”生きている限り作家として
作品を発信し続けたい”
玉井さんは米子市出身の絵本作家であり、画家です。現在は自身の創作活動に加え、市内の障がい者支援施設や自身の主宰する自由画教室で子どもたちへのアート指導にも力を注いでいます。
子どものころから絵を描くのが好きで、進学した京都の美術系の短大で絵本制作と出会いました。10枚の絵で一つの物語を作る課題におもしろさを感じ、卒業後は絵本作家の道へ。個展を開くなど活動を続ける中で、縁あって「まんが日本昔ばなし」の演出と美術も務めました。「アニメ制作は絵本づくりと似ていて楽しかった」と目を細めます。
40歳で米子に戻り、その後知人の紹介で、障がい者支援施設「もみの木園」のアート支援員に着任しました。描かれる絵を見て「計算がなく、素のままの自分を表現して伝えたいという本能を感じた」と言います。一人で作品を完成させるのが難しい場合は、それぞれの持ち味を生かした合作を玉井さんが仕上げます。「障がい者アートとしてではなく、一つの作品として勝負したい」と公募展へ出品を続け、今年の市展では2度目の市展賞を受賞しました。
この活動に刺激を受け、指導者となってからは遠ざかっていた自身の創作活動も再始動。モノクロからカラーへ作風を変え、9月にはパリの展覧会に出展するなど「生きている限り、作家として作品を発信し続けたい」と、古希を過ぎての新境地に挑みます。
掲載日:2023年9月24日