よなごびと第37回「安野祐平さん(東京2020パラリンピック陸上男子100m(T33)出場)」

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よなごびと第37回「安野祐平さん(東京2020パラリンピック陸上男子100m(T33)出場)」

”絶対にパリに行く”

 安野選手 バストアップ画像

安野さんは東京パラリンピックの陸上男子100mのT 33 というクラスで5位という成績を収められましたが、出場までの道のりは、大変厳しいものでした。

パラスポーツには、障がいの種類や程度ごとに選手を分ける『クラス分け』という制度があります。選手たちはクラス分けを定期的に受けなければ大会で記録を公認されません。しかし、日本で実施されていないため、海外へ行く必要があります。

コロナ禍の中、安野選手はパラリンピックに出場するため、国外でのクラス分けに参加し、記録を残すために県外の大会に出場しました。しかし、遠征後は2週間の隔離という生活を何度も繰り返すうち、安野選手はモチベーションが保てず、だんだんと記録が落ちていったと言います。

競技用車椅子「レーサー」に乗る安野さん

そんな中、異例とも言える試合直前での出場決定。手続きの都合上、いつも同行する父でコーチの恭司さんは選手村にすら入れず、初めて一人で挑戦する大舞台となりました。トレーナーの石丸さんは、一緒に走ったイギリスの選手たちの善戦を「安野選手が負けたというより、パラスポーツのレベルが国として負けた」と、結果を日本の課題として受け止めます。

トレーニングをする安野さん

安野選手は「絶対にパリに行く」と、3年後を見すえてトレーニングに励みます。自己ベスト更新にむけて、トレーナーや家族と二人三脚の日々はまだまだ続きます。

掲載日:2021年12月24日