
新成人を祝う「米子市成人式」を、平成26年1月3日(金曜日)に行ないました。
対象者は、市内在住の平成5年4月2日から平成6年4月1日までに生まれた方で、男性697人、女性708人の計1,406人でした。式典には多くの来賓・学生時代の恩師の方々にも出席いただき、新成人は市外在住者も含め1,153人が出席し、誓いも新たに大人の仲間入りをし新成人として旅立ちました。
成人式式典
オープニングでは、思い出のスライドショーと題して、懐かしい中学校の校舎、米子市の町並み、四季折々の自然豊かな米子市の風景等を投影しました

新成人を前に、野坂市長が、次のとおり激励の言葉を述べました。
「式辞」
本日、成人式を迎えられた皆さん、おめでとうございます。米子市民を代表して、心からお慶び申し上げます。穏やかな太陽の射す天候の下で、平成26年成人式にこのようにたくさんの新成人の方の参加があり嬉しく思います。また、ご臨席を賜りました来賓の皆様や、成人式の企画運営に携わっていただきました実行委員会の皆様に、この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。
本日ここにお集まりの新成人の皆さん、現在の心境はいかがですか。大人の仲間入りをするという決意を持った方、また、旧友との再会が楽しみといった方もおられるでしょう。
皆さんは、二十歳となれば、「大人」として社会に認められ、選挙権をはじめとする貴重な権利を得ると同時に、社会に対して多くの責任や義務が生じてくることになります。
3年前の東日本大震災の様子を記事にしたニューヨーク・タイムズ紙は「非常事態に陥っても他人や仲間を思いやり礼節を守り続ける日本人の国民性に学ぶべきものがある」と報道しました。このように他人を思いやり、社会のルールや規則をきちんと守っていくことは日本人の良い所です。皆さんにもこういう気持ちでこれから行動していただきたいと思います。
先ほど米子の風景、様子が紹介されていましたが、この米子の周りには大山があったり、日本海・日野川・加茂川があったりと色々な自然に恵まれています。そして城山や妻木晩田、青木遺跡など色々な歴史も秘めています。この風土の中で皆さんは生まれ育ち、成長してこられたわけです。その成長の過程では、ご家族の皆さんの暖かい気持ち、そして学校の先生や地域の方々が見守ってこられたわけであります。こういう米子の良い所、皆さんの胸に残っている米子を守り続けていってもらいたいと思います。悲しいことが多いのは感謝の気持ちを持たないからだとも言われます。どうか今まで大きくなるにあたって助けてもらった家族や先輩や先生、地域の皆さんに心から感謝の気持ちを表してもらいたいと思います。そして、今日、この日にありがとうと言ってもらいたい、そして、米子を忘れることなく世界に羽ばたいていってもらいたいと思います。
また、米子市を含む鳥取県西部は陸・海・空の交通の結節点となっておりますが、その中の一つ、米子空港は従来の羽田、ソウル便に加え、昨年12月から成田、神戸、茨城便が就航し、さらには新たな羽田便と、新千歳、那覇の各便の就航も計画されるなど、益々、山陰の空の玄関口として発展しようとしています。この伸び行く空路のように皆さんも大きく羽ばたいていただきたいと思います。
それでは、成人の皆さん、これから色々と困難なこともある、社会の変化も急です。そういう中で自分の自主性を持って自分の力で将来を切り開いていってもらいたいと思います。改めて、成人の皆さん、心からおめでとう、そしてこれから大人として、世界のため、米子のために頑張ってもらうことをお願いして、お祝いの言葉といたします。
記念感想文入賞者表彰
成人式の記念行事として募集した記念感想文には、学生や社会人など30人の方から応募がありました。
その中から4作品を入賞作品に選び、式典で表彰しました。
…平成26年成人式記念感想文入賞作品
新成人を代表し、記念感想文で最優秀賞を受賞した國永大二郎さんが、誓いの言葉を述べました。
「新成人 お礼と誓いのことば」

