市長が語る「財政健全化プラン」説明会

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市長が語る「財政健全化プラン」説明会

市長が語る「財政健全化プラン」

生活充実都市・新米子市の創造に向けて

平成17年10月11日、20日、22日に開催した「財政健全化プラン説明会」での市長の説明です。

この説明会では、会場前方に用意したスクリーンに資料を映し、それをご覧いただきながら説明をするという方法を取りました。このページでも同様の方法で説明をします。
また、説明会では来場者に、「財政健全化プラン概要版」をお配りしています。説明中の「お手元の資料」は、この「財政健全化プラン概要版」を指します。

【資料】…新しいウィンドウで開きます。 「財政健全化プラン」概要版 (PDF 780キロバイト)

リンク … 「財政健全化プラン」

【資料】…新しいウィンドウで開きます。 会場のスクリーンに映した資料(一括・PDF 175キロバイト)
また、それぞれの画像をクリックすると、PDFファイルが新しいウィンドウで開きます。

資料1…「生活充実都市・新米子市」(103キロバイト)

新生米子市が誕生し、半年が経過しました。
「財政健全化プラン」の話をする前に、せっかくの機会でありますので、私のまちづくりに対する基本的な考えかたについて、少しお時間をいただいてお話をさせていただきたいと思います。
まず、どのようなまちづくりを目指すのかということを一言で申し上げますと「生活充実都市、新米子市」の実現を目指したいと考えています。
私の目指す「生活充実都市」とは、市民の皆さん1人ひとりが、この豊かな自然を享受しながら、働く場があって、希望と誇りをもって充実した生活を送ることができる都市であり、旧米子市の都市機能、交通の要衝性、集客施設、そして、旧淀江町の特筆すべき歴史、文化的資産などの双方の特性を生かして、「山陰一のまち・ひと・自然が元気に輝くまちづくり」をすすめていきたいと考えています。
特に、「活力みなぎる新米子市」「子育てを応援し、お年寄りが元気な新米子市」「ゆとりある豊かな新米子市」「みんなのための新米子市役所」を基本方針として、常に市民の皆さんの視点に立ちながら、皆さんとともに新たな米子市を創っていきたいと考えていますので今後とも市政全般にわたりましてご協力をお願いしたいと思います。
では、本日の説明会の本題であります「財政健全化プラン」のお話に入りたいと思います。

最初に、今、なぜ、この時期に、「財政健全化プラン」の策定をしたのかということをお話させていただきます。

資料2…今、なぜ「財政健全化プラン」の策定なのか(103キロバイト)

今、日本の景気は、バブル経済の崩壊に伴う失われた10年を脱出し、東京等の都市部を中心に若干、明るさが見えてきたと言われています。
しかしながら、地方においての景況感は、まだまだ先行き不透明な状況であり、特に本市においても景気が回復しているとの実感が持てる状況にはなく、実際に景気を反映する本市の税収も近年減少傾向が続いています。
また、バブル経済の崩壊後の景気対策として、政府による全国的に大型の公共事業がすすめられてきましたが、そのつけが今まさに巨額の債務として残り、市の財政を圧迫しています。
そして、一方では、子供の数が少なくなり、高齢者の数がますます増えるという本格的な少子高齢社会が到来し、医療、介護等の社会保障費が確実に増えつづけています。
また、このたびの衆議院総選挙においては、小泉首相のもと、与党が圧勝し、国、地方の行財政改革が、今後強力に進められるという一方で、地方においては、「三位一体の改革」により地方交付税、簡単に言えば「地方に配られる税金」ということですが、これが削減されるとともに、「国から地方へ」の考えかたのもと、地方分権が進展し、今後市役所がしていかなければならない仕事はますます増えることが考えられます。
まさに、市に対する財政援助は少なくなるが、市の仕事は増えるという時代になるということです。

