市長定例会見(平成29年7月24日)

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市長定例会見(平成29年7月24日)

 平成29年7月24日(月曜日)

 市長から

  • アール・ヌーヴォー期のガラス工芸品等寄附贈呈式及び受贈記念展覧会の開催について
  • フレイル、オーラルフレイル予防からの地域づくり講演会について
  • 米子市・境港市の連携懇談会の開催について

 質疑


市長:
今日は、私のほうから3点ほどテーマを用意してございます。
1点目が、「アール・ヌーヴォー期のガラス工芸品等寄附贈呈式及び受贈記念展覧会の開催について」でございます。

【資料】
新しいウィンドウ・タブが開きます アール・ヌーヴォー期のガラス工芸品等寄附贈呈式及び受贈記念展覧会の開催について PDF 499キロバイト)

これは、広島県在住で米子市出身の井上さんという方がいらっしゃいまして、この方は、このアール・ヌーヴォー期におけるガラス工芸品の収集家でいらっしゃるんですけども、かねてからふるさとである米子市に対しましてコレクションの一式を寄附をしたいというお申し出があったわけですけど、このたび諸条件が整いまして受贈する段になったということで、それを記念して企画展を8月5日から開催するという運びとなりました。そのことがまず1点ございます。

それから、2点目としましては、「フレイル、オーラルフレイル予防からの地域づくり講演会について」でございますが、8月6日になるんですけども、講演会を開催をすることになりました。

【資料】
新しいウィンドウ・タブが開きます フレイル、オーラルフレイル予防からの地域づくり・飯島勝矢先生講演会の開催についてPDF 732キロバイト)

フレイルというのは、実は私の公約にも一つあったんですけれども、介護に至る一歩手前の段階のことで、つまり健康な状態からいきなりすとんと介護の状態に陥るのではなくて、いろいろな機能低下、老化が主な原因でしょうけれども、徐々に体の機能が低下をし、介護状態になると。その一歩手前の段階のところをフレイルと言うわけですけれども、抜本的にといいましょうか、いろんな意味で後期高齢化対策というものをする上で、このフレイルの段階での適切な予防というものは非常に重要であろうというふうに考えております。今までも米子市としましては、「よなGO!GO!体操」や、がいなみっく予防トレーニング等によりましていろいろやってはきましたけども、このたび、より一層このフレイル対策というものを進める契機にしたいということで、この8月6日に専門家の飯島先生をお招きして講演会を開くことになったということでございます。

3点目は、米子市と境港市の連携懇談会の開催の日程が7月27日に決まったということで、その項目とともにお知らせをするところでございます。

【資料】
新しいウィンドウ・タブが開きます 米子市・境港市連携懇談会の開催についてPDF 91キロバイト)

この目的といたしましては、米子市と境港市の間にまたがる共通課題を一緒になって解決していこうということでございます。主な議題、これはあくまで予定ではございますけれども、米子―境港間の高規格道路のあり方についてですとか、それから観光について、広域観光の進め方だとか、あるいは農業分野、これは特区をめざした外国人労働力の活用についての話し合い、それから原子力防災についての取り組み、その他について話し合いをする予定となっております。
私のほうからの説明は以上とさせていただきます。

幹事記者:
各社、お願いします。

米子市・境港市連携懇談会の開催について

記者:
連携懇談会は、初めてこういったものを始めるんでしょうか。

市長:
取り組みとしては、初めての試みになるのではないかと思います。もちろん一つ一つのテーマについて個別に何か話をするということは、いろんな形であったんだろうと思いますが、両市長が顔を合わせて、こういういろいろなテーマを設けながら懇談をするというのは、おそらく初めてかというふうに認識しております。

記者:
これは、持ちかけられたのは市長からですか。

市長:
そうですね、私のほうからということです。

記者:
どれぐらいの頻度でやっていかれるんでしょうか。

市長:
やはり内容によると思いますけども、定期的ということではなくて、このたびこういった、今申し上げたような項目の課題がありますので、キックオフといいましょうか、まず話をして、それぞれの項目がどういう流れになるか、それによってまた改めてやっていこうと思っております。もちろん必要性にもよりますけれども、定期的なものにしていければ、よりよいのではないかなというふうには思っています。

