施政方針

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施政方針

平成29年6月19日、米子市議会6月定例会での市長の施政方針です。


本日、ここに平成29年度一般会計補正予算をはじめ関係諸議案の審議をお願いするに当たり、市政に対する所信と、予算に関する総括的な説明を申し上げまして、議員各位のご理解を賜りたいと存じます。
私は、去る4月16日に執行されました市長選挙におきまして、市民の皆様のご信託をいただき、米子市の市政運営を担当させていただくことになりました。改めましてその責務の重大さを痛感いたしますとともに、15万市民の負託にこたえるべく、本市発展のため、全力を尽くす覚悟でございます。
日本海と中海、そして大山に囲まれた自然豊かなこの米子のまちは、可能性の宝庫であり、21世紀の日本をリードしていくだけの潜在力を秘めていると思っております。そして、その可能性を最大限に引き出すことが、私の使命でございます。
「住んで楽しいまちづくり」これがすべての政策に通じる私の政治理念です。
私は、住んで楽しい、人生を楽しめるまちをつくりたいという思いを多くの市民の皆様と共有し、市民の皆様に積極的にまちづくりに関わっていただきたいと思っております。そして、自然豊かな環境や暮らしやすさなど本市の持つ魅力をいかしながら、まちなかも郊外も米子市のすべての地域において、その地域が持つ様々な可能性を開花させてまいりたいと考えております。
しかしながら、現在、わが国においては、少子高齢化の進展、人口減少社会の到来という歴史的な転換期を迎えております。また、社会経済のグローバル化や高度情報化社会の進展、これまでの想定を上回る甚大な自然災害の発生など社会経済情勢は予想を上回るスピードで変化しております。
これらの状況を踏まえ、私は、本市におきましても時代の変化や新たな課題に柔軟かつ適切に対応し、多様化する地域課題や市民ニーズにスピード感を持って的確に対処するなど、職員一丸となって具体的かつ積極果敢に行動し、子どもたちの未来のため、より一層活力のあるまちづくりを進めることが求められていると考えております。
まず、今年度からは、次に掲げます諸課題について重点的に取り組んでまいりたいと存じます。

