平成17年成人式記念感想文表彰作品を発表します

本文にジャンプします
メニュー
平成17年成人式記念感想文表彰作品を発表します

「成人式記念感想文」表彰作品発表

ご応募、ありがとうございました。

成人式の記念行事として募集していた記念感想文に、13人の応募があり、その中から表彰作品が選ばれました。

【最優秀賞】

梅田義也さん
「大人になるということ」

【優秀賞】

川端耕平さん
「命」

【入選】

庄司泰菜さん
「二十歳の感謝」

表彰作品

【最優秀賞】

「大人になるということ」

梅田  義也

二十歳という年齢は、人生の中で一つの区切りとして大きな意味を持つ時だと思います。
大人になるということ、その瞬間から急に変わるということはありませんが、やはり今までとは何か変わらなければならない時ではないでしょうか。
最近一番強く心に思うことは、自分は本当に今まで数々の人々に支えられ、影響されてここまで成長できたということです。その中でも自分の家族、友人、職場の方々、地域の人々、今、自分が元気で健康な体でいられるのは全てみんなのおかげです。人間は人と人との関係の中で成長し生きていきます。二十歳くらいになれば、そんなことは分からなければなりません。人との繋がり、それは本当に大事なことです。祖父が酒の席でわしはヨシ(自分)と康隆(弟)は、失敗してもいいから真っ直ぐ育てと神様に毎日願っているんだと言っていました。本当に嬉しかったです。自分を思ってくれる人が、実は自分の周りに沢山いるのです。それに気づかねばならない。先ほども言いましたが、二十歳くらいになれば分からなければならないんです。
また、社会の一員であるという事も深く自覚しなければなりません。大事なことは、権利と義務、自由と責任、それは個人においてです。もっとスケールを広げましょう。混沌と平和、戦争と話し合い、それらのものは全て裏表一体のものです。権利を主張するなら義務を果たしましょう。自由な言動には責任がついて回ります。秩序が保たれてこそ平和な状態が続きます。戦争をしない為には、それだけの外交努力が必要で、有事の際に備えて、心構えと周到な準備が必要です。大人になれば当然よく考えて具体的に行動しなければなりません。具体的な結果がかえってくるはずです。社会も結局は人との繋がりです。大人になるということ、人との繋がりを大切に思うこと、世間を知ること、そうすることにより人の心と心の繋がりの良さというものが分かってきます。私は今の社会を見て、もっと大きな視点でこの国や世界を見て、考え、そして行動し自分の将来をしっかりと見据えて、強い意志を持ってこれから生きていきます。