記者:
高規格道路の件で、境港市長と米子市長が話し合うというのは、過去あったんでしょうか。

市長:
話をしたこと自体はあったというふうに認識しております。検討会でしたかね、ちょっと会議の正式名称は忘れましたけども。

建設企画課長:
あり方勉強会ですとか、あり方検討会の中で協議をしているということで、直接両市長だけでということではありません。

記者:
それは、いつの時代のことを言っているの。

建設企画課長:
あり方勉強会のほうが平成24年に第1回を開催して、数回開いております。その後、平成28年度にあり方検討会に格上げをして協議を続けております。

記者:
高規格道路については、初回はどんなお話をしようと思ってらっしゃるんでしょうか。

市長:
まず、その必要性ですとか、あるいは効果ですね、そのあたりについてお互いの話を固めて、それからルート案についても過去、話し合った形跡がございますので、そうしたルート案についても触れられればいいかなというふうに思っています。

記者:
市長としては、もうルート案について何かお考えがあるということですか。

市長:
いえ、そこまではまだないです。あくまで話し合いの中で。これは、ルート案によって、やはり日吉津村についても一緒に話し合う必要が出てきますので、米子市と境港市だけで決まるということはないと思っています。

記者:
必要性についても話し合うということでしたけども、必要だということでは一致しているのかなと思うんですが。

市長:
もちろんそこはそうですね、一致しているとは思っておりますけども、ただ、市長同士で膝を突き合わせて話をするのは今回が初めてですので、確認という意味も含めて話をするということですね。要するにそこからだというふうに受けとめていただいたらいいと思います。

記者:
検討会はどこまで議論ができて、どこまでの合意ができてとまっているの。

建設企画課長:
今、3つのワーキンググループをつくっておりまして、まちづくり(ワーキンググループ)ですとか事故・渋滞対策のワーキンググループ、それとあとストック効果のワーキンググループと、3つのワーキンググループをやっているんですけれども、その中の事故・渋滞対策のワーキンググループ以外は複数回開いております。

記者:
どこまで議論が進んでいるの。何もそれは議論の結論も、申し合わせもないところなの。全くのゼロの感じで。

建設企画課長:
まだ最終的な取りまとめまでには至っておりませんけれども、それに至るまでのバックデータの収集ですとか、そういったことをやっている段階です。

記者:
じゃあ27日は、ほとんどゼロからの出発のような感じなんですね。

市長:
そう受けとめていただいていいと思っております。

記者:
その高規格道路は、以前ちょっと、津波を意識した防潮的な機能のことを聞いていた時期がありましたけども、それも議論されるんでしょうか。

市長:
それもやはり一つの案だと思っております。ただ、これはルート案の話にもつながるんですけれども、それぞれのルート案にメリット、デメリットがありますから、今そこを決めてかかるのではなくて、もちろんそこはどこかで合意をめざしていかないといけませんけれども、幅広く議論を始めたいと思っております。

記者:
議論の中には入ってくるだろうということですか。

市長:
はい、そうですね。

記者:
今後の、例えばタイムスケジュール的なものも話し合われるような感じになるんですか。

市長:
そこまでのところには至らないのではないかなと思います。

記者:
たしか中村市長は前回の市長選挙のときに、この任期中にある程度の道筋をつけたいというようなのを公約に掲げていらっしゃったかと思うんですけれども。

市長:
私も公約にこの境港―米子間の高速道路については検討していくということを書いておりますので、もちろん道筋をつけたいのはお互い思っていることだと思います。ただ、そこでどんな課題が出てくるのかということについて、もう少し幅広に議論したほうがいいと思っております。そしてまた、ルート案によっては当然、日吉津村のほうとも話をしなければいけませんので、できれば早く道筋はつけたいですけども、そこをめざしたキックオフというふうに位置づけていただいて結構です。