まずは、経済の活性化でございます。
少子高齢化や若年層の人口流出といった諸問題が横たわる今、地域経済の活性化、雇用機会の拡大に向けて、この度新たに工業用地を整備しようと考えております。現状におきまして、企業誘致及び地元企業の増設促進のための市内の産業用地が絶対的に不足していると認識しておりますので、企業のニーズの多い米子インターチェンジ周辺に新たな工業用地を整備することとし、本議会で「米子インター周辺工業用地整備事業特別会計」の設置及び用地買収等の予算案についてご審議いただくこととしております。
インフラ整備の推進についてですが、米子駅南北自由通路等整備事業は、南北地区の連携、公共交通の利便性の向上、民間投資の可能性など本市の発展にとって必要不可欠な事業であり、スピード感を持って推進してまいりたいと考えております。本年度は、JRへの移転補償の一部を実施するとともに、この事業の効果を更に引き出すために、新駅ビルの利活用や公共交通体系の見直し、米子駅を中心とした活性化策の検討などについて、市議会をはじめ、鳥取県、JR西日本などの関係機関と協議・調整を進めてまいりたいと考えております。
次に、米子・境港間の高規格道路につきましては、北東アジアのゲートウェイとして、機能拡充が進められている境港からの人流・物流の円滑化、津波をはじめとする災害時における信頼性の高い避難路の確保及び米子境港間の慢性的な交通渋滞の解消のため、米子・境港間を結ぶ高規格道路の整備に向けた「米子・境港地域と道路のあり方検討会」において検討を行っているところであり、可能な限り早く道路のあり方についての提言を取りまとめ、公表できるよう、関係機関と調整を進め、事業化を国に強く働きかけてまいりたいと考えております。
中心市街地と郊外の一体的な発展を目指したまちづくりの検討についてですが、まず、中心市街地につきましては、本市の核となる場所と位置付け、商業環境整備や文化施設整備等による活性化に取り組んでまいりましたが、必ずしも十分な成果が得られたものとは考えておりません。
原因といたしましては、インターネット通販の台頭、消費者のし好の変化等、小売業を取り巻く環境が大きく変化する中で小売業を中心とした施策であったこと、また、郊外の幹線道路の整備が進む中で、中心市街地が相対的に交通不便なエリアとなったこと等が考えられますが、中心市街地には既存の行政、経済、文化、教育、医療、福祉、娯楽などの都市機能が集積していることや道路、鉄道などの交通の結節点でもあることから、現状の問題点等を十分踏まえ、中長期的な視点も持って活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
一方で、郊外につきましても、交通の利便性の高い地区の土地利用、地域ごとの産業振興、地域固有の歴史文化や特性・潜在力をいかしたまちづくりに取り組み、中心市街地と郊外のそれぞれの拠点を結ぶことで、市全体が一体的に発展することを目指してまいりたいと考えております。
次に、起業や新事業を展開しやすい環境整備についてですが、近年、県内では廃業者数が新設事業者数を大きく上回る状況にある中で、本市の事業者数も年々減少し続けており、このことが地域経済を減退させる要因ともなっております。こうしたことから、若者等の起業や既存企業の新事業展開を促進する環境を整備し、新たな経済活動の展開による経済の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。このため、今後、若年層からのビジネスマインドの育成やリーダー教育、若者を中心とした創業に対する知識や意欲の向上につながる取組などを進めてまいりたいと考えております。
また、中小企業振興条例制定に向けての検討についてですが、今後、条例を制定している自治体の調査・研究を行うとともに、経済団体とも協議し、条例制定の基本方向・方針を決定してまいります。
荒廃農地対策についてですが、弓浜地域の畑作地帯を中心に農地の荒廃化が問題となっておりますので、荒廃農地を再生、有効利用するため、「荒廃農地利活用促進事業交付金」の活用による再生事業や「農地中間管理事業」などの推進により多様な担い手への農地集積を促進し、荒廃化の抑制を図ってまいります。
農業基盤整備についてですが、ほ場整備により営農の効率化と荒廃農地の解消を図るため、富益地区での「農業基盤整備モデル事業」の実施に向け、地域における合意形成を進めるほか、皆生地区の農業基盤整備事業にも取り組んでまいります。また、農業用用排水路や農道などの土地改良施設の機能の維持、保全のための整備を計画的に実施してまいります。
地域特産品のブランド化の推進についてですが、産地活性化を図るため、白ねぎ、にんじん、ブロッコリー、柿、梨について、「がんばる地域プラン」や「園芸産地活力増進事業」により、生産力の維持向上、市場や消費者への情報発信など、ブランド化の推進を図ってまいります。
次に、皆生温泉の街並み整備の推進についてですが、地方創生拠点整備交付金を活用し、米子市観光センターの改修を行うほか、新たに、観光客の滞留拠点としての当センターの機能向上を図るため、エコ・スポーツツアーデスクの設置、郷土芸能公演の支援等を行うこととしております。また、皆生温泉とその周辺地域の活性化を図るため、中・長期的な視点に立った「まちづくりビジョン」の策定に取り組むこととしております。
観光は、本市の主要産業の一つであると認識しており、滞在型観光の宿泊拠点都市を目指し、米子市観光協会、皆生温泉旅館組合、とっとりコンベンションビューロー等との密接な連携により、観光資源の整備と活用を推進するとともに、「圏域の観光地への交通の利便性」、「宿泊施設・飲食施設の集積地」といった特性をいかし、交流人口の拡大と宿泊客数の増加に努めてまいります。

