中央配水池及び南部配水池を建設します。
米子市水道局は、大正15年に給水を開始し、現在は米子市・境港市・日吉津村の2市1村を給水区域として、約19万人に給水しています。
給水区域は、配水系統ごとに9つの区域(配水区)に分けられています。これらの配水区は、災害等により1つの区域の配水が不能になった場合でも、隣接する区域から配水できるよう相互で連携が取れる体系となっています。
この配水池設置事業はこれらの配水区のうち、日野川以西の米子市、日吉津村と境港市の全域を配水区域とする中央配水区と、米子市の尚徳・成実・五千石地区を配水区域とする南部配水区について、配水方式を「ポンプによる直圧配水方式」から「配水池による自然流下方式」に変更するために行ったものです。平成20年度に事業の基本計画を作成し、平成24年度から工事に着手しています。
自然流下方式とは、高台に配水池を設置し、高低差を利用して水を流下させることにより配水を行うもので(下図をご参照ください。)、2つの新配水池は、米子バイパス南インター付近の宗像・観音寺・長砂町にまたがる山の上に設置します。
≪水道の配水方式≫
ポンプによる直圧配水方式
井戸からくみ上げた水をいったん貯め、ポンプにより直接圧力を加えて配水する方式
《メリット》 |
設備投資が安価で、新設・更新工事において短期で施工できる。
水道の使用量によって水圧の制御が可能である。 |
《デメリット》 |
雷等による停電時に、瞬間的に水圧低下や出水不良を起こすことがある。
水道の使用量によってポンプの回転数を制御(回転数を上げたり、下げたりする。)するため、ポンプに負荷がかかり、多くの電力を必要とする。 |
高台を利用した自然流下方式
井戸からくみ上げた水を高台に設置したタンク(配水池)に貯めて、そこから高さを利用して自然流下によって配水する方式
《メリット》 |
水源地から配水池までの短い距離を、一定の水圧、量で送水することによりポンプの稼動に必要な電力が少なくて済み、配水は位置エネルギーを利用して行うため電力は不要となる。
配水池(タンク)を設けることにより一定量の水道水が貯留されるため、停電時においても水圧低下や出水不良が起きにくく、常に安定した水圧で配水できる。 |
《デメリット》 |
配水に十分な高さや配水池の設置のための広い土地が必要で、設備投資に費用が多くかかり、工事期間も長い。 |
高低差と水圧の関係
現在、車尾水源地における配水圧力は、約0.4MPa(メガパスカル)です。
高低差により0.4MPa の配水圧力を得るためには、約40メートルの高さ(標高差)が必要になります。
配水池設置事業の主な工事について
1、中央・南部配水池建設工事
【中央配水池】
1、素 材 ステンレス鋼製 強度や錆に強く、内外面の塗装が不要など維持管理面で有利なため。
2、形 状 角型(凸型) 地形を有効利用でき、内部を何槽にも分けられるため。
3、大 き さ 縦・横(41.0m×14.0m×2槽)+(46.0m×12.5m×2槽)高さ7.0m
4、有効容量 16,000立方メートル(中央配水区ピーク使用時の4、5時間分)
【南部配水池】
1、素 材 ステンレス鋼製
2、形 状 角型(長方形)
3、大 き さ 縦・横(13.0m×10.0m×2槽) 高さ7.0m
4、有効容量 1,800立方メートル(南部配水区ピーク使用時の4、5時間分)
≪完成予想図≫3Dイメージ

※中央配水池は水道用ステンレス鋼製角型配水池としては、国内最大規模になります。
(これまでの国内最大施設は有効容量10,000立方メートル)
2、配水池建設工事に伴う造成工事
1、造成面積 約20,000平方メートル
2、造成カット面 中央配水池(最高標高約69mを46.0mまでカット)
南部配水池(最高標高約78mを67.6mまでカット)
3、主な工事 森林伐採・切土・盛土・管理道路建設・防災安全対策工事・雨水洪水調節池建設など
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造成工事(遠景) |
造成工事(近景) |
3、法勝寺川水管橋建設工事
1、目 的 配水池の建設場所は、取水・送水設備などが充実している戸上水源地(市内福市)の
法勝寺川を挟んだ対岸の山であることから、法勝寺川を横断する水道管を渡す必要があるため。
2、素 材 ステンレス鋼製
3、形 式 上部工 逆三角トラス補剛形式(下左の写真を参照)
下部工 橋脚1か所(河川内中央)、橋台2か所(左右岸)
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≪上部工≫ |
≪下部工≫ |
4、橋 長 85.0m(2径間)
5、口 径 φ800A(中央送水)、φ400A(南部送水)、φ400A(南部配水)
4、送・配水管布設工事
配水池と車尾及び戸上水源地を結ぶ、送・配水管を耐震継手ダクタイル鋳鉄管にて布設しました。
1、戸上水源地から配水池間
口径及び延長 中央配水池送水管 DIPφ800mm L=650m
南部送水管 DIPφ400mm L=650m
南部配水管 DIPφ400mm L=650m
2、配水池から車尾水源地間
口径及び延長 中央配水管 DIPφ1000mm L=2,000m
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耐震管ダクタイル鋳鉄管Φ1000mm |
配水管布設状況 |
埋蔵文化財発掘調査について
建設予定地には古墳が存在していたことから、事前に米子市文化財団により発掘調査と資料保存が行われました。
古墳は資料保存とすることとして解体されましたが、この事業の完成後、近隣に復元保存する予定となっています。
建設事業費について
新配水池設置事業に係る全ての工事、業務委託、用地取得などを含めた総事業費は約44億円になります。
お問い合わせは、施設課 改良係まで
〒683-0008 鳥取県米子市車尾南2丁目8番1号
電話(0859)32-9920 [直通]
ファクシミリ(0859)23-3530
Eメール:suido-sisetu@city.yonago.lg.jp
営業時間 平日の午前8 時30 分から午後5 時15 分まで
(土曜日、日曜日、祝祭日は休業です。)
掲載日:2014年9月18日