記者:
原子力防災対策は何を話し合われるんでしょうか。

市長:
これは、共通した境港市と米子市のテーマでございますので、これまで取りまとめてきたものも含めて、今後どのように課題に当たっていくのか、27日の時点ではおそらく一緒にいろんなことをやっていこうという話だと思います。特に避難計画ですとか、そのあたりについても、境港の皆さまが仮に避難をされるとなれば、米子市を経由してということは、当然ある話ですから、より具体的に詰めていくための、これもやはりスタートとなるような、そんな議論ができればと思っています。

記者:
県西部圏域の広域観光の推進という項目もあるんですけども、先般、中海圏域のDMO(中海・宍道湖・大山圏域インバウンド機構)のほうができましたけど、県西部のほうでもDMO(観光地域づくり組織)をつくる検討が、ずっとされていると思います。今の検討状況と、今後どういった形の観光推進を考えておられるのかというところをお聞かせいただけますでしょうか。

市長:
既にこの地域には山陰DMO(山陰インバウンド機構)ですとか、それから今ご質問のありました中海・宍道湖・大山圏域インバウンド機構、こうしたDMOがあります。そこと、まず一つはいかに役割分担を図るのかということが非常に大きな問題になります。それと、やはり大山開山1300年(平成30年)を前にしまして、この鳥取県西部圏域がまとまって観光を推進していく機運が高められるか、そのきっかけにこの鳥取県の西部のDMOがあるのではないかというふうに考えているところです。もちろんそれぞれ、西部一つと言っても、やはり境港市から日南町まで、南と北とで観光に関するテーマとかいろんなものは違ってきますから、そこをいかにして一つにしていくのかというところは、鳥取県にも力を借りながら進めていくものだというふうに思っています。

記者:
具体的にDMOにはこだわらないということですか。

市長:
そうですね、そこは微妙なんですけれども、まず目的はやはり広域で観光推進をしていくということにあるわけですけれども、そのときにDMOという手段が有効であるというふうに思っておりますので、DMOの設立はめざしつつも、それを目的化しないで、あくまで広域観光の推進をいかに図るべきか、そこを大きな目的にしたいと思っています。

記者:
わかりました。1300年祭はもう来年に控えていますけども、そうするとそのスケジュール感を見ても、もしつくるのであれば、もう今年中にでもある程度道筋をつけるべきだと思うんですが、そこは何か急がれるような感覚はありますか。

市長:
やはり1300年祭というのは一つの大きな節目になりますので、この1300年祭を機に何を残せるのかというのは一つ大きなテーマだと思います。つまり、一過性のイベントに終わらないために、継続して観光推進に取り組める体制づくりは非常に重要なテーマだと思っています。それがこのDMOになれば、わかりやすく皆さんにお知らせできると思いますが、そうでなかったとしても、一緒になってやる取り組みというものがこれからも続くようにというふうに考えております。

記者:
この農業分野の外国人労働力活用についてというのは、何かもう具体的にこういうものをというのはあるんですか。

市長:
そうですね、この外国人の労働力を活用するという大きなテーマはやはり農業分野にありますので、そこがちょうど米子と境港にまたがるエリアにございますので、そこが一つの具体的な事例となって特区をめざしたいということになります。

記者:
特区をめざす。

市長:
そうですね、特区をめざすということがポイントになります。

記者:
その特区をめざすというのは、境港市も合意した話なんですか、持ちかける話なんですか。

市長:
これは、この連携懇談会の中で合意していく話だというふうに(考えています)。

記者:
こちらから持ちかけて合意形成を図りたいということですか。どういう感じですか。

経済部長:
これは、境港市さんのほうからのお話があって、それで米子市のほうでも検討させていただいていて、具体的にそういった合意をして、外国人就労者の活用に向けて農業特区の申請をしていこうということの話がほぼ固まりつつありますので、そういったことを具体的に今回の懇談会の中で最終的に市長同士で調整をした上で発表していくということになろうかというふうに考えております。