次に、歴史と文化に根差したまちづくりの推進でございます。
大山開山千三百年へ向けた取組の推進、地蔵信仰の魅力の掘り起こしについてですが、来年の『伯耆国「大山開山千三百年祭」』に向け、官民一体となり歴史、文化、自然、食など「大山」の多様な魅力を掘り起こし、「大山」のブランド化を推進するとともに、「地蔵信仰」の歴史的・文化的な価値を再発見することによる魅力向上等、各プロジェクト事業実施のための準備を鳥取県や大山町などと協力して進めてまいります。
次に、淀江振興本部の設置についてですが、中心市街地と郊外の一体的な発展を目指したまちづくりを推進する観点から、まずは淀江地域において、歴史と文化を生かした地域振興策を積極的に推進してまいりたいと考えており、今後、課題を整理した上で、できるだけ早い時期に設置してまいりたいと考えております。
また、淀江地区の歴史文化施設を活用した地域の振興についてですが、淀江地区には、名水、重要文化財など特色ある史跡、豊かな自然があり、その地域資源を活用し魅力を発信するため、観光・文化施設が整備されています。これらの地域資源を連携させた観光ルートづくりや魅力の発信により地域の振興を図ってまいります。
米子城跡の整備と魅力発信、史跡公園整備の検討についてですが、湊山球場敷地について、鳥取大学医学部は活用する考えはないとの意向を改めて確認できましたので、前に進めていきたいと考えております。
米子城跡は、近世以降の郷土の歴史を理解する上で欠かすことのできない歴史遺産であり、また、平成18年には本丸、二の丸などが国史跡に指定されるなど国民的財産でもあることから、米子城跡を適切に保存し後世に継承するとともに、その活用を図っていくことには大きな意義があるものと考えております。このため、平成29年3月に策定した「史跡米子城跡保存活用計画」を指針に、文化財としてできるだけ望ましい姿での保存・管理に努めながら、より多くの人に米子城跡に来ていただき、その価値や魅力について理解を深めていただけるよう、史跡公園として活用・整備を図っていきたいと考えています。           
次に、彫刻ロードの魅力発信についてですが、昭和63年から平成18年にかけて開催された「米子彫刻シンポジウム」で制作された彫刻を市街地に配し整備を行った米子彫刻ロードは、「美しい日本の歩きたくなるみち五百選」に選ばれるなど優れた都市景観を形成しているものであり、芸術文化を身近に感じることができる潤いのスポットでもあります。
現在、本市のホームページや各種パンフレット等を通してPRするとともに、現地見学ツアーや市民団体との連携による定期清掃などを行っておりますが、今後、市民の認知度を更に高め、周辺にあります他の野外彫刻や公園、米子城跡をはじめとした歴史文化遺産などとも関連付けながら、市内外に向けてその魅力を発信してまいりたいと考えております。
美術館、図書館の充実と文化芸術活動の振興についてですが、まずは、市民が様々な形で文化芸術を享受する機会の充実を図ることが、本市の文化芸術活動の振興に寄与するものであると考えております。
このため美術館では、幅広い分野の優れた芸術作品に触れていただけるよう各種展覧会を開催いたしますとともに、教育普及事業や市民参加の米子市美術展、米子市秋の文化祭では、多くの方に参加いただけるよう運営に努めてまいりたいと考えております。
市立図書館の充実については、地域の「知の拠点」として、市民のニーズに応える幅広い資料の充実のほか、市民の教養の向上に資するため、また、子どもの読書活動を支える取組となる学校支援・乳幼児期の子育て支援などサービスの充実を図ってまいります。
そのほか文化芸術活動の拠点となります文化施設につきましては、安全・快適に利用できるよう適切な維持管理に努めるとともに、それぞれの施設の特性を活かした市民参画による自主事業、市民参加型のイベント等の更なる充実を図ってまいりたいと考えております。また、将来を担う若い世代の人たちにも文化芸術に対し関心を持っていただけるよう、鑑賞、参加の両面で働きかけていきたいと考えております。

