平成28年3月19日(土曜日)に、米子城跡発掘調査現地説明会が開催されました。
米子市教育委員会では、米子城跡整備に向けた調査の一環として、平成27年度から史跡内の発掘調査を実施しています。その結果、江戸時代末期の四重櫓(やぐら)修理の作業場や、築城当初のものと思われる郭・石垣等が確認されました。
当日は約80人の参加者があり、担当職員による説明を聞きながら、実際の発掘調査現場を見学しました。
平成27年度発掘調査の成果について
平成27年度の調査の結果、「八幡台(はちまんたい)」と推定される地区では、石垣を加工した際に割った石の破片や、大型の切石などが散乱していました。ともに出土した瓦片に刻まれた年号や古文書の記録から、この場所は江戸時代末期に行なわれた四重櫓補修の作業場であったと考えられます。
また、この盛土の下部からは新たな石垣が発見されました。この石垣は、自然石に近い石材を使用していることから、築城初期に築かれたものであると考えられます。
このほか、水手郭の下方では、石垣をめぐらせた上下2段の郭が確認されました。石垣はかなり崩れていましたが、自然石を荒く打ち欠いた割石が積まれていることが確認できました。
以上、今回の調査では、米子城南斜面(深浦側)にも良好な遺構が存在することが判明しました。既存の絵図に描かれない郭や石垣が発見されたことは、米子城の性格を解明する上で非常に重要であると考えられます。
散乱する割石(八幡台)
築城初期の石垣(八幡台)
郭をめぐる石垣(水手郭下方)
資料
米子城跡発掘調査現地説明会資料( 3.87メガバイト)
掲載日:2016年3月30日