【優秀賞】

「命」

川端  耕平

1984年8月4日、私は鳥取県米子市に生まれました。周囲を美しい日本海と壮大な大山に囲まれた自然豊かな米子市で育ってきました。私の幼い頃からの事を思い返すといろいろな事を思い出しますが、私も気付いてみるといつの間にか成人を迎えていました。
成人を迎え、今通っている大阪の専門学校ももうすぐ卒業し、これから本当に社会人として実社会で働いていくという今、私には思う事があります。それは「人の命はいったいなんなのだろう」という事です。自分の命はいったいなんなのだろう、何故これから今の日本の社会で生きて行かないといけないのか、これから生きて行くとはどういう事なのか考えてみる事があります。
みんな子どもは親から生まれてきます。よく大人や学校の先生が言われる事は「みんなもいつか子どもを産んで親になる時が来る」とごく当たり前のように言われることがあります。私はそれに対して「何故そんなことがわかるの」とそれを平然と言う大人に対して疑問を抱くことがあります。
私は最近、周囲の人間が何を考えて生きているのか分らなくなる事がよくあります。みんな当たり前のように仕事をしたり生活しています。そして大人は私たちに対して「いつかみんなも親になる」と普通に言う言葉に私は疑問を感じます。そして今生きている事に対しても疑問を感じる事があります。これからなんとなく社会に出てなんとなく仕事をしたり生活したりする事はとても辛い事だと思います。
しかし私は何となく生きるということは間違いだという事がよく分かるようになりました。二十歳になって分かるようになってきたのは、社会に出てから自分自身のやりたい事を見付ける事と、自分自身の意思を強く持つという事です。そして、自分の人生に対して責任を持つという事ができて、初めて人は自分自身の人生への第一歩を踏み出せるのではないかと思います。親は産んで育てる事はしてくれても、将来何をしろとまでは言ってくれません。
人が生まれてくるのはみんな、一人の例外もなく幸せになる為だと思います。だから、自分自身の事すら決められず何となく生きている人、他人を暴力などで傷つけるような事をして、他人を不幸にする人間を私は許しません。私は、自分を含めたみんなに幸せになって欲しいと心から願っています。何故ならみんな人として生まれてきて、今ここで生きているからです。
私はその自分の願いを叶える事ができる仕事を自分なりに見つけました。それは、社会で罪を犯してしまった人の社会復帰を手助けする刑務官という仕事です。たしかに社会で犯罪を犯した事は決して許される事ではないと思います。しかし、相手の立場に立ち、相手を理解する事から始めれば、自分の誤ちに気付き、社会に出てもう一度やり直す事で罪の償いができると思います。私はこの刑務官という仕事がとても好きでこれから一生懸命頑張ってやって行きたいと思います。
私はこの仕事をやる事で社会に貢献していきたいと思います。そして自分をここまで育ててくれた両親の期待に精一杯にこたえていきたいです。私は、人生とは自分の意思で切り開いて行くものだと思います。私は米子市に生まれ、今ここで生きているという事をとても幸せに思います。

【入選】

「二十歳の感謝」

庄司  泰菜

昭和59年12月、私は米子市内の病院で3,060グラムで生まれました。今の14分の1くらいです。その日は、家族、親戚が猿のような私を愛情をもって祝いにきてくれました。
夏。汗疹が出たらいけないと、自宅近くの美保湾につけられ、大泣きした私が当時こんな大きいお風呂があるものかと驚いたことは誰も知らなかったことです。
冬。おしめをした大きなおしりをスキーウェアに無理矢理入れられ雪の降りつもる大山へ車でむかいます。背中に兄、そして私をだっこして滑る母には、雪が目に入りそうでパチパチしていた私の気持ちは、これまた理解する余地もありません。
勝田神社での七五三。バームクーヘンのように着物をまかれて立てなかった私を、大人しくていい子だとほめて頂きました。
幼稚園の運動会。私の第一反抗期のはじまりです。走ってくる方向でカメラを持って待っている祖父は、逆走する私にあきれるばかりでした。ゴールに近いほうに走っただけなのですが、大人たちには子ども心はわかってはもらえません。
小学校では、バドミントンを通して今までより広い範囲のお友達ををつくれたことが一番の思い出です。
中高一貫教育。第二反抗期のまっただ中、暖かく見守って下さった先生方、そして友情を感じた青春時代です。同時にやっていたYSPでのスケートは朝5時から深夜10時まで練習しました。一生懸命頑張ることをこの時期に教わることができました。
こんな小さな日本で、大きな海と気高い山々に囲まれ、美しい空気と水、大自然の恵みの中で育った私は、米子が心から大好きです。
心を通して人は成長します。
心の持ちかたで生きかたは変化していきます。
自然の恵みと同じ様に私を見守り育てて下さった方々に今日の成人の日に心から“ありがとう”と声を大にして叫びたいのです。
そして今、やっと厳しさこそが、本当の優しさであったことを理解できます。
どんな環境に置かれても心が安定し豊かでいられるのは、やはりこの大地、そして周囲の愛情のおかけです。
心が強く明るく希望に満ちていられる今に感謝せずにはいられません。
愛ある心で、育てて下さった先生がた、そして父、母、本当に今日の節目の日をありがとうございます。

掲載日:2005年2月7日