次に、高齢者、子育て世帯など、人にやさしいまちづくりの推進でございます。
公共交通の利便性向上対策についてですが、市内の医療機関・商業施設等への移動利便性を高めるために、利用者の需要を考慮したダイヤ設定やバス路線の見直し、使いやすい公共交通環境の整備など、今後も鳥取県及び関係団体との連携を図りながら、持続可能なバス路線の再編を進めてまいります。
次に、高齢ドライバーの交通事故が全国的に多発している中、高齢者の運転免許証自主返納を促す活動について、市としてどのような取組ができるか検討を行います。
次に、児童発達支援の充実についてですが、相談体制の充実、教育委員会との情報共有を含めた相談、療育支援の充実等について、今後更に施策の具体化を図ってまいります。中でも、5歳児健診について具体的な実施方法を鋭意検討しているところでございます。
在宅での子育て支援の充実についてですが、在宅で子育てを行っている世帯の育児に対する不安感等を軽減するため、子育て支援センターでの相談や地域の子育て支援サークルへの支援、また、一時預かりをはじめとする特別保育を実施しておりますが、更に支援の充実策を検討し、在宅での子育て世帯を応援してまいりたいと考えております。
併せて、安心して子どもを産み、育てられる環境づくりの観点から、保育所やなかよし学級等の待機児童の解消に努めてまいります。
次に、認知症対策や介護予防の推進についてですが、高齢の方が増加していく中で、認知症施策として、早期発見・早期対応を図るため、今年度は新たに、医師も含めた「認知症初期集中支援チーム」を立ち上げるとともに、加齢に伴う活力低下への適切な対応としてのフレイル対策や、介護予防として、「がいなみっく予防トレーニング」をはじめとした事業を更に推進してまいります。

次に、広域連携によるまちづくりの推進でございます。
中海・宍道湖・大山圏域連携強化による諸課題の解決についてですが、本市は中海・宍道湖・大山圏域の市町村と連携し、圏域が有する優れた地域資源や優位性をいかすとともに、圏域の一体感の醸成と連携の強化を図りながら、産業や観光の振興、環境保全対策の充実などに資する様々な取組を行っておりますが、今後も圏域の一体的な発展や地方創生をはじめ、共通課題の解決を図る取組を推進してまいりたいと考えております。
また、広域観光の推進についてですが、中海・宍道湖・大山圏域市長会、大山山麓観光推進協議会等、広域的な連携を目的とする各種協議会に参画し、圏域自治体及び関係団体との連携を図りながら、本市としての広域観光への取組をより具体化するとともに、その推進に一層努めてまいりたいと考えております。
次に、国・鳥取県との連携強化についてですが、本市の行政運営を円滑に進めていくためには、国や鳥取県などの関係機関との連携が不可欠であり、国や鳥取県などの計画、施策、事業についての正確かつ迅速な情報収集や情報交換をより積極的に行い、本市の施策との整合を図るとともに、適切かつ有効にいかしてまいりたいと考えております。
また、本市の発展に資する重要な国や県の建設事業につきましては、関係市町村などとも連携しながら実現に向けて要望活動等の取組を更に強化してまいりたいと考えております。

次に、教育環境の整備でございます。
学校施設の整備についてですが、児童生徒が安全で安心な学校生活を送ることができるよう学校施設の長寿命化・大規模改修事業に本格的に着手し、整備の更なる推進に取り組んでまいります。
教職員の多忙感の解消についてですが、教職員全員にパソコンを配置し、事務的な作業を電子化・標準化することで、業務の軽減を図っているところですが、今年度から導入を始める校務支援システムによって、更に教職員の負担を軽減できるものと考えております。また、現代社会におきましては、学校だけでは解決できない問題も増えておりますので、市教委の指導主事やスクールソーシャルワーカーが早期の段階で関わり、福祉保健部とも連携を深めるとともに、スクールカウンセラー、児童相談所、青少年サポートセンターなど他機関とも連携を強めながら、チームとしての対応を強化してまいります。学校現場の教職員の意見を聞くことも必要だと考えておりまして、実情を十分に踏まえて、これらの施策の効果などを検証しながら今後の方策を検討してまいります。
障がいのある子どもたちへの支援の強化についてですが、障がいのある子どもたちが自立し、社会参加するために必要な力を培うことを目指して、子ども一人ひとりの教育的ニーズを把握し、その可能性を最大限に伸ばし、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導や必要な支援を充実させてまいります。
また、子どもたちの価値観については、多様性が見られる中、児童生徒が話し合いを通じて互いの多様性に気づき、認め合うことで合意形成するなど、より良い生活環境を自らの手で築き上げようとする心情を育む、学校生活の中での自主的自発的な様々な取組を進めてまいります。また、学校になじめない子どもの選択肢を増やす取組についても、国や県の施策などとも連携しながら、市としても支援等の充実ができないか検討してまいりたいと考えております。
部活動の外部講師の活用については、中学校における部活動において、学校の要望に基づき、外部指導者を配置してまいります。

