石田明 作「夏 トライアスロン」

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石田明 作「夏 トライアスロン」



作品解説(広報よなご平成30年7月号掲載)

今年は、大山開山1300年を迎えさまざまな関連イベントが各地で行なわれています。本市美術館でも、特別共催展として、『大山山麓の至宝ー「大山」ゆかりの刀を中心に―』を、7月29日から開催予定です。

さて、米子の夏といえば「全日本トライアスロン皆生大会」や「米子がいな祭」がおなじみですが、今回ご紹介する野外彫刻は、日本トライアスロン発祥の地を記念し1985年に制作され、皆生の海岸遊歩道沿いに設置されている「夏  トライアスロン」です。本作には、国内のトライアスロン競技が、いつまでも安全で発展するよう願いが込められています。

過酷な競技に挑む選手の姿をそのままではなく、高い台座の上で、天に向かって右手を指先までピンと伸ばし、体全体を大きくそらしたダイナミックな女性の姿により、勝利の栄冠をつかむため、全身全霊の力を駆使し挑戦する競技の本質そのものを象徴的に表現しています。

作者の石田 明(1931から2016)は米子市生まれ、米子東高二期卒業生で東京藝術大学では彫刻を菊地一雄らに学び、鳥取県立博物館に作品が3点収蔵、県西部を中心に、手がけた野外彫刻が数多く設置されています。米子市役所前の《地の詩`88》や伯耆町溝口の日野川に架かる鬼守橋の親柱に設置されている鬼の群像10点をご存知の方も多いのではないでしょうか。(米子市美術館副館長兼統括学芸員 今 香)

掲載日:2018年7月6日