今日、私たちは人生の大きな節目を迎えました。このような機会に素晴らしい式典を開催してくださったことを新成人を代表いたしまして心より感謝申し上げます。
また、野坂市長をはじめ、ご来賓の皆様からの心に染みるご祝辞、激励のお言葉をいただき、誠にありがとうございます。
さて、皆さん。
皆さんにとって、故郷とはなんでしょうか。
私が思う故郷とは、一生のうちの大切な時を過ごすことのできる場所のことです。私にとってその故郷は、この鳥取です。
私の尊敬する元鳥取県知事の石破二朗先生は次の言葉を残しました。「私は鳥取県人である、鳥取に生まれ育ち、そして死ぬのである。小さくとも我が県は鳥取県である。」私はこの言葉に深い感動を覚えました。
私は高校卒業までこの米子の地で育ち、大学進学にあたり現在、東京で暮らしています。私が鳥取の本当の良さに気づいたのは、鳥取にいる時ではなく、鳥取の外に出てからです。故郷を同じくする人と出会い、異郷での鳥取県人としての人と人との強い繋がりが、この鳥取という小さな共同体の何よりもの宝物です。ここまで強い同郷意識は都会の出身の人にはあまりありません。この小さな鳥取だからこそ生まれる強い繋がりなのです。
しかし、この私たちの故郷、鳥取が失われつつあります。鳥取は日本で最も人口が少ないということは周知の事実だと思います。それが今、深刻さを増しつつあります。現在、鳥取県の人口は59万人です。けれども、国立社会保障人口問題研究所の調査によりますと、今から約30年後の2040年には44万人にまで減ってしまいます。さらに深刻なことに、労働力の中心である15歳から64歳までの生産年齢人口は36万人から2040年には23万人と、現在の6割程度しかいなくなってしまうのです。
これは非常に問題であります。なぜなら、働き盛りの人が減っていくことは、そのときの地域の産業の衰退をもたらすだけではなく、その地域で家庭を持つ人が減る、つまり、そこで育つ子供も減っていくことでもあるからです。この悪循環が続いていくと、将来的にもより一層、地域の若さはどんどん失われ、地方の活力もますます失われてしまいます。衰退してしまった地方で暮らしたいと思う人はどれほどいるのでしょうか。
しかし、私はこの故郷を失いたくない。この故郷を守りたい。
私は石破二朗先生をはじめとする多くの方々の鳥取を守りたいと思う気持ちに感銘を受けました。現在、私は大学で法学部に在籍し、法律学や政治学、地方自治を学んでいます。そして、私が志す職業は政治家です。政治家として故郷を守っていきたいのです。
鳥取に生まれ、鳥取で育ち、そして、鳥取のために尽くす。この鳥取を次の世代、さらに次の次の世代にも繋げていきたい。
今、この鳥取を守り、鳥取の発展のために何よりも必要なものは、私たち若者の力です。社会にとって若者は必要不可欠な「人財」です。「人財」の「財」という文字は、「材料の材」ではなく、「財産の財」です。若者は社会にとって、未来を切り開くための替えのきかないかけがえのない財産です。私たちが今こそ、米子のため鳥取のために立ち上がらなければならないのです。
故郷を守り、そして故郷を創る。私たちの故郷のこれからの発展を誓い、私の新成人の誓いの言葉とさせていただきます。
アトラクション
ほのまる(向井 登志彦、岡田 康秀)トークショー

米子市出身の向井さんと横浜市出身の岡田さんとのコンビで、2代目鳥取に住みます芸人の「ほのまる」により、方言や納税に関する話など、米子や成人にまつわる話題を取り上げたトークショーを行ない、新成人へのお祝いと激励を行ないました。
成人式クイズ

成人式実行委員会スタッフと「ほのまる」によって、米子市に関係の深いクイズをスライドで投影し、会場も一緒になって考えて郷土への関心を深めました。
掲載日:2014年1月10日