米子市の財政事情

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米子市の財政事情

「米子市の財政は厳しい」
みなさんも耳にされたことがある言葉だと思います。
では、「なにが」厳しいのでしょう?「なぜ」厳しいのでしょう?
これから「どう」しなければならないのでしょうか?

このページでは、普通会計の決算数値などを使って、米子市の財政事情をお知らせします。

(「普通会計」とは、全国の市町村と比較できるように、統一的な基準に基づいた会計区分のことで、米子市の場合は、「一般会計」に「南公園事業特別会計」などいくつかの特別会計を合わせたものです。)

米子市の財政事情は、今、どうなっているのですか?

かつてないほどの危機的な状況に直面しています。
まず収入ですが、収入が少ない市町村でも一定水準の行政サービスを提供できるようにするため、国から交付される「地方交付税」などが年々減少している上、市税収入は、国税を減らし地方税を増やす「税源移譲」などにもかかわらず、あまり伸びていません。
また、支出の側では、児童手当、児童扶養手当などの「扶助費」や、過去の借入金の返済金である「公債費」、国民健康保険、老人保健、介護保険事業に対して法令などで繰り出すことが義務付けられた市の「繰出金」など、行政サービスで欠かすことのできない経費が大幅に伸びてきています。

【資料】
主な収入のうつりかわりと、義務的経費・繰出金のうつりかわり

グラフ:収入と支出のうつりかわり

主な収入のうつりかわり

(平成15年度までは旧米子市・旧淀江町の決算合計額、16年度・17年度は決算額、18年度は決算見込額)

  市税 地方
交付税
臨時財政
対策債
合計
平成6年度 163億円 64億円 _ 227億円
平成7年度 172億円 62億円 _ 234億円
平成8年度 183億円 67億円 _ 250億円
平成9年度 194億円 62億円 _ 256億円
平成10年度 190億円 71億円 _ 261億円
平成11年度 195億円 85億円 _ 280億円
平成12年度 189億円 92億円 _ 281億円
平成13年度 189億円 84億円 6億円 279億円
平成14年度 186億円 85億円 14億円 285億円
平成15年度 177億円 83億円 28億円 288億円
平成16年度 176億円 84億円 20億円 280億円
平成17年度 179億円 89億円 15億円 283億円
平成18年度 178億円 84億円 14億円 276億円

「臨時財政対策債」:平成13年度から、普通交付税の補てん措置として創設されました。

義務的経費と繰出金のうつりかわり

(平成15年度までは旧米子市・旧淀江町の決算合計額、16年度・17年度は決算額、18年度は決算見込額)

  人件費 扶助費 公債費 繰出金 合計
平成6年度 76億円 44億円 57億円 37億円 214億円
平成7年度 76億円 47億円 47億円 40億円 210億円
平成8年度 79億円 51億円 51億円 38億円 219億円
平成9年度 80億円 55億円 60億円 39億円 234億円
平成10年度 79億円 59億円 65億円 40億円 243億円
平成11年度 86億円 62億円 64億円 42億円 254億円
平成12年度 86億円 57億円 67億円 53億円 263億円
平成13年度 79億円 60億円 72億円 57億円 268億円
平成14年度 79億円 66億円 71億円 56億円 272億円
平成15年度 79億円 76億円 75億円 56億円 286億円
平成16年度 74億円 80億円 76億円 58億円 288億円
平成17年度 73億円 82億円 82億円 62億円 299億円
平成18年度 74億円 88億円 78億円 64億円 304億円

たとえば、平成11年度と平成18年度を較べると、収入面では、市税が17億円、地方交付税が1億円減り、臨時財政対策債を加えた合計は平成11年度が280億円、平成18年度は276億円と、4億円減っています。
これに対し、支出は、平成11年の254億円に対し、平成18年度は304億円で50億円増えているのです。

欠かせない支出は増えているのに、
収入は減ってきているのですね。
でも、こういうときのための貯金はないのですか?

一般家庭でいう貯金のことを「基金」といいます。
米子市ではこれまで、大幅な財源不足を埋めるため、いろいろな基金を取りくずしたり、財産を売却したりして赤字を埋めてきました。

【資料】
実質収支のうつりかわり

「実質収支」:単年度の歳入歳出差引額(形式的な収支)から、翌年度に繰り越す財源を差し引いた実質的な収入支出の差額のことです。

グラフ:実質収支のうつりかわり

(平成15年度までは旧米子市・旧淀江町の決算合計額、16年度・17年度は決算額)

  実質収支 基金の取りくずしを
しなかった場合
平成6年度 1億9,300万円 マイナス9億9,800万円
平成7年度 1億7,500万円 マイナス9億5,800万円
平成8年度 1億3,700万円 マイナス11億6,100万円
平成9年度 5,000万円 マイナス17億7,900万円
平成10年度 1億円 マイナス16億2,500万円
平成11年度 3億3,300万円 4,300万円
平成12年度 2億4,500万円 マイナス1億4,600万円
平成13年度 3億6,500万円 マイナス1億6,500万円
平成14年度 2億5,200万円 マイナス7億4,100万円
平成15年度 1億1,300万円 マイナス8億5,200万円
平成16年度 3億8,700万円 マイナス3億2,200万円
平成17年度 2億1,800万円 マイナス5億4,000万円

平成11年度は、市税と地方交付税の合計額が前年度に比べて19億円増えたため、基金を取りくずさなくても黒字になりました。
しかし、その他の年度は、基金の取りくずしをして、赤字を補っています。

