国登録有形文化財 石賀本店土蔵

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国登録有形文化財 石賀本店土蔵

石賀本店土蔵(いしがほんてんどぞう)

石賀家は、約400年前に米子城下に移り住み、古着や陶器、漆器、仏具など幅広い商いをしてきた当代で17代目となる老舗(しにせ)です。土蔵は明治24年(1891)の建築で、南北に細長い敷地の南側に建ち、米子城の外堀に面していました。

大根島石の土台を持ち、桁行20メートル、(はり)()6メートルの土蔵造2階建で、正面北側に(ひさし)が付き、屋根には赤瓦が()かれています。

西から塗物蔵、米蔵、陶器蔵と連なり、東側は荷揚げ場と倉庫になっていました。搬入口の石段は現在3段分が見えますが、当初は6段あり、1メートル以上下りて外堀に通じていました。また、搬入口の梁には、荷揚げ用の(かっ)(しゃ)や上下に可動する階段の止め金具が残っています。

外堀は幅6間(約11メートル)、深さ2尺5寸(約75センチメートル)あり、城の守りであると同時に物流の大動脈でした。外堀沿いには蔵が建ち並び、米子港から京橋を経て小舟が行き交い、産業文化を支えました。明治以降の陸上交通の発達により、外堀は埋め立てられましたが、「外堀通り」の名前に名残を留めています。

掲載日:2021年2月9日