記者:
この外国人労働力というのは、どこの国のどういう方を視野に入れているんですか。

経済部長:
今まで、ご承知のとおり、この圏域で外国人労働力の活用に尽力をされていた企業さんがございますので、そういったもとになる基礎がないと、なかなか特区ということになりませんので、そういったところをフルに活用していくということです。ですので、東南アジアから来られていた今までの研修制度で帰られた方で、技術力の高い人を特区申請をすることで再活用できるような仕組みをつくっていくと、それがこの圏域の農業労働者の不足に非常に効果があるんではないかということで検討させていただいているということです。

記者:
作物としてはどういうものが。

経済部長:
作物としては、それは弓浜地区ですので、大根でありますとかネギでありますとかサツマイモの関係とかいうようなことになるんじゃないかというふうに思っています。

記者:
ちなみに、こういう取り組みって、これまで県内、あるいは中国地方で先進的なところはあるんですか。

市長:
農業分野については、県内は中国人などの研修生がおられますが、いわゆる就労ビザの関係で途切れ途切れになってしまうというのが大きな課題でございまして、このたび特区を入れることによって、もう少し長くとか、技術が蓄積していくようにとか、そのあたりへの取り組みになるんだと思います。

記者:
この予定されている議題ですけど、4項目は具体的に柱が立っているんですけど、当日は、行ったときに空中戦やるんじゃなくて、取材させてもらう以上は、それなりの資料は用意していただいた上での話の次第になるのか、全く空中戦を聞いて、後で肉づけの取材をするのかという、そこあたりの意味の確認もあって今お聞きするんですけど。

市長:
議題の1から4については、できる限り資料は整えてお渡しできる状態はつくっておきたいというふうに、境港市のほうとも話をしておきたいと思います。議題の5のその他につきましては、出てきた課題をその場で話せるところまでというような形になると思います。

記者:
ありがとうございます。

アール・ヌーヴォー期のガラス工芸品等寄附贈呈式及び受贈記念展覧会の開催について

記者:
ちょっと、議題を変えていいですか。アール・ヌーヴォーなんですけど。この井上さん(寄贈者)のことについて、この資料だけではちょっとわからないので、いつごろこの寄贈の話があって、それを受けて何が問題だったのか、何かさっき、ハードルをクリアして今になったみたいな言い方をされていたから、それがわかる資料を、今でなくていいんだけど、すぐに用意してほしいんですけど。

経済部長:
用意します。

記者:
寄贈されるのは、収蔵しているコレクションがどのくらいある中の79点ですか。

経済部長:
収蔵されているのは、アール・ヌーヴォーだけではなくて、ほかのコレクションもございました。そのうちアール・ヌーヴォーのこのガラス工芸というのが79点ございましたので、それを一団のコレクションとして寄贈を受けるという形になっております。

記者:
79点は、じゃあ全部アール・ヌーヴォーですね。

経済部長:
アール・ヌーヴォーです。

記者:
井上さんが所蔵してるアール・ヌーヴォー79点を全て寄贈という意味ですか。

経済部長:
そうです。

記者:
これは、ガラス工芸に限るわけですよね。陶器はないわけですからね。

経済部長:
陶器はありません。ガラスだけです。

記者:
井上さんは米子市出身で、米子市ふるさと経済活性化委員をしているわけだから交流は続いていたんだと思うんですが、米子市が持ちかけたの、向こうから持ちかけがあったんですか。

経済部長:
もともとは、先方さんのほうから、平成21年だったと思いますけれど、経済活性化委員会の席上において寄贈したいというようなお話があったということで引き継ぎを受けております。

記者:
価格はざっくり、買い取り価格は2億何千万円でしたっけ。

経済部長:
購入価格ということで、ご本人が言われた金額として2億円程度というふうに聞いております。

記者:
要するにそれは79点でということ。

経済部長:
はい。

記者:
これを収蔵するスペースは、美術館でしょうけども、あるんでしょうか。

経済部長:
ご承知のとおり、米子市の美術館というのは市民ギャラリーという特性が前面に打ち出してありますので、収蔵スペース、常設展示スペースというのはございませんでした。(作品を)もらうに当たって、そういった問題がありましたので、市としては寄贈をお断りしていたという経過がございました。その中で、いろいろな手法を検討していった中で、民間事業者さんとのコラボといいますか、活用というような形をとらせていただくということで、収蔵であるとか展示のスペースを確保するめどがついたということで、今回の寄贈を受けるということになったということです。

