資料】令和5年 米子市の主要な動き「歩いて楽しいまちづくり」( 130キロバイト)
市長:
皆様、明けましておめでとうございます。距離を取っておりますので、マスクを外させていただきます。
年頭に当たりまして、今年の重点課題についてお知らせをしたいと思います。
今年は資料のタイトルにあります「歩いて楽しいまちづくり」を進めて参ります。
お手元に一緒に配付しております地図をご覧ください。
【資料】「歩いて楽しいまちづくり」地図( 691キロバイト)
今まで個別にプロジェクトを実施して参りましたが、ようやく全体像が見えてきたのではないかと存じます。
昨年行った様々な議論を踏まえて、歩いて楽しいまちづくり事業を一貫したコンセプトで進めていくことが固まりました。本年はこれらの事業を具体的により一層進めていく年にしようと考えております。
まず米子駅に関してですが、今年の8月頃に南北自由通路(通称:がいなロード)が完成いたします。がいなロードは、歩行者の方や公共交通の利便性向上のための大きな起爆剤であると考えておりますので、完成の前後には駅周辺のウォーカブル推進事業などと合わせて推進していきたいと思います。
また、同じく中心市街地のエリアである角盤町周辺でもウォーカブル推進事業を行っております。ウォーカブル推進事業は国土交通省から補助金が交付される事業です。このフリップの中では、今申し上げた駅周辺と角盤町周辺が対象となっております。
中心市街地エリアの中には米子港がありますが、中海・錦海かわまちづくり計画とプロジェクトを打ち立て進めてまいりました。同じく国土交通省の補助事業となっております。本年、進ちょくをさせようと考えております。
中心市街地エリアには米子城跡も含まれます。文化庁の国史跡に指定されたことを受けた交付金を活用し整備を進めていく所存でございます。
図の中で、JR境線や、米子駅から皆生方面へバスで向かう皆生線などの、ある程度既に利便性が確保されている鉄道や公共交通を、積極的に生かしていこうと考えています。例えば、河崎口駅周辺のJR線路を挟んだ中海側付近は、調整区域になっており住宅の建設が制限されている状態でしたが、現在はエリアを区切り規制緩和を行ったことで、新たな住宅開発が数十戸単位で進んでいると聞いております。
後藤駅や三本松口駅付近は、宅地開発は終わっておりますが、山陰両県の中で最も半径500m以内の人口密度が高いエリアです。しかし、まちづくりの中でJR境線を利活用する施策が十分されておりませんでした。今後何かできることはないか考えていきたいと思っております。規制緩和に関しましては、伯耆大山駅周辺のエリアで調整区域の一部に規制緩和を行い住宅開発ができるよう現在進めております。
皆生温泉では観光関連の公共工事として、皆生みらいの灯り推進事業を進めております。3月までに当初予定していた設置工事が完了いたします。情緒ある皆生温泉街の形成を現在進めているところです。
今申し上げた個々の事業は、ばらばらに進められてきたイメージをお持ちかもしれません。しかし、一貫して言えることは、観光の二次交通にもなる公共交通をうまく利用することで、住民の皆さんが歩いて、そして楽しい「歩いて楽しいまちづくり」をできるだけ感じていただけるよう、動機づけやきっかけづくりを進めているということです。
お手元の資料には、具体的な事業名等を記載しておりますので、また目を通していただければと思います。
資料の裏面の2番には、「歩いて楽しいまちづくり」以外で、令和5年にかけ実施する主な事業を記載しております。新庁舎である糀町庁舎も今秋の完成に向けて動き出しております。新総合体育館につきましては、間もなく公募の開始を予定しておりますので、本年は具体的な建設計画が始まります。また、安倍三柳線につきましても、2工区の一部を着手する予定にしております。学校や保育施設の整備につきましは東保育園の建て替えをはじめ、順次進めていきたいと思っております。校庭の芝生化については、4~5校程度を想定しております。芝生の供給量により一定の制約はありますが、推進していくつもりでおります。
私からは以上でございます。ご質問を承ります。
幹事記者:
それでは、質問のある社はお願いします。
記者:
「歩いて楽しいまちづくり」が、今年の市長にとっての重点施策であるということですか。
市長:
そのとおりでございます。
記者:
「歩いて楽しいまちづくり」の詳細が資料の1番にあたり、それ以外で主要なものは2番、3番で考えているということですね。
市長:
そのとおりです。資料の1番の部分が「歩いて楽しいまちづくり」の具体的な中身となっています。
記者:
もう一度改めて、「歩いて楽しいまちづくり」が市民の方にとってどういった意義があるのかお話しください。
市長:
一言で言えば、まちの持続可能性を米子市においても確保していきたいということです。これから、いわゆる団塊の世代の皆様が75歳以上の後期高齢者になられます。そういった中、警察のマターではありますが、免許の返納の問題が起こって参ります。免許を返納された方が次の日からどうやって市内を移動するのか、その移動手段が一定程度、公共交通も含めて確保されていなければ、とても持続可能なまちとは言えません。将来、移動の手段がないから、米子市を出ていこうという考え方があっても、全くおかしくありません。
こうした中、まずはまちの持続可能性を高めていくために「歩いて楽しいまちづくり」を進めていこうと考えています。ただ、さきほど申し上げた課題に直接的に対処するだけでは解決になりません。若い方も含めて、まち歩きを楽しめる空間をつくることで、普段から公共交通を使うことに慣れ親しんでいただける状態にならなければ、高齢者や観光客の方にとっても優しくないと思います。こうしたコンセプトのもと今年一年しっかり頑張っていきたいと思っております。
