米子市緑の基本計画策定シンポジュウム(結果報告)

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米子市緑の基本計画策定シンポジュウム(結果報告)

平成17年2月19日(土曜日)午後1時30分から、米子市福祉保健総合センター「ふれあいの里」 1階大会議室で、米子市緑の基本計画策定シンポジュウム「郷土の緑と水を守り、育てるまち  米子」を開催しました。

当日は雨の中、多くのかたがたがシンポジュウムに参加いただきました。
基調講演、「緑と水のふれあいから人と人とのふれあい」をテーマとしたパネルディスカッションに、みなさん興味深く耳を傾けておられました。

まず、米子市長 野坂康夫から、「緑の基本計画の策定を緑の観点からの新しい街づくりのスタートラインとしたい」との趣旨で開会の挨拶がありました。

次に、鳥取環境大学副学長 野田英明氏から「緑の基本計画策定について」、そして、NPO法人グリーンスポーツ鳥取代表 ニール・スミス氏から、「住民参加による緑化空間の整備について」の講演がありました。

休憩後、「緑と水のふれあいから人と人とのふれあいを目指して」をテーマにパネルディスカッションが行われました。
野田英明氏をコーディネーターに迎え、日置佳之さん(鳥取大学助教授・緑の基本計画策定委員会委員)、兼子朋也さん(米子工業高等専門学校助手)、緑の基本計画策定委員会市民委員の皆さんの6人のパネラーにそれぞれの立場からご発言いただき、その後、議論を進めました。
パネラーの主な発言を紹介します。(敬称は省略します。)

日置:
公園には郷土の樹木が少ない。日本海側でよく見られる花木のタニウツギやウツギ(ウノハナ)などは非常にきれいなので、公園等の公共空間にもっと増やしていくべきだと思います。6割から7割は郷土の樹木が植栽されるべきだと思います。
また、公園の樹木の質の問題ですが、公園の樹木は小さいものが多い。これは、落葉対策のための剪定が影響することと、土が締め固められて、根が成長できないことが原因と考えられます。
木陰ができるような大きな樹木を公園に増やすには、行政と市民の参画により、どんな公園にしていくのか議論しながら進めていくことが必要です。
鳥取大学では、剪定枝をチップ化し、樹木の根本にまいて、クッション材(マルチング)として活用している。これらを燃やすと大変なエネルギーの消費になる。民間でも普通のゴミだけでなく、緑のゴミもリサイクルすることを検討してはどうでしょうか。

兼子:
米子市には郊外に比較して都市部の気温が上昇するヒートアイランド現象が発生しています。ヒートアイランド現象が発生すると大気汚染が発達しやすくなることや夏が猛暑になり、熱中症の増加等の悪影響がでます。2002年度にヒートアイランドを調査した結果、米子駅から市役所周辺と旗ケ崎地区で高温化が見られました。逆に美保湾周辺は海風により、気温が低下しています。これらの温度差は3度の差でした。夏の28度と31度は違うと思います。
これを解消するためには、美保湾から海風を導くことや東山丘陵地の冷涼な空気を取り込み中長期的に取り組む必要があります。
緑は、つくる際にお金がかかるかもしれないが、その後のエネルギーはかからない。経済的価値だけでなく、環境面の効用から緑を評価する必要があると思います。

井上:
ワーキング会議の見学会では、公園の質の問題を感じました。樹木がうっそうとしている公園もあれば、木陰のない照り返しの強い公園もありました。
街路樹については、国道431号の立派なケヤキ並木が、観光の視点からもイメージアップにつながると思いますが、見通しが悪いため、切ってしまえという声もあり残念です。
住民の意識が高まらないと住民参加は難しい。そのためには住民を引っ張ってくれるリーダーが必要です。また、住民への啓発活動も重要です。街づくりという視点では、緑や水は共通の要素です。「旧加茂川・寺町周辺街づくり」など同じようなことに取り組んでいるグループが連携すればもっと効率的に進むと思います。