では、ここからは、米子市の財政の状況について、少しグラフを使ってお話をしたいと思います。
まずは、本市の税収の推移です。

資料3…税収の推移(103キロバイト)

このグラフは過去の旧米子市と旧淀江町の税収を合算して作成したものです。
(6月に策定した「財政健全化プラン」の中では、「税収の推移グラフ」は平成16年度については決算見込みで記載していますが、この説明会では平成16年度決算の数字を使用しています。)
税収は、平成11年の195億円をピークに、年々減りつづけ、昨年度は約176億まで落ち込みました。
今後の見通しですが、まさに人口減少時代を迎え、働き手の数が減っていくことを考えれば、税収が増えていくということは、今の時点では予想されにくい状況にあります。
なお、米子市の収入には、税収の外に、国・県からくる補助金等のお金があるわけですが、この税収が全体に占める割合は30パーセント程度です。
しかしながら、この市の税金というお金は、米子市のどんな事業にも使ってもよいというお金であり、市のもっとも大切な収入すので、この税収をいかに現状維持できるか、さらには伸ばしていくことができるのかというのが米子市のこれからの重要な課題となります。
この税収のお話をすると、必ずといってよいほど、滞納額はいくらかというお問い合わせをいただくものですから、少し、お時間をいただいて米子市の滞納状況について、少し説明をさせていただきます。

資料4…市税滞納額の推移(103キロバイト)

このグラフは、本市の税金の滞納額をグラフ化したものです。
(6月に策定した「財政健全化プラン」の中では、「市税滞納額の推移グラフ」は平成16年度については決算見込みで記載していますが、この説明会では平成16年度決算の数字を使用しています。)
平成16年度末において、約16億9千万円の滞納額があります。
グラフには用意していませんが、このほかに、国民健康保険料が約14億3千万、下水道使用料が2億7千万、保育料が約9千万、滞納となっています。
確かに景気が悪くて税金等がなかなか払えないという事情もあるかとは思いますが、市長としてこの滞納の問題については、これからの米子市の将来を考えた場合、放置しておくことはできない喫緊かつ重要な課題であると認識しています。
そこで、今年から、助役を本部長とする滞納整理の対策本部を市役所の中で立ち上げ、今、まさに市役所が一丸となってこの問題に取り組むべく指示をしたところですが、私自身、率先してこの問題に取り組む決意をしています。
では,次にお金の使われかたについて、説明します。 

資料5…米子市が使ったお金の推移(112キロバイト)

このグラフは、米子市の予算がどのように使われているか、性質別のお金の使いかたについて示したものです。
(6月に策定した「財政健全化プラン」の中では、「米子市が使ったお金の推移グラフ」は平成16年度については決算見込みで記載していますが、この説明会では平成16年度決算の数字を使用しています。)
このグラフを下から順番に説明しますと、人件費は、職員の給与などです。
次に、扶助費ですが、これは、生活保護費や児童、高齢者、障がい者に対するさまざまな福祉サービスに要する経費です。
公債費は、借金の返済金です。
これらの3つの経費は、なかなか削減しにくい経費であることから「義務的経費」といわれ、この経費が多ければ多いほど、財政が硬直化しているといわれています。
この内訳を見ますと、人件費についての割合は、特には伸びていませんが、割合が大きくなっているのが、扶助費と公債費です。特に、扶助費については、高齢化の進展や長引く景気の低迷により増えてきましたし、公債費については、道路、公園、ごみ焼却場等の都市基盤とか、ふれあいの里、国際会議場、文化センター等の市民利用施設整備のために、借金をしてきたために増えてきたということです。
これらの義務的経費は、ここ10年間で、10ポイント程度伸びており、特に扶助費と公債費については、今後も伸びると予想しています。
一方で、従来、構成比の割合の高かった普通建設事業費、これはいわゆる道路の建設とか、福祉施設の建設に係る公共事業費ですが、これについては、税収の伸び悩み、借金の抑制により、平成11年度以降激減し、大幅に落ち込んでいます。
その他の経費とは、施設の管理運営及び維持補修に係る経費であるとか、貸付金等の経費です。
では、次に米子市の借金の額について、説明をさせていただきます。

