平成27年度から、被害軽減のための情報提供および発生源対策の検討を目的とし、米子高専や鳥取大学と共同で発生状況、被害状況、ヌカカの生態などの各種調査を実施してきました。それらの結果についてお知らせします。
発生状況について
大量発生する時期の前後を通じて、毎週1回程度、採集調査を行ない、発生数の推移を調査しました。
令和5年度の発生状況
調査日 |
4/28 |
5/1 |
5/11 |
5/18 |
5/25 |
6/1 |
6/5 |
6/16 |
6/23 |
6/29 |
7/3 |
7/12 |
7/20 |
計
(匹) |
0 |
1 |
0 |
8 |
114 |
534 |
524 |
308 |
609 |
388 |
224 |
3 |
7 |
昨年度(令和4年度)の発生状況
平成28年度から令和3年度の発生状況
※ 調査地点…彦名町(中海から約400メートル内陸にある雑草繁茂地)
※ 調査日については年度によって数日のずれがあります。
※ 平成29年7月1日および平成30年7月8日は雨天中止のためデータがありません。
発生時期及び発生時間帯
発生が最も多くなる時期は、年により多少前後することもありますが、だいたい5月中旬から6月末です。
発生の多くなる時間帯としては、朝方と夕方ですが、特に朝方は活発に飛び回ります。
発生地域
おおむね弓浜地区全域に発生しますが、内浜、特に彦名町が多い状況です。
土地利用の状況
住宅地や耕作地に比べ、雑草が繁茂している土地のそばでは、捕獲数が多くなる傾向があります。
気象条件
雨上がりの無風の日に多く飛び回る傾向があります。
ヌカカの種類について
ほとんどは「トクナガクロヌカカ」で、ごくわずかに「イソヌカカ」が含まれています。
トクナガクロヌカカ
荒廃農地のように、雑草が茂り、腐植により水分や有機物が多く含まれる土壌に特に多く生息しています。
遺伝子解析等を含め検証を試みたところ、ほとんどの個体はかまないが、ごくまれに、かんで吸血する個体が存在することを確認しました。
イソヌカカ
海岸沿いの水たまりや泥の中に生息しており、その刺咬(しこう)被害は広く知られています。
被害状況について
ヌカカの被害により医療機関を受診された患者数(疑い症例を含む)の推移を調査しました。
令和5年度の受診者数
受診機関名 |
4月3週
|
4月4週
|
5月1週 |
5月2週 |
5月3週 |
5月4週 |
6月1週 |
6月2週 |
6月3週 |
6月4週 |
6月5週 |
|
|
左野皮膚科(人) |
0 |
0 |
0 |
0 |
28 |
57 |
96 |
74 |
60 |
53 |
14 |
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|
平成28年度から令和元年度の受診者数
※ 調査医院…左野皮膚科
時期
おおよそ発生状況と同じ傾向となっています。
症状
強いかゆみが最も多く、患者の多くが複数回、複数箇所かまれています。箇所は首の周り、胸、背中など衣服の中が多い状況です。
性別等
受診者は子供とお年寄り、性別では女性が多い状況です。
治療
市販薬より、処方されるステロイド外用剤が有効です。ほとんどは1、2週間で症状は治まります。
予防方法について
殺虫剤及び虫よけ剤の有効性
効果検証試験結果およびモニター調査結果( 257キロバイト)
網戸の目開きの有効性
一般的な網目のものでは、侵入を防ぐことはできません。網戸を使用する際は、網戸用の殺虫剤を噴霧して使用すると効果的です。
更新日:2023年7月24日