阿部:
緑の技術職の不足について、行政の中にいなくても、市民の中にはたくさんいます。造園業者、婦人会の花づくりグループなど。行政と専門家が歩み寄ることが大事だと思います。その視点から緑の基本計画を進める必要があると思います。

山崎:
公有地と私有地の境界部分が緑できれいにデザインされていると街がきれいになります。私有地でも道路に面している玄関前の空間などは、実際、公共的要素が強いものです。そういうところに市民が興味を持ってもらうと米子市全体の街並みが良くなると思います。そのためには、緑の基本計画の実現に向けて、市民にいかに関心をもってもらうかが重要だと考えます。

中井:
米子市緑の基本計画の実現に向けては、1.緑の効用について行政側がもっと意識を高めること。2.中長期的な視点から行政側における緑の技術屋をそだてること。3.住民参加の街づくりの視点になりますが、落葉の問題などを話し合いながら解決できる管理運営組織体制ができればいいと考えています。
また、民間の必要なくなった樹木をストックしておき、民有地に緑が必要な住宅地に提供する。そのような取り組みを行政として検討していきたい。

この後、会場から活発なご意見、ご提案がありました。

会場から:
近所の公園は犬の糞やゴミのポイ捨てが目立ち、利用者のマナーが悪い。公園利用のマナーについてニールさんにお聞きしたい。

ニール・スミス:
犬の糞、ゴミについては、基本的に飼い主や利用者の責任です。これは当たり前のことです。そのようにさせる秘訣は、自分達が公園づくりに携わることです。何も特別な常識ではない。米子市はその常識を感じさせる公園がないと思います。
また、予算計上の時に建物の維持管理費は問題にならないのに、公園の維持管理費は、あまり計上されない。利用者のことを考え、職員が専門的な知識を持って、管理する必要があると思う。

会場から:
緑の基本計画の位置づけを、地球温暖化や二酸化炭素排出との関係と結びつけることはできないでしょうか。
また、私は緑化活動で街を花で修景し、ネットワークさせる「下町花回廊」の構想を検討している。
花の講習会等に専門家を招きたいが、そういった人材を発掘・育成することも重要です。

会場から:
このシンポジュウムのねらいは、市民に対してどのように意識改革を勧めることができるかだと思います。伸び放題でいいのか、剪定したほうがいいのか米子駅前の街路樹の剪定の話がありましたが、我々の地区でも街路樹が有りますが、地域で管理していきたいと思っています。しかし、剪定は地域住民、処分は行政など役割分担が必要になってくると思います。そういった支援などの課題はあると思いますが、長期的に取り組むことと、短い期間に結果が早く見えることも大事ではないでしょうか。
また、二酸化炭素の問題を考えるならば、落葉樹だけでなく、常緑樹も植栽すべきではないでしょうか。

日置:
駅前の街路樹の話ですが、行政と住民の合意が取れてないことが問題だと思います。樹形はどう仕立てるのか、いつ剪定するのかなど、しっかりと話し合った上で管理を行う必要があります。その場しのぎの対応は、余計に反発を受けます。行政と住民、住民と住民が合意を取ることが大事かと思います。
また、二酸化炭素吸収の話ですが、落葉樹と常緑樹では、科学的に差はありません。都心部における緑は、二酸化炭素を吸収するのではなく、ヒートアイランドに係わる熱の排出を抑制する効果があります。
したがって、全国的な森の問題と都市内の緑の問題は分けて考える必要があります。

最後に、米子市建設部長 中井俊一から、これまでの緑の基本計画に関する意見や今日のシンポジュウムの発言を踏まえ、より有効な計画に取りまとめていくとともに、合併を契機に緑豊かな都市計画を進めていきたいとの趣旨で閉会の挨拶があり、シンポジュウムを終了しました。

掲載日:2011年3月2日