記者:
よくわからないので、もうちょっとかみ砕いて。

市長:
アジア博物館がこの企画展が終わった後に一括引き受けて収蔵・展示してくださるという話がまとまったので、このたびお引き受けをすることになったということです。

記者:
そうすると、米子市がアジア博物館に寄託するという。

市長:
ええ、そういうことです。

記者:
文化財の指定を受けるような、それ級の価値がある、何かそういうものも含まれていたりするんでしょうか。

文化課長:
文化財という視点で見るのはちょっと違うかなと思っていまして、いわゆる美術品の一つとして、今は考えています。

記者:
アール・ヌーヴォー期の工芸品をたくさん収蔵する美術館は、山陰地方にもあるんでしょうか。

文化課長:
常設展示という形ではないと思います。

記者:
どこかがいくつかは収蔵しているの。

文化課長:
その可能性はあります。

記者:
収蔵することになるというのは、山陰地方では、ほかに一、二あるかもわからないけども、79点も大量に収蔵、展示できるのは。

文化課長:
山陰で初だと思います。

記者:
寄贈を受けるにしても、ある程度専門家から評価がないとだめなんだけど、鑑定を受けるつもりはないの。真贋も含めて、美術品としてどうなのかという評価はやはり専門家がしなければ、その寄附が一体何なのかと、がらくたなのか本物なのかわかんないじゃないですか。通常はやりますよね。

経済部長:
はい。それについては、まず購入されているところの出どころが非常にしっかりしていると。これは日本有数の専門店のところから購入されていて、真贋鑑定書のある作品もあります。それと、受け入れするに当たって、その真贋鑑定をするということも市において検討はしたところですが、その真贋鑑定は、いろいろな鑑定方法があるんですが、1点は非常に費用が高額になるということと期間が長くなるということ。また、同時に真贋鑑定をされる専門家の方がおられるんですけれど…。

文化課長:
そういう専門家の方が複数人いらっしゃいまして、それで、そのうちの一人が今回、オープニングのギャラリートークと記念講演の講師をしていただくベル・デ・ベルという会社の野依さんという方です。

記者:
何の会社ですか。

文化課長:
そういう美術品を扱っている美術商で、NHKの「美の壷」というような番組がありますけれど、あのときにも監修などにかかわられた方です。

記者:
この人は、じゃあ事前に全作、79点を見ているわけ。

文化課長:
全てかどうかはわかりませんけど、例えば自分のところで取り扱った作品を中心に。

記者:
いや、まあそれはそうだよね、そうじゃないものも含めて。

文化課長:
そうですね、野依さんは東京の方なんですけども、あとは、広島などにも専門業者がいまして、それぞれが確認して、本物だということで納入しているというような経過があります。

記者:
それで、寄贈はいつごろ正式に受理するんですか。

市長:
8月4日の午後4時から寄附贈呈式を行なうことになっております。

記者:
それをもって受理したという。

市長:
そうですね。

経済部長:
両者がきちっと確認して、寄贈式という形で公式の場で発表させていただくということです。

記者:
寄贈者は、ご夫婦の名前なのか、井上幸夫さん、旦那さんのほうだけですか。

経済部長:
奥様は既に亡くなっておられまして、それで井上さんのほうからのご要望がございまして、二人で集めたコレクションなので、寄贈者というのは今生きておられる、井上幸夫さんご本人なんですけれど、コレクションの名前としてはお二人の名前をつけて披露してほしいというご意見をいただいていますので、その意向に従っているということでございます。