資料6…借金の推移(103キロバイト)

このグラフは、現在の米子市の借入金の残高を表したものです。
(6月に策定した「財政健全化プラン」の中では、「借金の推移グラフ」は平成16年度については決算見込みで記載していますが、この説明会では平成16年度決算の数字を使用しています。)
米子市の借金は、平成16年度末において、約768億円あります。
このグラフで建設債とあるのは、道路、学校、公園等をつくるのためにした借金であり、特別債とあるのは、一言で言うのは、難しいのですが、国が減税などをした場合、当然、市の収入も減るわけですが、そのような国の制度の都合上、借り入れをさせられた借金で、のちほど、国のほうからその返済の大半を面倒見てくれるという借金です。
この表を見ていただくと、おわかりかと思いますが、実質の借金というのは、ここでいう建設債のことであり、この建設債の残高については、徐々にですが、減少しています。 
ただ、問題は、ここのグラフに現れていない借金があるということです。
正確に申し上げますと、皆さん聞かれたかたがあるかと思いますが、崎津の工業団地や流通業務団地の売れ残りの借金とかその他の借金をあわせて、約130億円程度、このグラフの数字とは別な借金が米子市にはあるということです。
私は市長として、これらの借金については、将来に問題の先送りをすることなく、解決のための努力を惜しまない決意であります。

次に、現在の米子市の財政状況について、もう少し他の同じような規模の市との比較を交えながらお話したいと思います。

ここに3つの表を用意しました。
この表は、米子市の財政が他の同じような大きさの市と比較してどのような状態になっているかを表した表です。

資料7…米子市の財政状況・比較1(119キロバイト)

(6月に策定した「財政健全化プラン」の中では、「近隣都市及び類似団体との米子市の財政状況の比較表(比較1)」は平成15年度決算で記載していますが、この説明会では平成16年度決算の数字を使用しています。)
まず、最初に経常収支比率の表ですが、この表は、簡単に申し上げれば、米子市が自由に使えるお金の割合を率で表した表です。
この表の見かたとしては、率が低ければ低いほど、財政的な余裕があるということであり、市民の皆さんの多様な行政ニーズに即座に対応できるということを意味しています。
一般的には、75パーセント台が好ましい数字と言われていますが、米子市においては16年度において、89.6パーセントであり、他の類似都市と比較するにあまり良い状況ではなく、自由に使えるお金の割合が少ない状態の市であることを表しています。

次の表ですが、これは使い道自由なお金に対して、借金として返すお金の割合を示している表です。
通常、10パーセント前後が望ましい率であるといわれています。この数値も、他都市と比較した場合、あまり良い状況にはなく、借金が多いということを表しています。

3つめの表ですが、この表は市民1人あたりの貯金の額を表しています。
貯金の額が他の類似都市と比較して、著しく少ないというのが米子市の財政における真に問題点のひとつです。貯金が少ないということは、家計でも同じことが言えると思いますが、将来に対する安心がないということであり、今の米子市の財政の現状は、将来に対して安心がある状況にはないということを表しているといえます。

類似団体との比較について、もう少しお話したいと思います。

資料8…米子市の財政状況・比較2(116キロバイト)

(6月に策定した「財政健全化プラン」の中では、「近隣都市及び類似団体との米子市の財政状況の比較表(比較2)」は平成15年度決算で記載していますが、この説明会では平成16年度決算の数字を使用しています。)
まずは、人口1人あたりの借金の残高ですが、本市の場合、類似都市の平均額と比較した場合、特別に借金が多くあるという状況ではありません。
次に、市民の皆さん、ひとりあたりの税額の表です。この表を見ると、米子市の市民ひとりあたりの税金の額については、他の類似都市と比較するに特別に多いという状況にはなっていません。
県庁所在地である鳥取、松江市と比較しても1人あたりの税額は少なくなっています。
今後は、このことをしっかりと認識した上で、財政運営をしていかなければならないと考えています。

