令和4年度の米子市の公共下水道事業について、主な経営指標に基づく経営状況分析や今後の取組など、比較分析結果をお知らせします。
令和4年度決算経営比較分析表(PDF版)(
83.54キロバイト)

経営比較分析(令和4年度決算)
鳥取県米子市
人口
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146,139人
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面積
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132.42平方キロメートル
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人口密度
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処理区域内人口
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106,695人
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処理区域面積
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24.43平方キロメートル
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処理区域内人口密度
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4,367.38人/平方キロメートル
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比較分析の内容
経常収支比率
経常収益 ÷ 経常費用 × 100(単位:パーセント)
使用料収入や一般会計からの繰入金などの収益で、維持管理費や支払利息などの費用をどの程度賄えているかを表す指標で、100パーセント以上となっていることが必要です。
米子市の指数:103.49
- 類似団体(※)内の平均…108.33
- 全国市町村の平均…106.11
(※)「類似団体」とは…
東京都及び政令指定都市を1類型とし、その他の市町村については、処理区域内人口、処理区域内人口密度、供用開始後年数をもとに類型化したグループです。
米子市と同じグループの類似団体は、処理区域内人口が10万人以上、処理区域内人口密度が1ヘクタール当たり50人未満の市町村です。なお、米子市が属するグループは供用開始後年数の区分がありません。

流動比率
流動資産 ÷ 流動負債 × 100(単位:パーセント)
1年以内に支払うべき債務に対する支払能力を表す指標で、100パーセント以上となっていることが必要です。本市は95.89パーセントであり、100パーセントを下回っていますが、全国市町村の平均及び類似団体内の平均を上回っています。流動負債の大半は翌年度に償還する企業債ですが、使用料収入などにより支払いが可能であるため、支払能力に問題はありません。
米子市の指数:95.89
- 類似団体内の平均…65.51
- 全国市町村の平均…73.44

企業債残高対事業規模比率
(企業債残高-一般会計負担額)÷(営業収益-受託工事収益-雨水処理負担金)×100(単位:パーセント)
使用料収入に対する企業債残高の割合で、企業債残高の規模を示す指標です。現在も年次的に管渠整備を継続しており、また今後は老朽化した施設の大規模更新を控えていることから、企業債残高対事業規模比率は高止まりする見込みです。
米子市の指数:1,129.88
- 類似団体内の平均…827.43
- 全国市町村の平均…652.82

経費回収率
使用料収入 ÷ 汚水処理費用(公費負担分を除く) × 100(単位:パーセント)
使用料で回収すべき経費を、どの程度使用料で賄えているかを表した指標で、使用料水準等を評価することが可能となる指標であり、100パーセント以上であることが必要です。
本市は汚水処理に係る経費のほとんどを使用料で賄っており、隣接市などからの汚水処理受託に係る負担金収入を含めるとほぼ100パーセントになります。
米子市の指数:99.80
- 類似団体内の平均…99.71
- 全国市町村の平均…97.61

汚水処理原価
汚水処理費用(公費負担分を除く)÷年間有収水量(単位:円/立方メートル)
有収水量1立方メートル当たりの汚水処理に要した費用であり、汚水処理に係るコストを表した指標です。
令和4年度は原油価格高騰や物価高による維持管理費の増加のほか、令和3年10月分から使用料改定を実施したため、汚水処理に充てる使用料が増えたことにより、公費負担分を除く汚水処理費用が上昇し、結果として汚水処理原価が増加しました。当該指標については明確な数値基準が無いため、類似団体との比較や維持管理費・資本費と使用料収入のバランスを検証し、必要に応じて投資の効率化や維持管理費の削減、接続率の向上等の経営改善を検討する必要があります。
米子市の指数:195.26
- 類似団体内の平均…159.59
- 全国市町村の平均…138.29

施設利用率
晴天時一日平均処理水量 ÷ 晴天時一日処理能力 × 100(単位:パーセント)
施設・整備が一日に対応可能な処理能力に対する、一日平均処理水量の割合で、施設の利用状況や適正規模を判断する指標であり、一般的には高い数値であることが望まれます。
公共下水道は現在も年次的に整備を継続していますが、処理場を整備した当時の計画汚水処理量に届いていないため、現在の施設利用率は全国市町村の平均及び類似団体内の平均を大きく下回っています。今後は水洗化率の向上、広域化・共同化や適正な施設規模への再構築などにより、下水道資産の有効活用に努めていく必要があります。
米子市の指数:42.38
- 類似団体内の平均…64.45
- 全国市町村の平均…59.10

水洗化率
現在水洗便所設置済人口 ÷ 現在処理区域内人口 × 100(単位:パーセント)
下水道が利用できる地域で、実際に水洗便所を設置して下水道を使っている人口の割合を表した指標で、100パーセントとなっていることが望ましいものです。
類似団体内の平均及び全国平均に比べても低いことから、より一層の普及啓発活動に努め、収入の増加を図る必要があります。
米子市の指数:90.84
- 類似団体内の平均…94.58
- 全国市町村の平均…95.82

有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却累計額 ÷ 有形固定資産のうち償却対象資産の帳簿価額 × 100(単位:パーセント)
有形固定資産のうち償却対象資産の減価償却がどの程度進んでいるかを表した指標で、数値が高いほど、法定耐用年数に近い施設が多く、将来の改築・更新などの必要性が高いことを示しています。
本市の公共下水道事業は平成30年度に地方公営企業法を適用してから5年しか経過していないため、類似団体内の平均及び全国平均を下回っていますが、今後は管渠及び施設の老朽化が進行するため、計画的な改築・更新を行なっていく必要があります。
米子市の指数:17.23
- 類似団体内の平均…37.51
- 全国市町村の平均…39.74

管渠老朽化率
法定耐用年数を経過した管渠延長 ÷ 下水道管渠延長 × 100(単位:パーセント)
法定耐用年数を超えた管渠延長の割合を表した指標で、数値が高いほど、法定耐用年数を超えた管渠が多く、将来の更新などの必要性が高いことを示しています。
平成30年度以降、法定耐用年数である50年に達した管渠が発生し始めており、今後は更新・補修事業費が増大していくことが見込まれるため、管渠の現状を把握・分析し、適正な維持管理・延命化を計画的に行なっていく必要があります。
米子市の指数:0.75

管渠改善率
改善(更新・改良・修繕)管渠延長 ÷ 下水道管渠延長 × 100(単位:パーセント)
当該年度に更新した管渠延長の割合を表した指標で、管渠の更新ペースや状況を把握できます。
令和4年度も引き続き更新改良修繕の管渠延長が発生し、管渠改善率は0.02パーセントとなっています。今後は更新・補修事業費が増大していくことが見込まれるため、管渠の現状を把握・分析し、適正な維持管理・延命化を計画的に行なっていく必要があります。
米子市の指数:0.02
- 類似団体内の平均…0.23
- 全国市町村の平均…0.23
掲載日:2024年3月26日