財源不足を補うために取りくずしができる基金は、「財政調整基金」と「減債基金」に限られています。
大幅な財源不足になった平成10年度、基金は底をつきましたが、その後、数年間は16億円から17億円台を保持してきました。しかし、平成16年度以降、再び激減し、補充もできず、残高は現在、ほとんどない状態なのです。

【資料】
基金残高のうつりかわり

グラフ:基金残高

(平成15年度までは旧米子市・旧淀江町の決算合計額、16年度・17年度は決算額、18年度は当初予算額)

  財政調整基金 減債基金 合計
平成6年度 10億円 7億4,000円 17億4,000万円
平成7年度 9億2,000万円 3億3,000万円 12億5,000万円
平成8年度 9億3,000万円 7億1,000万円 16億4,000万円
平成9年度 9億2,000万円 5億1,000万円 14億3,000万円
平成10年度 4億3,000万円 5,000万円 4億8,000万円
平成11年度 5億1,000万円 1億1,000万円 6億2,000万円
平成12年度 5億4,000万円 11億9,000万円 17億3,000万円
平成13年度 6億円 10億4,000万円 16億4,000万円
平成14年度 6億2,000万円 11億円 17億2,000万円
平成15年度 6億3,000万円 9億7,000万円 16億円
平成16年度 4億3,000万円 8億円 12億3,000万円
平成17年度 4億3,000万円 3億円 7億3,000万円
平成18年度 1億3,000万円 1億6,000万円 2億9,000万円

えーっ!貯金はほとんどないのですね…
でも、平成12年度に基金残高が増えていますよ。
これは、なぜですか?
このときと同じことを、今やればいいと思うのですが…

平成12年度は、平成11年度と比べて減債基金が大きく増えていますが、これは、収入額から算出した一定の額を各部ごとに「枠」として配分し、その枠の範囲内で各課が予算を組み立てる「枠配分方式」の導入など、支出を徹底して見直し、抑えた分を基金の積み立てに充てたからです。
今でもこの「枠配分方式」による予算編成を行なっているのですが、その後の税収の落ち込みや、義務的経費や繰出金などの支出が増えたことなどによって、基金残高がほとんどない状態になっています。


では、借金はどうなっていますか?

過去の借入である「市債」の返済がピークを迎えているため、公債費負担は増えています。
しかし、近年、新しい借入をしないようにしているので、借金の残高は減少してきています。

【資料】
市債の償還額・発行額・残高のうつりかわり

グラフ:市債のうつりかわり

(平成15年度までは旧米子市・旧淀江町の決算合計額、16年度・17年度は決算額、18年度は決算見込額)

市債の償還額のうつりかわり
  元金償還額
平成6年度 34億円
平成7年度 23億円
平成8年度 26億円
平成9年度 34億円
平成10年度 40億円
平成11年度 41億円
平成12年度 44億円
平成13年度 50億円
平成14年度 50億円
平成15年度 55億円
平成16年度 59億円
平成17年度 66億円
平成18年度 63億円
市債の発行額と残高のうつりかわり
  市債発行額 建設債残高 特別債残高
平成6年度 68億円 382億円 16億円
平成7年度 82億円 429億円 29億円
平成8年度 96億円 486億円 41億円
平成9年度 93億円 543億円 43億円
平成10年度 79億円 572億円 53億円
平成11年度 77億円 609億円 52億円
平成12年度 86億円 652億円 54億円
平成13年度 92億円 686億円 63億円
平成14年度 59億円 680億円 78億円
平成15年度 74億円 670億円 107億円
平成16年度 50億円 638億円 130億円
平成17年度 42億円 602億円 142億円
平成18年度 57億円 586億円 152億円

「建設債」:道路や建物などの建設事業の財源とするためのものです。
「特別債」:税や地方交付税の不足を補う目的で発行するものですが、後で国の交付税措置がされます。

新しく市債を発行して借入をすれば、一時的に財政状況はよくなったようにみえるかもしれません。でも、それは次の世代に負担を先送りしているだけです。
今、なんとかしなければならないのです。

収入はほとんど増えず、支出はどんどん増えているのを、今までは基金の取りくずしなどで赤字を穴埋めしてきたけど、もうその基金もなくなりそうなんですね。
かなり厳しい状況なのは、わかりました。
では、米子市民みんなの生活を守りながら、このピンチをどう立て直していくのですか?

現在の「行財政改革大綱」とその実施計画を確実に実行することはもちろん、さらに財政効果が見込める項目を追加します。現行の実施項目の見直しも行ない、同時に実施のスピードアップも図ります。
そして、平成21年度末までには、財政健全化に道筋をつけ、持続可能な財政基盤を構築していく考えです。
平成19年度の当初予算も、このような財政状況を踏まえ、「選択」と「集中」の観点から、緊急的・今日的な課題にふさわしい施策や事業を中心に、限られた財源を最大限有効に配分して編成しました。

市民のみなさんには、ごみ有料化などでたいへんなご負担をお願いしていますが、米子市では、収入に見合った財政構造への転換に向けて、みなさんと協働して、この財政危機を乗り越えていきたいと考えています。
そして、将来の米子市を担う子どもたちに健全な財政を引き継ぎ、市民のみなさんが充実した生活のできるまちの実現を目指しています。
ご理解をよろしくお願いいたします。

掲載日:2007年5月15日