漫歩米子(2014年9月25日号)

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漫歩米子(2014年9月25日号)

工房写真

今日はじめて米子で陶芸を体験させてもらいました。妻は保定の専門学校で陶芸という仕事に携わって日本の伝統的な陶芸技術に大学時代に感心を持っていて、せめて一回でも日本で陶芸をやってみたいなっていう話をと私に何回もしました。今回親族訪問ということで日本に来てもらうことにしました。幸いなことに、在日のうちに米子の陶芸家―上田さんがご招待いただき、貴重な体験チャンスをくださいました。

米子に来てから芸術の工房のお尋ねは初めてです。普通の陶芸工房といえばゴチャゴチャでホコリいっぱいで泥まみれの床とクモの巣が張っている天井っていう印象的ですが(妻のことを言ってる)、上田さんの工房の中に入ると結構綺麗できちんと整理整頓されています。場所はちょっと窮屈ですが、こういう静かで優雅なところで時間や社会に捕われず自分の趣味を楽しみながら没頭にものを作るのは本当に孤高の行為でしょう。こういう孤高の行為こそが現代人にとって最高な心の癒しと言えるのです。水、粘土、釉、火という単純な自然のものを使ってきれいに仕上がることによって使い物にする、焼き物を使ってご飯やお茶でお腹を満足させると同時に大自然から与えられた土、水、エネルギーという我々の命を維持する原本のものを忘れてはいけず、大切にすべきではないでしょうか。

 

上田さんの作品
上田さんがお作りなさった作品です

さあ、いよいよ作り始めました。お茶碗の形を見てみたら簡単に作れそうですが、実際に手で作ってみると意外と難しいです。

 

体験のようす

作品
写真の右上のは私が作ったおわんです。
どうですか、色んな工夫をして作った形なので
なかなかできたじゃないですか。焼いたら茶道に使えそう!

上田先生の話によると、日本人が焼き物を作る時、二回焼かないといけないそうです。なぜならば、一回焼いてから(つまり素焼きと言う)、亀裂や形の崩れなどがあるかどうかを確認してから、釉をつけてもう一回焼くのです、こうすると確実に失敗なしで材料が台無しにならずいい作品が作れるんです。しかし、中国人の場合は、一発勝負で、自然に乾燥させてから釉(ゆう)をつけてそのまま一回だけ焼くんです。妻は確かにいつも一発勝負でやって100パーセントの成功が確保できず毎回絶対に割ったり、崩れたりした作品があります。日本の焼き方は日本人の慎重さを反映されていると上田先生はおっしゃいました。中国人の焼き方は確かにわがままで成敗を賭けているような感じですが、どういう作品ができたのかがわからずに窯のドアを開ける瞬間、形の結果を知った日本人より緊張感とワクワク感がもっと湧いてくるかもしれないと思いますね。まあ、やはり自国は自国なりの魅力がありますから、個性をいかして楽しみながらそのままやっていけばいいじゃないかと思います。

では、乾燥してから、上田先生は焼いてくださるんですよ、どんな作品ができるかをお楽しみにしていますね。完成品は次回のブログで公開しますので、皆さんご期待くださいね。

掲載日:2014年9月25日