記者:
JR米子駅南北自由通路のオープニング時期は、いつ決まるのですか。
市長:
現時点では、南北自由通路の供用開始を8月頃と公表しておりますが、具体的な日にちは決まっておりません。ただ、工事の進ちょくは順調に進んでいると聞いております。できるだけ早いうちに日程等について決定し、どういった形でオープニングセレモニーを実施するかもふまえ、考えていきたいと存じます。
記者:
かねてから国のウォーカブル推進事業であることを前面に出しておられましたけれども、今回、改めて市民の方や観光客の方に分かりやすい形で「歩いて楽しいまちづくり」というスローガンを掲げられたという捉え方でよろしいですか。
市長:
はい、そのとおりです。ウォーカブル推進事業については、大分浸透してきていると認識しております。事業の意図する目的は、やはり歩きやすい、歩きたくなるまちの形成だと言えます。一言で言えば、「歩いて楽しい」ということであろうと考えます。
米子市ではウォーカブル推進事業が始まる前から、様々な形で「歩いて楽しいまちづくり」を進めておりました。本年は前面に出して、市民の皆様に分かりやすい形で事業を浸透させていこうと考えております。
先ほど説明の中で申し上げましたが、いわゆるウォーカブル推進事業は国交省の推進する事業であり、採択される条件が決まっております。米子市では、駅周辺と角盤町周辺の二つがウォーカブル推進事業に該当します。それ以外の事業はウォーカブル推進事業の交付金が活用されているわけではありません。
ただ、米子市としては全体観の中で「歩いて楽しいまちづくり」を推進していきたいと考えています。かわまちづくりであろうと皆生温泉であろうと、一貫するコンセプトは、「歩いて楽しいまちづくり」です。
記者:
国のウォーカブル推進事業に採択されたことが大きな追い風になったと思われます。米子市の今年のスローガンという認識でよろしいでしょうか。
市長:
そうですね、事業名というよりスローガンです。
記者:
市長はそもそも「住んで楽しいまちづくり」を市政運営に掲げられ、「楽しい」という言葉をキーワードにされてました。今回、ご本人としても、次のステージやフェーズに入ったという捉え方でよろしいですか。
市長:
「住んで楽しいまちづくり」は、福祉や教育も含めた様々な事業において適用していきたいという考えでおります。その中で駅周辺や角盤町周辺といった中心市街地活性化につながる概念は「歩いて楽しいまちづくり」でまとめようと考えています。
大きく「住んで楽しいまちづくり」を掲げつつ、その中の具体的な事業の中にも楽しいという概念を入れながら、具体的に進めていこうという考え方でございます。
記者:
二本の柱のような意味合いで、重なる部分もあるという捉え方でよろしいですか。
市長:
柱というよりは、根底に一番大きい概念があり、それから具体的な事業を束ねる概念があります。二段構えのような形で捉えていただければと思います。
記者:
概念としては「楽しい」ということを、より濃くしていくということでしょうか。
市長:
おっしゃる通りです。
記者:
山陰の中でも米子のまちづくりは注目されていると思うのですが、がいなロードの完成が大きなフックとなっているのではないかと思います。今後はやはり前面に出していくという捉え方でよろしいですか。
市長:
結論から言うと、そのとおりです。
ただ、自由通路等の事業につきましては、山陰本線の主要駅の中で、米子駅は最も遅れた駅になってしまいました。他の主要駅を見ますと、自由通路が整備されれば、今までビルなどが建設されていなかった反対側の入口にも、投資が行われるといった実績を見ることができます。
米子市の場合は遅れた分だけ、成果を早く出さなければならないという危機感がございます。がいなロードの完成自体は、何か誇れるものや自慢できるものでは決してありません。ようやく米子市にも完成するがいなロードをきっかけに、次の20年・30年を見据え、公共交通がある程度便利に使える地方都市を目指して、現在、走り出しているところだとご理解いただければと存じます。
記者:
去年はかなり米子城跡が注目されました。米子城から見ることのできるダイヤモンド大山が一番インパクトが強いと感じます。2月にも見るチャンスがありますが、その盛り上げ方や抱負をお願いいたします。
市長:
昨年、皆様のおかげで、米子城跡を様々な形でクローズアップしていただきました。特に2月と10月のダイヤモンド大山が見られる時期には、地元の市民の方のみならず、観光客の方も含めて、大勢のお客様に米子城跡へお越しいただきました。今年度もダイヤモンド大山については、しっかりと打ち出し、多くの皆様に見ていただく機会をつくっていきたいと考えています。
ただ、ダイヤモンド大山が見られるかは、その日の天気が大きく左右します。市の事業として天気任せではいけませんので、米子城跡以外でも米子市内で時期をずらせばダイヤモンド大山が見られる地点を活用し、もう少し面でこのダイヤモンド大山が楽しめるような仕掛けを考えていきたいと思っています。
加えて、米子城跡の位置は、歩いて楽しいまちづくりエリアの中に存在します。例えば米子駅から城山の登城口までは、徒歩で10分少々でたどり着くことができます。こうしたイベントを観光客の方に楽しんでいただくために、駅前のホテルなどの宿泊施設との連携も含めて、観光に寄与するような形を取れるように努力していきたいと思っております。
記者:
ほか、よろしいでしょうか。(質問なし)
市長、ありがとうございました。
市長:
ありがとうございました。
掲載日:2023年1月20日