よなごびと第53回「角明男さん(山の談話室)」

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よなごびと第53回「角明男さん(山の談話室)」

”山を登って得たものは
かけがえのない個人遺産”

山の談話室 角明男さん

登山家の角さんは、米子市大崎の自身が営む喫茶店で「山の談話室」を開き、長年の登山経験を生かし、登山に関するアドバイスや山登りの楽しみ方を伝えています。
角さんにとっての始まりの山は、地元・大山でした。20代のころ、大山寺から山頂小屋へ食料などを運ぶ歩荷の仕事を経験し、山登りに自信をつけた角さんは、さまざまな日本の名峰を巡りました。

ヒマラヤには40代~70代のメンバー7人で登頂した

そんな角さんが憧れたのは、ヒマラヤ山脈。いつかは登りたいと思うものの、「登頂するためには、期間は約2か月弱、費用もかなりかかるため、登れる体力や技術があっても、その時の仕事や家庭の状況が大きく関わる」と、夢に蓋をしていたと言います。そんな中、40代で入会した日本山岳会山陰支部の50周年記念で、ヒマラヤ登山の計画が持ち上がりました。家族と職場の理解のもと、仕事を休職して挑んだメラ・ピーク。天候にも恵まれ、7人の遠征隊は全員無事に登頂を果たしました。「山頂からの展望は360度何も遮るものなく、エベレストなどの8000m峰が連なる光景は、まさに『神々の座』だった」と振り返ります。

山の談話室は毎月第三水曜日午後2時30分に開催。山に関する相談は手紙でも受け付けている。宛先は店舗宛。

角さんは、「山の雄大な景色と共に思い出すのは、一緒に登った仲間たちの笑顔。難易度の高い山も、仲間と一緒だと登ることができた。登山を通じて、かけがえのない個人遺産を得ることができた」と目を細めます。

掲載日:2023年3月24日