では、米子市の財政状況について、最後に過去10年間の財政の収支状況について、皆さんにお話したいと思います。
過去、10年間の財政運営について、米子市の場合は、なんとか赤字が出ないように、貯金を取り崩したりしてさまざまな財政の調整を行ってきました。

資料9…米子市の財政の収支状況(103キロバイト)

その結果は、グラフの紫色の棒線で表してある金額です。
しかしながら、仮に、財政の調整を行わないとした場合、どのようになっていたのか、それを表すのがクリーム色の棒線です。
(6月に策定した「財政健全化プラン」と9月に配布した「財政健全化プラン概要版」の中では、「米子市の財政の収支状況のグラフ」は平成16年度決算見込みで記載していますが、この説明会では平成16年度決算の数字を使用しています。)
グラフを見て、おわかりいただけるかと思いますが、ここ10年間、米子市の財政の収支状況については、ほぼ毎年、実質赤字であった状態であり、その状況を何とか貯金の取り崩し等の財政運営によって支えてきたというのが、米子市の財政の収支状況の実態です。
問題は、先ほど説明しましたように、米子市には、今はもう取り崩すべき貯金がないという状態にあるということです。
少し、米子市の財政状況についての話が長くなりましたが、「なぜ、『財政健全化プラン』の策定なのか」について、今度は、逆に財政健全化プランを作らずに、何もしなければ、米子市はどうなるのかということについて、お話をしたいと思います。

資料10…なにもしなければ「赤字再建団体」に(103キロバイト)

今の時点で、「財政健全化プラン」などを作らずに、なにもしなければどうなるのかということについてですが、簡単に一言で言えば、米子市が赤字再建団体に陥ってしまうということです。
赤字再建団体ということは、わかりやすく言えば会社でいう倒産です。
この倒産ということになった場合、どうなるかと申し上げれば、米子市のまちづくりが国の管理下となり、何をするのにも国にお伺いをたてなければならないということです。
具体的には、米子市が独自で行っている各種事業が凍結なるのはもちろんのこと、保育料、国民健康保険料等、市民の皆さん方の負担も大幅に増えることになります。当然のことながら、市の職員の給料等も大幅にカットされます。
言わば、米子市の地方自治が失われることであり、米子市であって、米子市でなくなるということです。
私としては、この米子市がこのような事態に陥ることは、市長として、決してあってはならないと考えています。
しかしながら、全国的にみても今の地方行政を取り巻く環境は、非常に厳しいものがあり、最近では、日野郡のある町が、赤字再建団体になる可能性があるという新聞記事がありましたが、米子市においても、今、何もしなければそのような状態になってしまう可能性は否定できないということです。
実際に現時点における米子市の中期財政推計について説明します。

この表は、現時点における米子市の財政見通しです。

資料11…中期財政見通しの試算(103キロバイト)

この表で、収支累計を見てください。 
「財政健全化プラン」に基づくさまざまな取組をしない場合、平成17年度から平成21年度までの5年間で約45億の赤字の発生が予想されます。
単年度平均では、9億円の赤字が発生するのが、今の米子市の現状ということです。
単年度で、赤字決算をしたから、即、赤字再建団体になるというわけではありませんが、本市の財政規模ですと、約50億円の赤字になりますと、赤字再建団体に陥りますので、この5年間の45億円というのは、それに匹敵する赤字額です。 
今の米子市の財政にこのような現実があるがゆえに、このたびの財政健全化プランを作らせていただいたということです。
「財政健全化プラン」は、一言で言えば、赤字再建団体にならないための米子市の処方箋です。
では、これから「財政健全化プラン」の内容について、お話をします。