記者:
井上さんは何で寄贈しようっていうことを言ったんですか。

経済部長:
まず、コレクションが散逸するのが非常に忍びないと。これはご本人さんに再度確認してもらわないといけないですけど、ご夫婦で子供さんのかわりに集められたコレクションが、自分が管理ができないようになったことで散逸するのは非常に惜しいということが、これは直接聞いておりますので、まずそういう動機でございます。それと、プラスして、皆生温泉が非常に落ち込んでいるという話は経済活性化委員会でございまして、(作品が)人を呼べるものなので、地域経済の活性化について使えるようなスキームで受理してもらえるところに寄贈したいというようなお話を、これは直接伺った話でございます。

文化課長:
米子出身の方ですので、ぜひ米子にというふうに。

記者:
お仕事は何をやっている方ですか。

経済部長:
以前は中国電力の副社長をされていて、現在はもみじ銀行の取締役、監査等委員をやっておられるということを聞いております。

記者:
そもそも論なんですが、郷土に寄附したいという気持ちはわかるにしても、そんな重要ないいものであるなら、私がイメージするのは東京国立博物館とか大阪のいろんな公的な館があるので、わざわざ山陰の田舎町にいいものを持ってきて展示したって誰がわかるんだろうとかって、ふと思うんだけども、その辺のことは何か、本人はおっしゃっていましたか。

文化課長:
そこがやはり、自分が米子出身であるので、まず米子で活用してもらいたいという思いがあるということを話をする中で感じました。実際そういう発言もしておられます。

記者:
それで、米子や県西部の方が待望しているような分野の作品だと思われますか。

文化課長:
これは、その作品自体が郷土にゆかりがあるとか、そういうことではありませんけども、興味を引くものという意味では、いろんな目的で米子に来られる方、例えば観光で来られる方とか、何となく米子に来たんだけど、ちょっとこういうものもあるなって見ていただけるような方とか、全ての方がというわけではないかもしれませんけど、興味のある方も大勢いらっしゃるというふうに考えています。

記者:
(展覧会のチラシに作品の)写真がいろいろついていますけども、この中で価値の順番を、ちょっと言ってほしいんですけど。

文化課長:
順位はわかりませんけども、ご本人さんが特に大切にしておられましたのが、この左上の赤い作品がありますね、「海底文花瓶」というのが。これが海底をあらわしたデザインで何か非常に貴重な作品だそうです。

記者:
これが1番、本人は。

文化課長:
ええ、これが1番ですね。

記者:
2番は。

文化課長:
2番以降はちょっとわからないですけども、よく形がおもしろいって説明されていたのが、この斜め右下の「コロシント形花器」という作品ですね。

記者:
皆生温泉の落ち込みがっていう話がありましたけれども、例えば皆生の宿泊施設で展示するとか、そんなことも今後の活用策としてあり得るんでしょうか。

市長:
将来的には何でもありだと思います。それはアジア博物館との話し合いの中で。それで、アジア博物館としても、そういうことは、米子市の許可をもって可能としていくことにしております。

記者:
ちなみに、79点のうち、ガレが何点、ドーム兄弟が何点か、今わかる。

文化課文化振興係長:
今計算して報告します。(ガレ30点、ドーム兄弟35点、その他14点)

記者:
すみません、そもそも何でアジア博物館にお願いすることになったんですか。

経済部長:
まず、市のほうでどこか安全にきちんと管理ができて、預かってくれるところを探したわけですね。今の話じゃないですけど、皆生の旅館というのもあったかもしれません。市のほうの、例えば観光センターの展示場というのもあったかもしれませんけれど、やはりセキュリティーの問題であるとか量の問題であるとか、相当広いところの面積の問題がございますので、そういったところを当たっていろいろ探したところ、アジア博物館さんのほうが引き受けていただけるというお話があったもので、アジア博物館さんにということで話を進めていったということです。

記者:
それで、このアール・ヌーヴォー期のコレクターの方だとかファンの方って熱心だと思うんですけど、何で米子っていう話も、どうもこのネットワークの中ではあるみたいでして、その辺、どういったストーリーづけといいましょうか、観光素材にする以上は何らかのストーリーが必要だとは思うんですけども、そのあたりはどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。

