ヌカカ(俗称:干拓虫)に関する情報(平成27年度版)

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ヌカカ(俗称:干拓虫)に関する情報(平成27年度版)

ヌカカが発生する時期には、特に活発に活動しそうな時間帯、気象条件に注意するとともに、肌の露出部分をできるだけ少なくし、露出部分や服に虫除けの薬を塗るなどして、被害を予防しましょう。もし、かまれて症状がひどいときは、早めに医療機関を受診しましょう。

ヌカカとは


トクナガクロヌカカ(メス)の
電子顕微鏡写真
提供:鳥取大学医学部

ヌカカとは、ハエ目・ヌカカ科に属する昆虫の総称であり、米子市内では「イソヌカカ」と「トクナガクロヌカカ」の2種類が確認されており、吸血するのはメスであることが分かっています。
平成27年度の調査で捕獲した種類は、ごくわずかに「イソヌカカ」が含まれていましたが、ほとんどが「トクナガクロヌカカ」でした。
5月頃から9月頃にかけて発生し、例年6月頃が最盛期となっています。網戸を簡単に通り抜けるほど微小なため、衣服の中に潜り込んだりするので、被害を防止するのは容易ではなく、かまれると、かゆみが数日続くこともあります。古くから市内弓浜地区において被害の報告があります。

各種調査の結果について

ヌカカの発生状況や被害予防方法など、ヌカカによる被害軽減のための情報を逐次お知らせするため、学術機関や大手衛生薬品製造会社の協力のもと各種調査を実施しました。

調査内容

  1. 発生状況調査
  2. 殺虫剤・忌避剤の効果検証
  3. 殺虫剤・忌避剤の効果に関するモニター調査
  4. 網戸の目開きの検討
  5. 医療機関へのアンケート調査

1. 発生状況調査

平成27年4月下旬から8月上旬にかけて毎週1回程度、次の調査地点において、発生状況を調査しました。

調査地点(12地点)

調査地点図

  1. 内浜(市街地寄り)の雑草地
  2. 内浜(市街地寄り)の非雑草地
  3. 内浜(境港市寄り)の雑草地
  4. 内浜(境港市寄り)の非雑草地
  5. 米川沿い(市街地寄り)の雑草地
  6. 米川沿い(市街地寄り)の非雑草地
  7. 米川沿い(境港市寄り)の雑草地
  8. 米川沿い(境港市寄り)の非雑草地
  9. 外浜(市街地寄り)の雑草地
  10. 外浜(市街地寄り)の非雑草地
  11. 外浜(境港市寄り)の雑草地
  12. 外浜(境港市寄り)の非雑草地

調査結果

発生時期

最初の捕獲日は5月下旬で、6月下旬にピークとなり、8月上旬に終息しました。
総数変化

気象条件

夏に向けて気温が上がってくると発生時期に入り、最低気温が15度ぐらいになった頃から最盛期を迎え、それから徐々に減少し、気温のピーク時に終息しました。
気温変化

湿度との相関は、無いようでした。湿度変化
風向きは北寄りの場合が多かったので、内浜側に飛ばされた可能性もあります。

地域別及び土地利用の違いによる発生状況

内浜側の米子市街地寄り、米側沿いの米子市街地寄りと、内浜側の境港市寄りが多い結果となりました。

周囲に耕作放棄地が多いところは、捕獲数が多くなる傾向があると思われます。
地点別

活動が活発になる時間帯の調査

発生状況調査の調査地点のうち6地点の雑草地において、5月31日と6月21日の2回実施しました。
その結果は、次のグラフのとおりでした。
夕方よりも午前中の捕獲数のほうが圧倒的に多く、特に朝方(午前8時から9時)、活発に飛び回ることがわかりました。被害アンケートの結果によると夕方の被害が多いとのことでしたが、それは人の活動時間帯が影響していると考えられます。
捕獲数が多い時間帯はメスの数が優勢でした。ほとんどがトクナガクロヌカカでしたが、ごく少数イソヌカカも捕獲されました。
捕獲数経時変化
そのときの気象条件との相関は不明でした。
気温平均
湿度平均

2. 殺虫剤及び忌避剤の効果検証

平成27年6月上旬、次の市販用殺虫剤及び忌避剤について、研究機関と薬剤メーカーが共同し、国のガイドラインに従って効力試験を行ないました。その結果、いずれの薬剤ともヌカカに対して有効な製品と認められました。

