国指定名勝 深田氏庭園

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国指定名勝 深田氏庭園

深田氏庭園(ふかだしていえん)

深田氏庭園は、住宅書院の南側に築かれ地泉鑑賞の様式を取り入れた庭園です。昭和12年(1937)に著名な作庭家()の重森三玲(しげもりみれい)氏によって世に紹介されました。

庭園は南西隅の築山(つきやま)に庭園の中心となる蓬莱式遠山(ほうらいしきえんざん)の三尊組石(さんぞんくみいし)が、池中には鶴石と亀石が配置されています。鶴石は、羽の下にひなを抱く親鶴の愛情に満ちた様子を模していると考えられます。鶴の首部は特に写実的で、それにふさわしい石材が使用されています。亀石は亀頭石が直立に用いられ、亀が首を持ち上げたところを表しているようです。

深田氏は中世に米子の開拓に関わった豪族で、後醍醐(ごだいご)天皇隠岐配流の際、深田氏の邸宅は行在所(あんざいしょ)になったという伝承があり、かつては築山に天皇を祀る小さな社が祀られていました。

全体的な景観のまとまりはもとより、石材の選定や細部の意匠における独創性が高く評価される庭園です。

深田氏庭園

掲載日:2022年2月15日