次に、防災・減災への取組の推進でございます。
災害時の危機管理体制の強化を図るとともに、引き続き、市民への防災意識と防災知識の普及啓発を進めながら、自主防災組織の結成促進と強化育成に努め、地震、風水害等の自然災害はもとより、島根原子力発電所に係る防災など、地域防災力の更なる向上を図ってまいります。
また、住民参加による各種避難訓練を実施することにより、避難指示発令時等における対応力の向上のほか、広域住民避難計画の実効性の確保に努めるなど、総合的な防災対策を推進してまいります。
今年度は、防災行政無線施設のデジタル化について、第二期工事として、富益地区、夜見地区、春日地区、大高地区、県地区等の整備を行うこととしております。また、消防力の充実強化策として、活動拠点であり地域の安心安全を守る重要施設である消防団車庫のうち、夜見分団車庫の建替えに係る用地取得等を行うほか、老朽化した五千石分団の消防ポンプ自動車を更新するとともに、消防団員の装備の充実を図ることとしております。

そのほか、私が選挙公約で掲げておりました米子の未来をひらくための施策についても、主なものについて考え方と方向性を述べさせていただきます。
鳥取大学医学部との連携についてですが、鳥取大学医学部及び医学部附属病院は、高等教育機関として、また地域医療の中核として重要な役割を果たしているだけでなく、地域の雇用や経済にも大きく貢献していただいており、米子市にとって重要な存在であると考えております。先日、副学長兼病院長・医学部長と面談いたしまして、今後の密接な協力関係を確認いたしました。医学部及び附属病院と米子市との間での意見交換会の場などを活用しながら、一層の連携強化を進めてまいります。
次に、本市で起きた拉致問題につきましては、引き続き早期解決に向け国・県への要望活動を行うとともに、拉致被害者が帰郷された際の受入態勢の整備を図ってまいります。

