ヌカカ(俗称:干拓虫)に関する情報(平成30年度版)

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ヌカカ(俗称:干拓虫)に関する情報(平成30年度版)

ヌカカとは


トクナガクロヌカカ(メス)の
電子顕微鏡写真
提供:鳥取大学医学部

ヌカカとは、ハエ目・ヌカカ科に属する体長1.5ミリから2.0ミリメートル程度の昆虫の総称です。
古くから市内弓浜地区において、かゆみなどの健康被害の報告があり、干拓虫などとも呼ばれています。網戸を簡単に通り抜けるほど微小で、衣服の中に潜り込んだりするので、被害を防止するのは容易ではありません。かまれると、かゆみが数日続くこともあります。例年、5月から6月にかけて最盛期となりますので、その時期は特に注意が必要です。
これまでの調査で採集されたヌカカは、ほとんどが「トクナガクロヌカカ」でしたが、ごくわずかに「イソヌカカ」が含まれていました。「イソヌカカ」は人に健康被害を与えることが広く知られています。

被害予防について

次のことに注意してヌカカの被害を防止しましょう。

ヌカカが活発に活動する時間帯や気象条件に注意しましょう!

朝夕、特に朝方は、注意が必要です。

風が無いときは、特に注意が必要です。

肌の露出部分をなるべくなくしましょう!

長そで・長ズボン・帽子を着用し、さらにタオルなどを首にまき、肌をなるべく露出しないようにしましょう!

肌と衣服の隙間をできるだけなくし、衣服などに潜り込んでくるのを防ぎましょう!

虫よけスプレーなどを使用しましょう!

屋外では人体用虫よけ剤が最も有効です。ヌカカは衣服に潜り込む習性があるので、露出部分だけでなく、襟元や袖口あたりやその奥にしっかりと虫よけスプレーや虫よけジェルを塗ることがポイントとなります。

衣服用の虫よけスプレーも市販されていますので、同時に使用すれば、さらに効果的です。

屋内での被害を軽減するためには

網戸や窓ガラスにかけて虫の侵入を防止するスプレーや蚊取り線香(ハエ取り線香)などを使用し、なるべく建物内に侵入させないようにしましょう!

リンク・新しいウィンドウで開きます ヌカカリーフレットPDF 733キロバイト)

今年度の調査について

昨年度に引き続き、米子高専や鳥取大学と共同で発生状況や被害状況などを調査し、その結果を被害軽減のための情報として逐次お知らせします。

成虫の発生状況調査

毎週1回程度、発生時期などを把握するため、現地採集調査を行ないます。

調査地点

彦名町(2地点)

地点A … 中海から約400m内陸にある雑草繁茂地の付近
地点B … 中海湖岸沿いにある池の付近

ヌカカ採集数(匹)
            
地点 4月27日 5月2日 5月11日 5月18日 5月25日 6月1日 6月8日 6月15日 6月22日 6月29日7月6日
A 4 雨天中止 2 152 359 1264 448 3 1243 76雨天中止
B 10 1 24 14 84 188 23 134 109
14 3 176 373 1348 636 26 1377 185
うち、「イソヌカカ」の採集数(匹)
             
地点 4月27日 5月2日 5月11日 5月18日 5月25日 6月1日 6月8日 6月15日 6月22日 6月29日7月6日
A 0 雨天中止 0 0 2 2 0 0 0 0雨天中止
B 3 0 0 1 0 0 0 0 0
3 0 0 3 2 0 0 0 0

受診者数調査

ヌカカの被害により医療機関を受診された患者数(疑い症例を含む)の推移を調査しています。

受診機関名 5月
7日
から
12日
5月
14日
から
19日
5月
21日
から
26日
5月
28日
から
6月2日
6月
4日
から
9日
6月
11日
から
16日
6月
18日
から
23日
6月
25日
から
30日
7月
2日
から
7日
いしはら皮膚科クリニック 3 9 9 14 18 6 6 9 3
左野皮膚科 0 8 38 134 99 16 36 18 8
しみず皮膚科医院 0 0 11 26 14 6 11 6 6
3 17 58 174 131 28 53 33 17

(調査にご協力頂いている医療機関のみ集計しています。)

「ヌカカ被害情報 収集サイト」開設のお知らせ

サイトイメージ
画像:サイトイメージ

鳥取大学では、ヌカカ(干拓虫)による被害情報を収集するウェブサイトを開設しています。 インターネットあるいはスマートフォンからヌカカの被害情報を収集し、その情報を共有して、ヌカカに注意していただくサイトです。

ヌカカの被害にあわれたかたが、被害にあった場所を地図上に入力すると、画像のサイトイメージのとおり、その場所が登録されます。被害発生の状況が、月日の経過とともに図示されます。 今後のヌカカ対策に役立てるために、皆さんのご協力をお願いします。

リンク・新しいウィンドウで開きます … ヌカカ被害情報 収集サイト

「トクナガクロヌカカ」と強いかゆみの関連性の検証

「イソヌカカ」の刺咬(しこう)被害は広く知られていますが、「トクナガクロヌカカ」の皮膚障害性について、遺伝子解析等を含め検証を試みます。

発生源の特定および発生源対策の検討

「イソヌカカ」の幼虫の生息状況や生息場所の状況などを調査し、発生抑制対策の検討を試みます。(「トクナガクロヌカカ」については、実施済。)

これまでの調査、研究の結果

平成27年度から、被害軽減のための情報提供および発生源対策の検討を目的とし、米子高専や鳥取大学と共同で発生状況、被害状況、ヌカカの生態などの各種調査を実施してきました。それらの結果についてお知らせします。

成虫の発生状況

発生時期及び発生時間帯

ピークは5月中旬から6月末で、年により多少前後する。

朝夕、特に朝方は活発に飛び回る。

発生地域

外浜側でも発生するが、内浜、特に彦名町が多い。

土地の状況

雑草が繁茂している土地の周辺は捕獲数が多い。つまり、生息地となっている。

気象条件

雨上がりの無風の日に多くなる傾向がある。

種類

「イソヌカカ」がごくわずか含まれるが、ほとんどは「トクナガクロヌカカ」である。

被害の多い地域で、「イソヌカカ」が含まれることがある。

被害状況

時期

おおよそ発生状況と同じ傾向となっている。

症状

強いかゆみが最も多い。患者の多くが複数回、複数箇所かまれている。

箇所は首の周り、胸、背中など衣服の中が多い。

性別等

受診者は子供とお年寄りが多い。性別では、女性が男性の約2倍である。

治療

市販薬より処方されるステロイド外用剤が有効である。ほとんどは1、2週間で症状は治まる。

殺虫剤および虫よけ剤の有効性

検証を行なった薬剤は、適正に使用した場合、すべて有効と認められた。(リーフレット参照)。

網戸の目開きの有効性

風が通りにくいほど小さな目のものでないと、侵入を防ぐことはできない。

網戸を使用する際は、網戸用の殺虫剤を噴霧して使用するのが効果的。

雑草繁茂地における発生源対策

「トクナガクロヌカカ」の幼虫は、雑草が茂り、腐植により水分や有機物が多く含まれる土地に多く生息しており、除草、耕うん、および、石灰散布が効果的である。

ヌカカが保有する細菌

化膿の原因細菌を含む個体が存在している。

幼虫の遺伝学的同定法の確立

幼虫は形態的に同定ができなかったが、昨年度、遺伝子解析による同定法が確立され、発生源を特定しやすくなった。

掲載日:2018年7月17日