人権に関する課題が複雑化、多様化するとともに、インターネットを利用した誹謗中傷、各種のハラスメント等の新たな課題が生じている現状を踏まえ、「米子市における部落差別をはじめあらゆる差別をなくする条例」を見直し、基本理念のほか、人権侵害行為を防止するために必要な事項等を定めることにより、人権に関する問題を解決するための取組を推進し、人権侵害のない人権尊重都市米子市の実現に寄与するため、同条例の全部を改正し、題名を「人権尊重のまち米子市をつくる条例」としました。(令和8年4月1日施行)
改正の概要
「前文」を新たに追加
この条例の制定の背景、趣旨をより明確にするため、前文を追加しました。
「基本理念」(第3条)を新たに追加
本市の人権尊重の社会づくりの推進に必要な考え方を3つの基本理念として定めました。
「人権侵害のない社会づくりの推進」(第9条)を新たに追加
様々な場において、人権を侵害する行為をしてはならないことを定めました。
「相談及び支援」(第10条)を新たに追加
人権侵害に関する相談体制及び支援について定めるとともに、人権相談窓口の設置を定めました。
人権尊重のまち米子市をつくる条例(改正後全文)
米子市における部落差別をはじめあらゆる差別をなくする条例(平成17年米子市条例第6号)の全部を改正する。
前文
全ての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。これは、世界人権宣言にうたわれている人類普遍の原理であり、また、侵すことのできない永久の権利として基本的人権を保障する日本国憲法の理念にかなうものである。
この理念の下、米子市においては、これまで、「米子市における部落差別をはじめあらゆる差別をなくする条例」を制定し、人権尊重都市の実現に向けて必要な施策を推進してきた。
また、国においては、「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」をはじめ人権に関する諸条約が締結されるとともに、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」、「部落差別の解消の推進に関する法律」、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」、「こども基本法」、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」など差別の解消や人権尊重に関する法律の整備が進められてきた。
しかし、依然として、部落差別をはじめ人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、障がい、病気、職業その他の事由を理由とする差別又はこれらの事由が重なり合っていることによる複合的な差別や暴力、虐待等の人権侵害が存在し、さらには、インターネット上の誹謗中傷、職場や学校等における優越的な関係を背景とした様々なハラスメントなど、新たな課題も生じている。
このような状況において、私たちは、いかなる人権侵害も許さないとの決意の下で、あらゆる人権侵害をなくすことを誓うとともに、一人一人が、多様な生き方や価値観を認め合い、かつ、誰もが人権侵害をする側にもされる側にもなる可能性があることを認識して、互いの人権を尊重するために主体的に行動することにより、人権尊重の社会づくりを推進するため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、人権尊重の社会づくりについて、基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、人権に関する施策の基本となる事項を定めることにより、部落差別をはじめ人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、障がい、病気、職業その他の事由を理由とする差別又はこれらの事由が重なり合っていることによる複合的な差別その他の人権に関する問題を解決するための取組を推進し、もって人権侵害のない人権尊重都市米子市の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「市民」とは、市内に居住し、通学し、通勤し、又は滞在する者をいう。
2 この条例において「事業者」とは、市内において事業又は活動(いずれもインターネットを通じて行うものを含む。第6条第1項において同じ。)を行う法人その他の団体及び個人をいう。
(基本理念)
第3条 人権尊重の社会づくりは、次に掲げる基本理念に基づき推進するものとする。
⑴ 一人一人がお互いを個人として尊重し合うこと。
⑵ 誰もが多様な生き方や価値観を認め合うこと。
⑶ 全ての人を社会的孤立や排除から守り、社会の一員として包み、支え合うこと。
(市の責務)
第4条 市は、市の行政の全てにおいて、この条例の目的を踏まえ、人権に関する施策を積極的に推進するとともに、市民及び事業者の人権意識の高揚を図り、人権が尊重される社会的な環境づくりを促進しなければならない。
2 市は、人権に関する施策の実施に当たっては、市民及び事業者並びに国、県その他関係機関及び民間団体との緊密な連携を図るものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は、誰もが人権侵害をする側にもされる側にもなる可能性があることを認識し、人権に関する理解を深めるとともに、差別をはじめとする人権侵害を助長する行為をしないように努めなければならない。
2 市民は、市が実施する人権に関する施策に協力するように努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、人権に関する理解を深めるとともに、人権尊重の視点に立って事業又は活動を行うように努めなければならない。
2 事業者は、市が実施する人権に関する施策に協力するように努めなければならない。
(市及び市民並びにこれらに関わる団体及び個人の相互協力等)
第7条 市及び市民並びにこれらに関わる法人その他の団体及び個人は、真に人権が尊重される社会を実現するため、職域、学校、地域、家庭その他の様々な場において、相互に協力しながら、あらゆる人権侵害の解消及び防止に取り組むものとする。
(施策の計画的推進)
第8条 市は、人権に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、当該施策の基本となるべき方針を定めるものとする。
2 市は、前項の方針の策定及び推進に当たっては、必要に応じて実態調査等を行うものとする。
(人権侵害のない社会づくりの推進)
第9条 何人も、職域、学校、地域、家庭その他の様々な場において、人権侵害となる次に掲げる行為(インターネットを通じて行うものを含む。以下この条において「人権侵害行為」という。)をしてはならない。
⑴ 誹謗中傷、著しく拒絶的な対応、不当な差別的言動その他の心理的外傷を与える行為
⑵ いじめ及び虐待
⑶ プライバシーの侵害
⑷ 不当な差別的取扱い
2 市は、人権侵害行為を防止するため、人権に関する正しい知識の普及による偏見の解消をはじめ、必要な人権教育及び人権啓発を積極的に行うものとする。
3 市は、人権侵害行為を受けた者に対し、次条の規定による相談への対応その他必要な支援を行うものとする。
4 市は、人権侵害行為を防止するための施策を効果的に実施するため、人権侵害行為の実態の把握並びに必要な情報の収集及び分析を行うものとする。
(相談及び支援)
第10条 市は、人権尊重の社会づくりを推進するため、人権に関する相談を受け付けるための窓口(次項において「人権相談窓口」という。)を設置するものとする。
2 市は、人権相談窓口における相談があった場合には、当該相談をした者(以下この項において「相談者」という。)に寄り添いながら解決方法を検討し、次に掲げる支援を行うものとする。
⑴ 相談者への助言
⑵ 国、県その他関係機関及び民間団体(以下「関係機関等」という。)の紹介
⑶ 関係機関等と連携した相談者の支援
⑷ 前3号に掲げるもののほか、相談者及び関係機関等に対する必要な支援
3 市は、前項の支援を円滑かつ適切に行うため、関係機関等との緊密な連携の確保及び同項の相談を受ける職員の育成に努めるものとする。
(人権教育及び人権啓発の充実)
第11条 市は、市民及び事業者の人権意識を高めることにより、人権尊重の社会の実現を図るため、人権教育及び人権啓発の充実に努めるものとする。
(推進体制の充実)
第12条 市は、この条例に基づく施策を効果的に推進するため、関係機関等との連携を強化し、当該施策の推進体制の充実に努めるものとする。
附則
この条例は、令和8年4月1日から施行する。
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