また、少子化対策の推進ですが、これは総合的な地方創生の推進によってなされていくものであると考えております。本市の総人口は平成27年10月1日現在で行われました国勢調査におきまして、5年前と比べ1,042人増加したところですが、その年齢構成におきましては、少子化・高齢化の進行が顕著になってきておりますので、引き続き、米子がいな創生総合戦略に基づき、「産業振興・観光振興」はもとより、「若い世代を中心とした雇用対策」、「女性や高齢者の活躍促進」、「移住定住の促進・若者の人口流出抑制とふるさと回帰促進」、「未婚・晩婚化の抑制、子育て環境の整備などの少子化対策」等を一層推進し、今後の人口減少、とりわけ年少人口や生産年齢人口の減少を極力抑制し、地域の活力の維持に努め、この米子が住んで楽しいまち、子どもが増えるまちになるよう、本市における地方創生の取組に努めてまいります。
また、平成29年度は、総合戦略の計画期間の中間年でもあることから、より効果の高い対策がないか鋭意検討してまいりたいと考えております。
次に、子ども総合相談窓口の設置についてですが、妊娠期から子育て期にわたる様々なニーズに対し、総合的相談支援を提供するワンストップ拠点、妊婦、子ども、家族への切れ目ない支援を確保する窓口の設置について、本市にふさわしい体制の検討を進めているところです。
次に、地域の自治活動の推進についてですが、少子高齢化や核家族化が進む中、地域の連帯意識が希薄になり、人とのつながりがなくても生活に困らないといった考え方や、人とのつながりを遠ざける考え方が多くなってきており、年々、自治会の加入率が減少傾向にあります。一方で、近年、大規模な自然災害が発生する中、地域コミュニティの大切さが見直されてきており、少子高齢化、環境保全、防災安全など多様化する地域課題に対応するためには、地域住民が連携・協力し、地域を良くしていこうとする体制作りが必要であると考えております。
本市では、平成24年度から車尾地区と永江地区において、「地域の課題を住民自らが見出し、自らが解決方策を考え、課題解決に取り組む」という地域づくり活動が進められており、現在では、まちづくり推進会議として地区住民が主体となったまちづくりを実践しておられます。このような取組は、まちづくりを進めていく上で、最も大切な取組であり、他の地域にも広めていきたいと考えております。
また、地域づくり活動に対する支援として、今回新たに、ふるさとの歴史を調査研究し、次世代に継承するため、資料を編纂する団体に「ふるさとの歴史保存事業補助金」を交付する予算を計上いたしております。
そして、これらの多くの課題に、米子市職員がスピード感を持って、組織の縦割りを越えて一丸となって取り組む体制をつくることが非常に重要であり、かつ緊急性が高いという認識を私は持っております。そのため、新たに組織横断的な体制として「まちづくり戦略本部」を設置し、本市が抱える課題等について、機動的に全庁的な政策立案や対応を進めていく体制を整えたところでございます。なお、今後の組織機構の改正も含めた体制づくりにつきましては、本市の組織及び事務等の総点検を実施した上で、できるだけ早い時期に、実施してまいりたいと考えております。

以上、今後の市政運営に当たりまして、私の政治理念、当面の課題などについて申し述べましたが、今後とも、持続可能な財政運営を旨としながら、先例、慣例にとらわれることなく、新しい挑戦ができる仕組みを心掛け、施策の選択と集中を基本とした市政運営にまい進する所存でございます。

次に、今回の平成29年度6月補正予算案のあらましについてご説明いたします。
国におきましては、景気は緩やかな回復基調が続いているとしておりますが、本市の今年度の税収は一時の落ち込みからは若干回復してきておりますが、景気回復を実感できるところまでは至っておりません。また高齢化の進展等により、社会保障費の増が続いております。しかしながら、一時の危機的な財政状況は脱し、まだ盤石ではないものの、新しい施策に取組み始めていかなければならないときが来ていると考えております。
平成29年度6月補正予算の編成に当たりましては、現下の社会経済情勢を踏まえつつ、インフラ整備の推進、経済活性化対策、子育て支援、教育環境の充実、防災・安全対策への重点的な配分に配慮し、本市が直面する諸課題に対して適切に対応し、住んで楽しいまちづくりを進めるための政策予算を中心に編成することといたしました。
 以上のような考え方に立ち、予算編成を行った結果、一般会計における補正予算額は「40億8611万2千円」で、補正後の予算規模は、「633億111万2千円」と、過去最大規模となっております。前年度当初と比較いたしますと、3.4パーセントの伸び率となっており、積極型予算としたところでございます。また、米子インター周辺工業用地整備事業特別会計の予算額を「4億8,170万円」とし、一般会計、特別会計を合せた予算総額は、「1,035億8,085万6千円」、前年当初との比較では1.8パーセントの増となっております。
以下、順次、総合計画のまちづくりの目標の柱に沿って、今回の予算の概要についてご説明いたします。

