平成26年成人式記念感想文入賞作品を発表します

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平成26年成人式記念感想文入賞作品を発表します

成人式の記念行事として募集した記念感想文には、学生や社会人など30人の方から応募がありました。
その中から、次の4作品を入賞作品に選び、成人式式典で表彰しました。

【最優秀賞】

「ふるさとを守る」
國永 大二郎(くになが だいじろう)さん

【優秀賞】

「成人をむかえるにあたって」
北村 由貴子(きたむら ゆきこ)さん

【入選】

「感謝の気持ち」
川上 雅人(かわかみ まさと)さん

「社会人になってから」
石原 慎也(いしはら しんや)さん

記念感想文 入賞者
最優秀賞 國永大二郎 さん


 表彰作品

【最優秀賞】

「ふるさとを守る」

國永 大二郎

皆さんにとって、故郷とはなんでしょうか。

私が思う故郷とは、一生のうちの大切な時を過ごすことのできる場所のことです。私にとってその故郷は、この鳥取です。

私の尊敬する元鳥取県知事の石破二朗先生は次の言葉を残しました。「私は鳥取県人である、鳥取に生まれ育ち、そして死ぬのである。小さくとも我が県は鳥取県である。」私はこの言葉に深い感動を覚えました。

私は高校卒業までこの米子の地で育ち、大学進学にあたり現在、東京で暮らしています。私が鳥取の本当の良さに気づいたのは、鳥取にいる時ではなく、鳥取の外に出てからです。故郷を同じくする人と出会い、異郷での鳥取県人としての人と人との強い繋がりが、この鳥取という小さな共同体の何よりもの宝物です。ここまで強い同郷意識は都会の出身の人にはあまりありません。この小さな鳥取だからこそ生まれる強い繋がりなのです。

しかし、この私たちの故郷、鳥取が失われつつあります。鳥取は日本で最も人口が少ないということは周知の事実だと思います。それが今、深刻さを増しつつあります。現在、鳥取県の人口は59万人です。けれども、国立社会保障人口問題研究所の調査によりますと、今から約30年後の2040年には44万人にまで減ってしまいます。さらに深刻なことに、労働力の中心である15歳から64歳までの生産年齢人口は36万人から2040年には23万人と、現在の6割程度しかいなくなってしまうのです。

これは非常に問題であります。なぜなら、働き盛りの人が減っていくことは、そこで育つ子供も減っていくことでもあるからです。この悪循環が続いていくと、地域の若さはどんどん失われ、地方の活力もますます失われてしまいます。衰退してしまった地方で暮らしたいと思う人はどれほどいるでしょうか。

しかし、私はこの故郷を失いたくない。この故郷を守りたい。

私は石破二朗先生をはじめとする多くの方々の鳥取を守りたいと思う気持ちに感銘を受けました。私は大学では法学部に在籍し、法律学や政治学、地方自治を学んでいます。そして、現在、私が志す職業は政治家です。政治家として故郷を守っていきたいのです。

鳥取に生まれ、鳥取で育ち、そして、鳥取のために尽くす。この鳥取を次の世代、さらに次の次の世代にも繋げていきたい。

今、この鳥取を守り、鳥取の発展のために何よりも必要なものは、私たち若者の力です。社会にとって若者は必要不可欠な「人財」です。「人財」の「財」という文字は、「材料の材」ではなく、「財産の財」です。若者は未来を切り開くための社会のかけがえのない財産です。私たちが今こそ、米子のため鳥取のために立ち上がらなければならないのです。

故郷を守り、そして故郷を創る。私たちの故郷のこれからの発展を誓い、私の新成人のことばを終わらせていただきます。ありがとうございました。


【優秀賞】

「成人をむかえるにあたって」

北村 由貴子

私は、来年の1月に二十歳になる。早生まれなので、二十歳になるのが同年代の人たちよりも少しだけ遅れてしまうのが少し寂しい。

私は今、地域の安心安全を目指し米子市で警察官として働いている。高校を卒業してすぐ警察官になることを選択した。初めての一人暮らしや、上司部下の関係、慣れない仕事など戸惑うことも多くありながら、今はあっという間に社会人2年目を迎えている。

お酒も飲め、未成年というくくりから解放される二十歳。周りの同級生がどんどん二十歳を迎えるのをうらやましいと思いつつ、実は「自分はまだ未成年。困った時には親に頼ろう」この気持ちが密かにあった。しかし、いよいよ私も二十歳を迎える。一人の大人になる。そこで、こんな大人になりたいという抱負を3つ立てた。

一つ目は、「自立した大人になること」である。もう既に社会に出て働いているが、お金のこと、契約のことなど、未成年と保護者という関係が切り離せないため、何かあれば親を通して行なってきた。それが二十歳になれば親の承諾なしにいろいろなことが可能になる。というより、自分で判断し、決定し、自分の経済状況などを管理していかなければならない。それが社会で自立していくことでもあると思う。責任は全て自分にくる。その責任がどういうことなのか、ということも考えながら社会人としての行動ができていけたらと思っている。

二つ目は、「けじめのつけられる大人になること」である。初めにも少し述べたが、未成年であることを理由に親を頼ることもあった。私生活ではまだ子どもだから、そう思って誰かに甘えようと思う時もあった。それも十九歳までだと思う。けじめのつけられる大人と言ったが、二十歳になることで誰かに頼ろう、という考え方にけじめをつけたいと思う。そして、これまで甘えさせてもらった分だけ、今度は両親を大切にしていきたい。