資料12…「財政健全化プラン」基本理念(103キロバイト)

「財政健全化プラン」の基本理念等について、お話をしたいと思います。
まず、時代の認識ですが、今後は非「成長・拡大」の時代認識をしています。本格的な少子高齢社会が到来し、私たちは、まさに人口減少の時代を迎えます。かつての右肩上がりの経済社会を再び期待するのではなく、現実を直視した厳しい時代認識をする必要があります。
そこで、新たな時代における財政運営を次の4つの視点で行う必要があると考えています。
1つめは、「地方の時代」という視点です。
これまでの地方自治体の財政は、地方交付税、補助金等を始めとして、かなりの財源を国に依存していました。今後、ますます地方分権が進展する中で、市の役割はますます重要になってきますが、国の財政支援については、期待できる状況ではありません。そのためにも、国に依存する体質を脱却し、市の将来は自分たちで責任を持つということが必要であると考えています。
2つめは、「厳しい財政環境」という視点です。
厳しい財政環境については、すでにお話をしてきましたのでここでは説明を割愛させていただきます。
3つめは、「市民・企業等の活性化」という視点です。
財政健全化の目的は、単に市の財政状況をよくするというものではなく、最終的には市民の活力や市内経済の活性化を図るためのものであることを忘れてはなりません。
そして、「今後の財政運営」については、市民生活に不可欠なサービスが安定的に供給され社会情勢の変化や緊急時においても柔軟に対応できる持続可能な財政運営を行っていくという視点です。

先ほど、「財政健全化プラン」の理念などについて、お話しましたが、ここからはこのプランの4つの基本方針について、簡単に述べていきたいと思います。

資料13…「財政健全化プラン」基本方針1(106キロバイト)

まず、はじめは「業務の見直しによる新時代の新たな行政サービスの提供」です。
財政状況がより一層厳しさを増していく中で、多様化する市民ニーズの全てを行政自らが対応することには、限界があります。
そこで、全ての行政サービスをさまざまな角度から点検し、市民等との協働によるサービスの提供等、いわゆる官と民の役割分担の見直しを行います。
具体的には、市営葬儀事業、保育所等、すでに民間で実績のある業務の民間への移管、学校給食事業等、業務を行政が直接行うのではなく、民間に実施を委ねる民間委託等の推進を図ります。
そして、民間に仕事を委ねることにより、スリムで効率的な組織の確立を図るため、5年間で54人、10年間で15パーセント(139人)の人員の削減を図りたいと考えています。
(6月に策定した「財政健全化プラン」の中では、適正な定員管理に関して、5年間で43人以上の人員削減としていましたが、「定員適正化計画」により5年間で54人程度の人員削減を行うこととしました。)
また、とかく批判のある外郭団体についても、組織の統廃合、天下りの廃止等、抜本的な見直しを図ります。
すでにご承知のかたもあるかと思いますが、米子市が運営している施設については、市民サービスの維持・向上を図ることはもちろんのこと、なおかつ効率的に運営するためにすでに指定管理者制度の導入を進めています。
個々の内容については、お手元の資料、「財政健全化プラン概要版」をご覧いただければと思います。

次に、基本方針の2つめである「財政の構造改革」について、説明します。

資料14…「財政健全化プラン」基本方針2(108キロバイト)

先ほど、お話をしましたが、もはや以前のように国から潤沢な交付金や補助金がくる時代ではなくなりました。
この「財政健全化プラン」では、新たな政策の展開や緊急の課題に対応するためにも、経費の節減を図ることと、既存の事務事業の見直しすることを徹底します。
まず、人件費の適正化ですが、すでに特別職の職員は10パーセント、管理職は5パーセント、一般の職員は3パーセントの給料のカットをすでに実施し、自ら行政改革に向けて努力をしているところでございますが、今後もさらに特殊勤務手当ての見直し等、人件費の適正化を図りたいと考えています。
また、非常に厳しい財政環境にありますので、原則、大規模な投資的事業については見直しをしなければならないと考えています。
さらに、今後、このことは市民の皆さんにお願いしなければなりませんが、借地料、各種の受益者負担についても見直しをさせていただきたいと考えていますし、市が補助している各種補助金等についても、見直しをさせていただきたいと考えています。
そして、すでに説明しましたが、税・料等の収納対策については、今後市民の皆さんにさまざまなご協力をいただかなければならないこと、そして公平な行政を推進する立場からも、全庁的な取組体制を確立し、収納体制を強化してまいりたいと考えています。

