保定市訪問・国際交流員手記
2018年8月4日から二日間の日程で、交流協議のため、伊木市長が友好都市である保定市を訪問し、私は国際交流員として同行しました。

保定市は北京のお膝元に位置し、昔から「京畿重地」と呼ばれています。2014年3月に一部の北京の首都機能を保定市などに分散させることが決定されました。さらに2017年4月、中華人民共和国国務院と中国共産党中央委員会は習近平党総書記の主導する「千年大計」(1000年にわたる大計画)として保定市内の雄県、安新県、容城県などを雄安新区(日本で言う首都の分都)として開発することを発表しました。保定市はこれによって首都圏に組み込まれることとなりました。保定市は人口が約1,100万人、面積が約22,000 平方キロメートル(四国より広い)、5つの市轄区、4つの県級市、15の県を管轄しています。
米子市は、保定市と1991年に友好関係を結んで以来、27年にわたって文化、経済、体育などの面でいろいろな交流事業を行なってきました。
米子市長と保定市長の会見
保定電谷ホテル会議室において、両市長が初めて会見しました。
今までの交流成果を踏まえたうえで、友好都市締結30周年に向けて幅広い分野での交流と協力について、特に青少年間の交流と企業間の交流について意見交換を行ないました。
保定市博物館の米子市交流展示室を視察
伊木市長は保定市博物館にある米子市交流展示室を視察しました。博物館は文化や歴史を集約したものを揃えて展示する施設であることから、米子市交流展示室を博物館に設置したのは本市が大切に扱われている証です。この展示室の中には、米子市の産業、観光、自然環境、歴史、文化など米子市の魅力や両市の友好交流の貴重な記録について展示しています。

保定市の職員による説明

米子市交流展示室の日本語担当者と伊木市長
直隷総督署の視察
直隷総督は、中国清朝の地方長官の官職です。直隷省・河南省・山東省の総督として管轄地域の軍政・民政の両方を統括しました。地方長官として最高位に当たる総督の中でも、特に首都北京近辺を統括した直隷総督は筆頭格でした。歴任の長官として、李鴻章、曽国藩、袁世凱が挙げられます。
直隷総督が要務を行ない、居住していた所がこの直隷総督署です。
古蓮花池の視察
800年以上の歴史を誇る古蓮花池は、昔の政府主導の蓮池書院が位置されたことがあり、乾隆帝や西太后の行宮(あんぐう。皇帝が外出した時の仮の御所)でもありました。

蓮池書院に留学し、その後中国文化を広げることに励んだ宮島大八さんと張裕釗先生の記念石碑
低炭素産業基地の視察
奥潤順達有限会社は高気密、高断熱、省エネの環境に配慮した門窓と住宅をメーン製品としたハイテク生産基地です。世界の技術と中国の伝統的な建物を融合し、環境に配慮したクリーンな住宅建築を研究・開発している様子を視察しました。

特別な建築材質で部屋の温度、湿度、空気浄化のコントロールができる
保定市訪問を終えて
2日間の短い日程でしたが、保定市の人々の情熱と現代化を感じたとともに、歴史と潜在力をも深く感じることができました。これからの幅広い分野での交流と連携をめざすには、一人一人の市民の力は欠かせないことだと思います。地域の活性化を図るためにも、ぜひ市民のかたにアクティブに国際交流事業に参加していただきたいです。
米子市国際交流員 王 麗莎
掲載日:2019年1月7日