三つ目の抱負は「明るい大人でいること」だ。私は人から、「いつも楽しそう」と言われることがある。昔から嫌なことがあっても、あまり暗い顔はしないようにしてきたからかもしれない。こらから年を重ねれば、その分困難を迎えることもある。そんな時でも、「なんとかなるさ」という精神で前を向いていられる大人でいたい。そして他人への思いやりがある大人でありたい。

二十歳であり、一人の大人であるという自覚を持ち、この3つの抱負を実現していく。


【入選】

「感謝の気持ち」

川上 雅人

私は今年二十歳となり、成人になりました。今思うと長いようで短かった二十年間だったと思います。私が生きてきた二十年間は、これまで出会った多くの人に対する感謝の気持ちでいっぱいです。

私は、中学生の時は不真面目でした。勉強もせずに友達と遊んでばかりで、学校も真面目に行かず学校の先生や親に迷惑ばかりかけていました。そんな私でしたが幼い頃からの夢は陸上自衛官になることでした。そこで、このままではだめだと思い中学三年生の時、先生に指導してもらい猛勉強をしました。その結果、高校に合格した時は先生と一緒に喜びました。先生には、感謝の気持ちでいっぱいです。

高校生活は定時制だったので、日中解体工事をして夕方から学校に行っていました。授業に間に合うように会社の人に協力してもらいました。陸上自衛官になるのが夢だった私は、学校生活や仕事のことで辛い時もありましたが、将来の夢のために頑張ることができました。高校四年生の時、自衛隊の試験に向けて放課後先生と毎日猛勉強した結果、合格できました。親や先生、会社の人に合格を報告すると、凄く喜んでくれました。親には迷惑をかけてきたので、学校も無事に卒業でき、陸上自衛官の試験に合格して親孝行ができて良かったと思っています。

昨年の三月に陸上自衛隊第八普通科連隊の教育隊に入隊しました。前期、後期教育の約半年の間において自衛隊の事を多く学び、沢山の同期との出会いや、今まで親に任せっきりだった毎日の洗濯やアイロンがけ等身の回りのことを自分でしなければならないことで、改めて親のありがたさを実感しました。入隊して春には一年になります。一日でも早く一人前の自衛官になれるよう、様々なことを学習や経験をして一生懸命頑張ります。

私は、二十年間多くの人と出会い支えられて生きてきました。常に感謝の気持ちは忘れず、親孝行を沢山して、成人として、また自衛官として自覚や責任を持ち、最後まで諦めないで何事もやり切ることを目標に頑張っていきたいと思います。そして、今より一回りも二回りも大きく成長して、部隊で活躍していきたいです。

「社会人になってから」

石原 慎也

私は、今年の6月で二十歳になりました。二十歳になったからといって特に何かが変わる訳でもなく、どちらかというと高校を卒業して警察に就職し、社会人として働くようになった時のほうが生活の変化が大きかったです。

私が高校を卒業してすぐに警察に就職した理由は、特に大学に進む目的がなかったことと、家が三人兄弟なので自分が就職すれば多少は親の負担が減らせると思ったからです。小学生のころに祖父が起こした交通事故に来てくださった警察官の姿に憧れていたこととテレビの「警察24時」等の番組で警察官が犯罪を犯した者を捕まえる姿がかっこよかったことが警察に就職した理由です。

実際に警察官として働き始めて、もう2年の月日が経ち、今も辛いですが、この2年間は本当にいろいろあって大変でした。

警察官の採用試験に合格した者たちが最初に行かなくてはならない場所が警察学校です。私は、高校を卒業してすぐに警察学校に入ったため、中々学生気分が抜けず、失敗を繰り返し、何度も挫折して社会の厳しさを知り、警察を辞めてしまいたいと思いました。それでも、辞めずに続けてこられたのは、自分を応援してくれる家族の存在があったからです。どれだけ辛くても、自分を今まで育ててくれた父親や母親のこと、自分が警察の採用試験に合格したときに泣いて喜んでくれた祖父や祖母のこと、自分を「がんばれ。」といって見送ってくれた兄弟のことを思い出すと「頑張ろう。」と思えました。この2年は、大変だったけど、家族の存在の大切さを改めて強く実感できた良い2年間でもありました。

私は、十八歳の誕生日を迎えた時「車の免許が取れるし、就職が決まれば自分はもう大人だ。」と思っていました。しかし、今はそれが間違っていたと思えます。

今、私は、就職して社会の厳しさと家族や自分を支える存在の大切さを知ることができたこの2年間を経て二十歳になり、初めて大人としての第一歩を踏み出せたのではないかと思っています。

二十歳になったことで自分の言動全てに責任がかかるようになり、こらからより一層自分の人生は大変になるだろうと思いました。

それでも、へこたれることなく、自分の理想とする、犯罪を決して許すことなく、市民から信頼される警察官になれるように日々精進して警察官としての職務を全うしていきたいです。

また、二十歳になったからといってお酒を飲みすぎたりしないように、私生活の面でもいままで以上に自己管理をしっかりしていきたいと思います。

掲載日:2014年1月10日