よなごびと第48回「丸瀬和憲さん(農家 小規模有機農業、六次産業)」

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よなごびと第48回「丸瀬和憲さん(農家 小規模有機農業、六次産業)」

”多様な農業の形を未来に残したい”

丸瀬和憲さん

丸瀬さんは、米子の地で米を中心に、麦、大豆、ごま、にんじんなどを肥料や農薬を使わない自然栽培で育てています。また、収穫した農作物の加工品の販売や、農作物を使用して作った焼き菓子を自社のカフェで提供するなどの六次産業化にも取り組みながら農業を営んでいます。

主に5ヘクタールの田んぼと2ヘクタールの畑で農作物を自然栽培している

もともと農家ではなかった丸瀬さん。就農に至るまでには、「ものづくり」に対する模索の道のりがありました。市内の高校卒業後、大学で建築を専攻するために上京。そんな中、より細部にまで関われる「ものづくり」を革工芸に求め、本場イタリアへ。フィレンツェで約4年間かばんなどを製作しましたが、そのころヨーロッパに影を落とした経済危機が転機となり、「もっと人の命に関わるような『ものづくり』がしたい」と、農業を志し帰国しました。就農して今年で10年になります。

おかきやごま油、もちなどの加工品や焼き菓子を作る

「広い土地で営む欧米型の大規模な農業は、起伏に富む日本では地勢的に産業化が難しい」と、六次産業を取り入れるなど小規模な農家でも自立できる形をめざします。また、「他の多くの産業が時代に合わせて変化しているのに、農業は『こうするべき』という固定概念が強い」と疑問を持ち、日本ではまだ少ない有機農業を実践しています。「農業も色んな形があっていいんじゃないか。新しい選択肢を未来に残したい」と、自身の追い求める「ものづくり」を農業で実践します。

掲載日:2022年10月28日