資料15…「財政健全化プラン」基本方針3・4(103キロバイト)

次に、これらの改革をすすめる上で重要なことは、「市役所内部の改革」です。
ひとつは「職員の意識改革」であり、もうひとつは「行政の透明性の向上」です。
まず、職員の意識改革ですが、 いまだに市役所の仕事について、「お役所仕事」と揶揄されることがあるということは、市民にとっても、また職員にとっても決してよいことではありません。
前例主義、横並び主義、ことなかれ主義から脱却し、既成概念にとらわれない、自ら考える職員を育成することにより、地方分権の時代を責任をもって担うことができる、そのような職員を育成します。
そのためにも、今の年功序列型の人事管理を能力重視型の人事管理システムに変えていかなければならないと考えています。
次に、行政の透明性の向上ですが、これからの市政の運営は、行政だけで担うことは限界があるということは、先ほど説明しました。
今後、市民の皆さんとともに手を携えてまちづくりを担っていくためにも、情報の共有化と透明性の高い行政運営が不可欠だと考えています。
そこで、今後、市民参画推進計画の策定を進めるとともに、市民活動支援のための公募型補助金の創設について、検討していきたいと考えています。

では、今後の米子市における行財政改革の取組について、若干の説明をさせていただきます。

資料16…米子市の取り組み(107キロバイト)

今後の行財政の取組についてでございますが、本年6月に行政改革推進室を設置し、全市的に行財政の健全化の推進を強化することとしています。
今現在、「財政健全化プラン」の進行管理を行うとともに、さまざまな準備をしているところです。
当面、見直しを検討する個別の具体的な取組項目については、お手元の資料、「財政健全化プラン概要版」に詳細が書いてありますので、ご覧いただければと思います。
そして、このたびの「財政健全化プラン」の実行を含め、今後、米子市がどのような行政改革を実施していくかについては、最終的に来年3月までに、新たな「米子市行政改革大綱」の策定というかたちで、皆さんにお示ししたいと考えています。
個々に掲げている項目については、今すぐ実施をするというものではありませんが、今、これらの具体的項目を中心に検討しているということです。 
本日は、個別的な事業の見直しについては、ひとつひとつ説明する時間はありませんが、例えば、家庭ゴミの有料化の問題、各種負担金の増額等、まさに市民の皆さんの生活に直接関係する事項が多々あります。
いろいろ厳しいご意見があると思いますが、もしご意見がございましたら、ぜひとも、行政改革推進室までご意見をいただけたらと思います。

資料17…おわりに「財政の健全化は、自治体としての生き残りをかけた改革です。」(102キロバイト)

終わりになりますが、今日のお話は、決して皆さんにとって、心地よいお話ではなかったと思います。
しかしながら、今の米子市の財政の現実をきちんと市民の皆さんに直接、お話をしなければならない、そして、 将来の米子市を見据えた上での行政運営をしなければならないということが、市長としての責務であると考えています。
まさに、財政の健全化を推進するということは、これからの米子市にとって地方自治体としての生き残りをかけた改革であると私は考えています。
以上、「財政健全化プラン」のお話をさせていただきましたが、市民の皆さんのご理解とご協力を引き続きお願いいたします。

なお、会場でいただいたご質問・ご意見と、それに対する米子市の回答・考えかたも、掲載する予定です。

掲載日:2005年11月9日