第一の柱は、『未来(あした)の活力とにぎわいを生み出す、魅力あふれるまちづくり』でございます。
まず、中小企業対策として「商工業振興資金貸付事業」の予算を増額します。
また、商業の活性化についてですが、やよいデパートの閉店以降、来街者が減少し、集客力が低下した角盤町エリアの再活性化を進めるための検討経費を措置し、賑わいを取り戻すための取組を進めてまいります。
工業の振興についてですが、誘致企業や市内企業の事業活動の活性化と経営基盤の強化を促進するため、「企業立地促進補助金制度」等により、工場の新増設や設備拡張、市内在住者の新規雇用などを支援してまいります。
次に、地域を支える農業の振興についてですが、新たに農業経営を始める農業者を支援する「就農応援交付金事業」や営農に意欲的な農業者を支援する「がんばる農家プラン事業」などに取り組み、新規就農者や認定農業者など多様な担い手の育成と農業経営の安定化を図ってまいります。また、「単市土地改良事業」により、ため池・かんがい排水・暗渠排水・農道舗装等の土地改良施設の改修に計画的に取り組むほか、「大沢川管渠補修事業」を鳥取県と共同で実施してまいります。
漁業の振興についてですが、新たに「水産物供給基盤機能保全事業」により、本市が管理する漁港施設の機能保全計画を策定し、施設の長寿命化を図ってまいりますとともに、本市沿岸漁業の生産力増大及び新規漁業就業者の確保に資するため、「漁業経営開始円滑化事業」により、新規漁業経営者の負担軽減を図るための支援を行うこととしております。
産学金官連携の推進についてですが、企業が取り組む様々な新商品開発や技術向上を支援するため、鳥取大学や米子高専など地域の学術機関や鳥取県産業技術センターなどの公的試験機関や地元金融機関等との連携が進むよう、各機関をつなぐ役割を担いながら、「産学官連携しごとの種(シーズ)づくり支援事業」を拡充し、産学金官の交流を促進するとともに、新たな産業の創出に取り組んでまいります。
新たな産業を生み出す六次産業化や農商工連携についてですが、地域の一次産品に新たな付加価値を付け、地域内外への販路拡大、地域外資金獲得や雇用の拡大につなげるため、事業に取り組む農林水産業者や商工業者を六次産業化推進事業により支援してまいります。

次に、第二の柱は、『ともに支え合い、子どもも大人も生涯健やかに暮らせるまちづくり』でございます。
安心して子どもを産み、育てられる環境づくりについてですが、保育所等の待機児童の解消のためには、子ども・子育て支援事業計画に沿って教育・保育の提供体制の確保を行う必要があり、民間認可保育所、認定こども園及び小規模保育施設を整備する事業者に対して、その施設の整備費を助成し保育環境の充実を図ります。また、同様に、米子市なかよし学級の待機児童の受け入れ先の充実を図るため、放課後児童クラブを整備する事業者に対して、その施設の整備費の助成を行います。
また、児童発達支援センターあかしやに通園している児童が安心して療育を受けることができるよう、空調設備の改修を行うとともに、母子生活支援施設につきましても、入所者の生活上の安全を確保するため、施設の改修を実施し、施設の機能回復及び延命化を図ります。
次に、聴覚障がいについてですが、聴覚障がいは、早期発見・早期治療で音声言語発達等への影響が最小限に抑制できることから、経済的な理由により「新生児聴覚検査」を受診することが困難な世帯に対し、新たに新生児聴覚検査料の助成を実施いたします。
また、医療的ケアが必要な重度障がい児者の地域移行を推進するための「障がい児者在宅生活支援事業」の拡充や、高齢の聴覚障がい者などに各種教室の開催などの日中活動の場を提供する「聴覚障がい者生活支援事業」に新たに取り組んでまいります。

