よなごびと第27回「森井裕子さん(線細ペン画家)」

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よなごびと第27回「森井裕子さん(線細ペン画家)」

” 人の心を和ませる絵を
描き続けたい ”

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森井さんは細いペンを使って、米子や山陰に残された古い建物を中心に絵を描く線細ペン画家です。ペンネーム蔵りすととして日本の風土が培ってきた蔵をはじめとした美しい建築物を描き続けています。

 加茂川沿いの蔵のある風景

森井さんがペン画を始めたのは、20年ほど前。友人に便りを送るため、絵はがきを描いたのがきっかけでした。「季節の野菜を描いたり、建物では倉吉の白壁土蔵群を最初に描きました」。

転機は、喫茶店の店主から「ギャラリーで作品展をしないか」と誘いがあり、森井さん初の個展が開催されたこと。森井さんは「自分らしい作品展をしたいと思い、大好きな建物をテーマにしました」と当時を振り返ります。
その作品展以降、建物の絵を中心に描くようになった森井さん。「そこに人の営みが感じられる古くて味のある建物が好きなんです」。作品には蔵だけでなく、かやぶきの民家や西洋建築も。人は描かれていないのに当時の息づかいが聞こえるようで、レトロでロマンあふれる世界に誘われます。

  鉛筆でしっかりスケッチをする

現在は定期的に作品展を開く一方で、塗り絵教室を開いたり、新聞に塗り絵を寄稿したりする活動をしている森井さん。「自分の絵が人の役に立てればうれしいです。解体前の町屋を描いて欲しいと頼まれ、その絵を今も大切に飾ってくれている方もいます」と目を輝かせます。

掲載日:2021年2月26日