よなごびと第58回「田淵文彦さん・恙子さん(オレンジカフェ わだや小路)」

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よなごびと第58回「田淵文彦さん・恙子さん(オレンジカフェ わだや小路)」

”色々な方と
お話しするのが楽しみ”

オレンジカフェ わだや小路 田淵文彦さん・恙子さん

米子市糀町の「わだや小路」では、週に1回、オレンジカフェが開催されています。オレンジカフェとは、認知症の本人や家族、地域住民が集まり、お茶を飲みながら交流を楽しめる場所です。改装された古民家の落ち着いた雰囲気の中で、会話に花を咲かせたり、のんびり過ごしたり、参加者は思い思いの時間を過ごします。田淵文彦さん・恙子さんご夫婦は、このカフェに約7年前から通っています。

当事者同士だからこそ分かち合える話も(左手前が文彦さん)

夫の文彦さんは米子市出身で、大阪で小学校の教員として定年まで勤め上げた後、故郷へ帰ってきました。米子では、自治会の会長や少年指導委員、公民館の活動など多忙な日々を送っていましたが、ある日、姪御さんが恙子さんに「文彦さんの様子がいつもと違う」と受診を勧めました。すぐに病院を受診すると、アルツハイマー型認知症と診断されました。

「いつも料理を教えてもらえて楽しい」と恙子さん(写真奥)

診断されたその日に、医師からオレンジカフェを紹介され、訪れたお二人。「カフェの皆さんにすぐに温かく受け入れていただいて、うれしかった」と振り返ります。今では、文彦さんはカフェのムードメーカーとして会話を弾ませ、恙子さんは当事者の方々と一緒にカフェの調理の手伝いをしています。お二人の穏やかな人柄に惹かれ、カフェに通い始めた方もいるそうです。「近所付き合いだけでは出会えないような、色々な方とお話しするのが楽しみ」と2人は笑顔を見せます。

掲載日:2023年8月24日