中海はラムサール条約湿地登録15周年を迎えました

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中海はラムサール条約湿地登録15周年を迎えました

ラムサール条約湿地登録15周年を迎えて

写真:コハクチョウと水鳥公園ネイチャーセンター(米子水鳥公園提供)

平成17年11月8日、ウガンダ共和国で行なわれた第9回ラムサール条約締約国会議で、米子水鳥公園を含む中海が、国際的に重要な湿地として、条約登録されました。

中海は、鳥取・島根両県にまたがる全国第5位の広さを有する汽水湖で、大山隠岐国立公園と接し、優れた景観をつくり出しています。また、レクリエーション、観光資源、魚介類の生息、渡り鳥の飛来など、私たちにさまざまな恩恵をもたらす貴重な財産です。

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中海のラムサール条約登録湿地区域図

ラムサール条約とは「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」のことで、水鳥だけでなく、「湿地の保全」、「湿地の賢明な利用(ワイズユース)」が条約の趣旨となっています。
「湿地の保全」とは、私たちの生活環境を支える重要な生態系と、中海の環境を幅広く保全・再生していくということをいいます。
また、「賢明な利用」とは、中海の生態系などを保全しつつ、中海からの恵みを活用し、農業や水産業、観光、スポーツなどに利用しながら、中海からの恵みを持続的に活用し、地域の活性化を図っていくことをいいます。
しかし、中海の水環境を取り巻く状況は、社会経済活動の発展に伴い、水質の悪化、アマモ場の消滅、水産資源の減少など、厳しいものがあります。
「保全」や「賢明な利用」は、行政だけでなく市民の皆さんや事業者などとともに考え、さまざまな活動に取り組む必要があります。
今後も、「認定特定営利活動法人自然再生センター」などの民間団体と一緒に、中海の恵みを活用していきたいと考えています。
昔の美しく豊かな中海を取り戻せるように私たち1人ひとりが身近なところから、環境に配慮した行動・生活をしていかなければなりません。また、生態系や地域とのバランスがとれ、中海の恵みを持続的に活用し、より良い環境を将来の世代に引継がなければなりません。

ラムサール条約
湊山公園沖でのボート練習の様子
中海夕暮れコンサート
中海夕暮れコンサート

中海・宍道湖一斉清掃

ラムサール条約の趣旨である「環境保全」と「賢明な利用(ワイズユース)」に対する地域住民の意識の高揚を目的とし、島根・鳥取両県及び関係自治体並びに地元住民等の共同による中海・宍道湖沿岸の一斉清掃を平成18年度から6月の第2日曜日に実施しています。 米子会場のみで毎年約1,200人が参加し、約4トンに及ぶゴミを収集しています。これは中海の環境保全に対する強い思いの表れであり、これからも継続していくことが重要であると感じます。

※宍道湖も中海と同日にラムサール条約湿地に登録されています。
※令和2年度は新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から中止となりました。代替事業として、米子市内団体のみで10月に3回に分けて中海の清掃を実施しました。

中海宍道湖沿岸一斉清掃の様子

彦名・水鳥ふれあいウォーキング大会(中海沿岸)

ふれあいウォーキング

彦名地区及び中海周辺の住民の皆様にラムサール条約登録湿地の重要さを理解していただくとともに、中海 の環境保全、住民相互の親睦及び健康増進を目的として、米子水鳥公園及び彦名地区自治連合会の共催で「彦名・水鳥ふれあいウォーキング大会」が毎年開催されています。
ウォーキングは、粟嶋神社の美しい社叢林から米子水鳥公園→中海沿岸→彦名干拓農地のコースで行なわれ、中海周辺の豊かな自然環境を満喫することができます。終了後には、中海で取れたアサリの汁や、彦名食生活改善推進員会によるイモご飯などの地元食材を 使った料理がふるまわれます。

※令和2年度は新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から中止となりました。

このような行事を通して、中海の自然環境に触れることも、「賢明な利用」のひとつです。

中海

ラムサール条約 Q&A

質問なぜ、「ラムサール条約」というの?

回答
正式名称は、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」で、イランのラムサールという町で「水鳥と湿地に関する国際会議」が開催されたため、この名前が使われるようになりました。
この条約名から水鳥保護条約であるとの印象を持たれるケースが多いですが、3年に1度開催される会議における決議や勧告により、現在では、水鳥だけでなく魚介類などをはじめ、湿地の幅広い機能を保全する条約となっています。

質問ラムサール条約湿地登録地は、日本にどれぐらいあるの?

回答
令和2年10月末時点では、52か所の湿地がラムサール条約湿地に登録されています。 

質問中海は湿地ですか?

回答
ラムサール条約では、沼沢地、湿原、泥炭地または陸水域、および水深が6メートルを超えない海域などを湿地として定義していることから、中海も湿地にあたります。

質問ラムサール条約で中海が湿地登録されましたが、新たな規制等がありますか?

回答
中海では、ラムサール条約湿地に登録されるまでと同様に、鳥類の捕獲が禁止されるほかは、一般市民生活上の規制はありません。

条約そのものには、「登録された湿地の面積を減らさないように努力しよう」とうたわれており、特に規制はありませんが、登録の前提条件として「国指定鳥獣保護区特別保護地区」(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第29条)の指定が必要となりますが、米子水鳥公園を含む中海は昭和49年11月1日から当該指定を受けています。
鳥獣保護区特別保護地区では、鳥獣等の捕獲の規制に加え、水面の埋め立て、立木竹の伐採、工作物の設置については、環境省の許可が必要です。
これらの規制が、ラムサール条約登録によって強まっているということはありませんが、「湿地の保全」、「湿地の賢明な利用」を心がけましょう。

米子水鳥公園

…中海に広がる水鳥たちの聖地

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米子水鳥公園の場所

水鳥たちのサンクチュアリー(聖地)の米子水鳥公園は、毎年1,000羽のコハクチョウが飛来する西日本最大の越冬地となっているほか、たくさんのガン・カモ類などの水鳥が飛来します。
水鳥公園はこれらの水鳥のねぐらとなっています。水鳥の観察には早朝や夕方が絶好のチャンスです。

リンク(新しいウィンドウで開きます) … 「米子水鳥公園」