経済部長:
アール・ヌーヴォー期のコレクションといいますと、あるところは一般的じゃないはずで、(ストーリーは)後づけなんだと思うんですよね。割と有名なところが日本に3つ4つあるんですが、そこと比べても引けはとらないというふうに考えています。ですので、米子にこのアール・ヌーヴォーのこれだけのコレクションがあるということで、興味のある人の誘客は十分図れるものだということです。

記者:
その後づけのつながりで聞くんですけど、どう後づけするんですか。降って湧いたアール・ヌーヴォーと米子の、ぱっと思いつくのは進取の気性に富んだ精神風土の米子にマッチした文化がフランスからも来るというようなことですか。

経済部長:
すみません。その辺は少し考えてから話をさせてください。

記者:
これだけのコレクションを寄贈されるということについて、改めて市長として、ちょっと受けとめを教えてください。

市長:
ぜひともこれを美術館の充実につなげたいというふうに思っております。芸術鑑賞というのは感性の部分が多分にありますので、受けとめ方は人それぞれだと思います。ただ、いろいろな芸術鑑賞の中に、こういうガラス工芸品も加えることによって、米子あるいはこの近辺の皆さまにこうした芸術作品を身近に触れてもらう機会をつくりたいということですね。そこが一番です。

記者:
さっき言った、経済振興なり観光振興のことを、市長としてちょっと言ってください。

市長:
私は、それが即時、経済振興につながればいいなというのは、実はないです。これはあくまで美術品ですので、それぞれの一人の感性に多分に訴えるものですから、受けとめ方はいろいろあっていいと思います。ただ、そうしたところにたくさん作品を見ることによって、多かれ少なかれやはりそこの感じるものがあるんじゃないかと思います。それが一番大事なことであって、その共感が広がれば、徐々にといいましょうか、多くの人がこの地を訪れてくれるのではないかという期待はしております。

記者:
この展覧会が20日間で終わって、その後の展示計画の構想はあるんですか。

経済部長:
まだ最終的なアジア博物館さんとの契約という形にはなってないんですが、今のところ、まずアジア博物館さんに引き受け場所を確保していただいて所蔵してもらうと。それで、来年の春をめどに博物館のほうを改修いただいて、(受贈した作品の)半分程度ずつの展示スペースというのを確保していただくと。

記者:
アジア博物館を改修してもらって、常設展示をめざすということですね。

経済部長:
はい。

記者:
もちろんそこは公金を出してやってもらうんですね。

経済部長:
いえ、これはアジア博物館さんの協力によって、まず収蔵と展示をアジア博物館さんのほうでお願いするということです。

記者:
来春のめどというのは、改修のめどなのか、来春オープンなのか。

経済部長:
来春のオープンをめざしたいということです。

記者:
今回の20日間、美術館でやるのは、79点全部ですか。

文化課長:
そうです。お披露目展示ということで、今回いただくものを全部展示する形にしています。

記者:
アール・ヌーヴォー期のこういう工芸作品の展示というのは、過去にも何回かやったことあるんですか、点数は少ないだろうけど。

文化課長:
米子の美術館ではないと思います。

記者:
県内ではどこか鳥取のほうで、おなじみの展覧会のようなのは何回もやっている。

文化課長:
美術館では、ちょっと私の知る限りでは、ないですけど、これもあわせて確認しましょうか。

記者:
はい、そうですね。

記者:
井上さんの所蔵がそういった形で一般の人たちの目に触れる機会というのはこれまでもあったんですか。

文化課長:
井上さん自身のコレクションとしてまとまって出たというのは、ちょうど昨日(7月23日)まで、広島の廿日市市のアートギャラリーで51点展示していました。

記者:
この79点のうちの51点がですか。

文化課長:
はい。それが井上さんのコレクションとして初めてまとまった形で出たというケースじゃないかと思います。

記者:
これまでもそういった意味では、まとまってはなくても、どこかに貸し出し展示というのはされていたっていう、そういうことですね。

文化課長:
されていたと聞いています。

記者:
これは、何で廿日市なんですか。

経済部長:
廿日市に住んでおられますので。

記者:
市長、これだけ貴重なものを贈ってくれた場合は、名誉市民だとか何とか賞だとか、市からこうお返し的に授与するものって何か想定されるんでしょうか。

市長:
現時点では、そういう具体的なものはないんですけど、(寄贈作品)一式に対して井上幸夫・英子コレクションという名前を残して後世に引き継いでいくということが今考えられる最大のものではないかと思っています。