次に、第三の柱は、『豊かな心と人を育み、人を大切にするまちづくり』でございます。 
豊かな心を育む学校教育の推進についてですが、学校の施設整備につきましては、児童生徒及び学校周辺への安全対策として防球ネットやフェンス、バックネットの改修、設置や、グラウンド整備を実施いたします。
また、校舎建物の配置等から高温になりやすく、今後、市道安倍三柳線の改良工事による影響も懸念される加茂中学校の普通教室に空調設備を設置するための設計を行うとともに、室温が高くなりやすいパソコン室等特別教室の空調設備を設置いたします。
また、施設の機能回復と長寿命化を図るため、就将小学校長寿命化改修工事の実施設計を行います。
次に、学校施設のICT化を推進するため、普通教室等に有線LAN配線が未整備の中学校の校内LANの環境整備を図り、インターネットを活用した授業を行うとともに、小中特別支援学校の校務用パソコンの更新とセンターサーバー化を行います。
次に、スクールソーシャルワーカー活用事業を更に充実させるため、新たに市内医療機関と委託契約を締結し、スーパーバイザーとしての指導、助言を受けることとしております。
次に、青少年の健全育成についてですが、国際交流の場として実施しております国際交流フェスティバルにおいて、子どもを対象とする「米子」をテーマとしたPRブースを設置し、本市の魅力を再認識する機会をつくり、次代を担う子どもたちの郷土愛の醸成に努めてまいります。
次に、市民文化の振興と歴史的遺産の保存・活用についてですが、芸術文化活動の推進につきましては、文化ホールを安全かつ快適にご利用いただけるよう、舞台照明設備の一部の改修工事を行います。
文化財の保護と活用につきましては、米子城跡につきまして、危険木等の一部について伐採等を行い、遺構の保護と来訪者の安全の確保に努めるとともに、保存活用計画に基づき今後の具体的な保存、整備を行うための整備基本計画の策定に向けた取組を進めてまいります。
次に、生涯学びあい、スポーツを楽しめる社会の実現についてですが、都市計画道路両三柳中央線の整備に伴い移転が必要となった加茂公民館の整備事業に着手してまいります。今年度は、用地買収をはじめ、移転用地に係る測量・地質調査及び用地造成の設計を実施してまいります。
また、住吉体育館の改築に係る設計、東山陸上競技場の電気設備改修、東山庭球場の照明塔等の改修など、スポーツ施設の整備に取り組んでまいります。
各種のスポーツ大会、教室を開催し、多くの市民がスポーツに親しめる機会を提供するとともに、本市が会場地である全日本社会人・全日本女子ボクシング選手権大会の開催を県とともに支援するなど、スポーツの振興を図ってまいります。 

次に、第四の柱は、『人と自然が共生し、安心・安全でいつまでも快適に住み続けられるまちづくり』でございます。
道路網の整備につきましては、幹線市道や生活道路の整備に、社会資本整備総合交付金等を活用し、緊急度の高いものから計画的に実施してまいります。
橋りょう、公園の老朽化対策につきましては、公共施設等総合管理計画及び個別計画に基づき、計画的に実施するとともに、河川の整備につきましては、準用河川堀川改修事業におきまして、護岸工事を実施して事業の進捗を図ります。
市営住宅につきましては、市営住宅長寿命化改善事業といたしまして、河崎住宅四階建一棟について、外壁の安全性能の向上を図るほか、スロープの設置などによるバリアフリー化、台所・浴室・トイレ等の水回りを中心とした室内のリニューアルなどの居住性の向上を図るための改修工事及び青木住宅の外壁改修工事を実施し、既存住宅の有効活用に努めながら、安心して快適に居住できる住宅の整備を進めてまいります。
循環型社会づくりの推進についてですが、クリーンセンターの長寿命化を目的に、基幹的設備改良工事を平成28年度から4か年を掛けて実施しており、平成29年度は、飛灰コンベア更新、3号炉更新などを行うこととしております。

最後に、『市民とともに、まちづくりを進める市役所づくり』でございます。 
透明で開かれた市政の推進についてですが、市政に関する情報等を市民にわかりやすく提供するため、広報よなごや米子市ホームページ、ふれあい説明会、報道機関への情報提供など、さまざまな情報媒体や手段を活用するとともに、市役所としての広報力向上を図ってまいります。また、広報よなごにつきまして、高齢の方にも見やすいユニバーサルデザイン対応フォントを取り入れるほか、ホームページにつきましては、障がいのある方や高齢の方も利用しやすい環境を確保したサイトづくりを行ってまいります。

以上、平成29年度の市政の方向と予算の概要について申し述べましたが、議員各位のご理解、ご賛同を賜りたいと存じます。

掲載日:2017年6月19日