”私の頑張る姿が誰かの挑戦の後押しになれば”

野上さんは、昨年行われた国内最大級の障がい者スポーツ大会(全障スポ)のアーチェリー競技に出場し、大会新記録を樹立して優勝しました。
競技を始めたきっかけは、4年前に47歳で脳出血を発症したこと。会食中に「生あくびが出て、肘で体を支えないと座っていられなくなった」のを友人がおかしいと感じて救急搬送され、左半身まひの後遺症を抱えることとなりました。退院後、思うように動かない体に絶望していたとき、「オリンピック選手は無理だけど、今からできることはなんでもやったらいい」と娘に励まされ、運動経験がなかったものの「この体になったことに意味を持たせたい」とパラアスリートになることを決意。世界をめざせる競技を探していたところ、2年前に「凛とした立ち姿がかっこいい」アーチェリーと出会い、競技を始めました。

練習は、弓を引く練習を週4日、ジムでの筋力トレーニングを週3日行います。来年のアジアパラリンピック出場をめざして、今年は障がい者の大会だけでなく一般の大会にも出場して成績を残すなど、活躍の場を広げています。

最初は自身のために始めた競技でしたが、あるときジムで「あなたの頑張りに良い刺激をもらっている」と声をかけられ感激したそう。今後についても、「私の頑張る姿が、誰かの挑戦の後押しになったらうれしい」と目を輝かせます。
掲載日:2025年9月25日