記者:
市の美術館で展示をされるときに、展示の方法で工夫されることってありますか。例えば(作者の)サインを側面とか底に入れていたりされる作品があるみたいなんですけど、展示されるときに、それを見てもらうための何か工夫というのを施される予定ってありますか。例えば鏡でこう反射させて見せるようにするとか。

文化課長:
はい。全部が全部ではないんですけども、これは特に見てもらいたいたいというのを、例えば360度、全方向から見られるようにするコーナーを設けてみたりとか、それからライトの当て方でも見え方が変わってきますので、そういった工夫なんかをしていけると思います。

記者:
それをどうするかというのは、まだこれから。

文化課長:
これからです。

記者:
今回、米子でやる展覧会は無料ですけども、何か意図がありますか。

文化課長:
はい。これは、コレクションを寄贈いただいたお披露目ということで、一人でも多くの方に見ていただきたいという思いがあって、それで無料としました。

記者:
今後は常設展のときはどうするんですか。アジア博物館の入場料はあるけど、常設のとき無料開放するということですか。

市長:
それは博物館が決めるような協定の内容になると思います。

記者:
じゃあ今回のみということですね。

文化課長:
そうですね。お披露目展示のみ無料ということです。

記者:
もう1点だけ。この79点の制作年代はいつからいつまでですか。

市長:
1875年から1931年です。

幹事記者:
この件はよろしいでしょうか。フレイルの関係は質問ありますでしょうか。じゃあ、なければその他ということでお願いします。

角盤町エリアの活性化について 

記者:
すみません、経済の活性化を第一に掲げてスタートして、およそ3か月たちますけど、現状、何か肌感で経済の活性化って、どんなことを感じますか。

市長:
なかなか進捗していなかった事業だとか、あるいは経済情勢の変化によって出てきた課題だとか、そういったものを非常にスピード感を持って解決に当たっていると思っています。もちろんその効果というところまでには至っているとは思っておりませんが、将来に向けた米子のまちの経済の活性化というものについて、一つは課題の認識と、それに対する対応策の検討というものは今、少しずつですけども進んでいるというふうに認識をしています。

記者:
スピード感を持ってということで、先週から解体工事が始まったやよいデパートについて、今どういうふうに思っていますか。

市長:
角盤町エリアの活性化につきましては、やよいデパート跡地を駐車場にするという案が出ておりますが、それに伴って、あのエリアに対してアクセスがよりよくなる可能性が高まります。つまり車がより一層入りやすくなる。それは一つの経済効果をもたらすであろうと思っておりますので、これから先の議論にも一定の弾みがつくものというふうに考えています。

記者:
やよいデパート跡地が平面駐車場となることの狙いを、改めてちょっと教えてください。あと想定されるデメリットというのがあるか。

市長:
デメリットについては今のところ、特に考えていません。メリットとしましては、やはり角盤町エリアに対する多くの皆さまのアクセスですね、ここは公共交通機関も一応至便な場所ではあるんですけれども、車の駐車場というのが必ずしも多くない場所ですので、それによって周辺に対する人の流れができる条件が整うという意味ではメリットがあると思います。

記者:
米子髙島屋東館との連携というのは、具体的に。

市長:
その駐車場があることによって、東館に対するアクセスはまず確保しやすくなるということです。東館そのものはこれからの話し合いの中でどういう使い方がいいのかということを考えていくわけですから、駐車場と建屋の役割といいましょうか、建屋を利用する人に対する交通アクセスの確保という役割分担だと思います。

幹事記者:
そのほかよろしいでしょうか。それでは、これで終了したいと思います。ありがとうございました。

市長:
ありがとうございました。

 

掲載日:2017年9月1日