殺虫効力試験結果

用途 種類(製品名) アカイエカに対する効力を1としたときの、トクナガクロヌカカに対する効力
屋内用 電気蚊取り器(コンセント式) 1.5から2倍
屋内用 電気蚊取り器(電池式) 3から4倍
境目用 網戸・窓ガラス用スプレー 1から2倍
境目用 吊り下げ型プレート 6から7倍
境目用 蚊取り線香 3から4倍

忌避効力試験結果

用途 種類(製品名) スプレーしてから6時間後の忌避率
屋外用 人体用忌避剤 95パーセント以上
屋外用 衣服用忌避剤 95パーセント以上

3. 殺虫剤及び忌避剤の効果に関するモニター調査

効果検証を行なった薬剤を一般家庭及び公共施設に配布し、発生状況や薬剤の効果などについてモニター調査を行ないました。

一般家庭用調査結果(配布:105世帯、回収:104世帯、モニター期間:平成27年5月中旬から7月末まで)

被害状況について、被害にあった時期は「6月」で、時間帯は「夕方」、天候は「曇」及び「無風」という回答が最も多くありました。
屋内対策品(屋内用+境目用)の効果について、「効果あり」との回答が42.2パーセント、「効果なし」が13.7パーセント、「分からない」が44.1パーセントでした。
屋外対策(屋外用)の効果について、「効果あり」との回答が49.0パーセント、「効果なし」が16.7パーセント、「分からない」が33.3パーセントでした。
全ての用途の薬剤ともに半数近くは「効果あり」との回答で、効果はあるものと判断されました。しかし、「分からない」との回答も多くありました。その理由について、「例年に比べヌカカの発生が少なく、薬剤の効果によるものかどうかの判断がつきにくかった。」との意見が多くありました。「効果なし」については、使用方法の個人差によるものであると考えられました。

施設用調査結果(配布:保育園6園及び小中学校6校、回収:全て、モニター期間:平成27年5月下旬から7月末まで)

被害状況について、被害にあった時期は「6月」で、時間帯は「午前中と夕方」、場所は「屋外」、天候は「曇」及び「無風」という回答が多くありました。
屋内対策の効果については、「分からない」との回答が8ヶ所、「効果なし」が4か所でした。
屋外対策の効果については、「分からない」との回答が7か所、「効果なし」が4か所でした。「効果あり」が1か所でした。
屋内対策の効果について、「分からない」が多かった理由は、屋外での被害がほとんどで屋内での被害が少ないことと、一般家庭用調査と同様な理由によるものと思われました。屋外対策の効果について「分からない」と「効果なし」が多かった理由としては、対象が園児や生徒など多数であり、使用方法の徹底が困難なため、薬剤の効果が十分に発揮できなかったことが考えられました。

結果の考察

殺虫剤に効果があるにしても、それだけでは被害は防ぎきれません。特に屋外では人体用虫よけ剤が最も有効です。ただし、使用法どおり、しっかりと塗りむらの無いように塗ることが大切です。ヌカカは衣服に潜り込む習性があるので、襟元や袖口あたりにはしっかりと塗ることがポイントとなります。さらに、衣服用虫よけ剤を併用することが望ましいです。

4. 網戸の目開きの検討

向こう側が全く見えない細かい目のものでないと、ヌカカは潜り抜けました。ただし、そのような細かい目のものは風がほとんど通らず、網戸として機能しませんので、通常の網戸に殺虫剤を噴霧して使用されるのが実用的です。

5. 医療機関での被害アンケートにご協力頂きありがとうございました

鳥取大学医学部の研究者により、治療法の検討などを目的として、市内の皮膚科医院にて、ヌカカの被害を受けられた方などに対するアンケート調査を実施されました。
その結果の中間報告から臨床的特徴として、次のような傾向が見られました。

  • 症状として最も多いのは、かゆみである。
  • 患者は、子供とお年寄りが多い。性別では女性が男性の2倍である。
  • 患者の多くは複数個所、複数回かまれている。
  • 治療薬としてはステロイド外用剤が処方され、市販薬よりも有効である。
  • 殆どは1週間以内から2週間までと重篤化しない。ただし、繰り返し被害を受けて、長期化している場合がある。
  • アレルギー疾患と重篤化との関係は無いようである。

「ヌカカ被害情報   収集サイト」開設のお知らせ

サイトイメージ
画像:サイトイメージ

  • 米子市と鳥取大学では、ヌカカ(干拓虫)による被害情報を収集するウェブサイトを開設しました。
  • インターネットあるいはスマートフォンからヌカカの被害情報を収集し、その情報を共有して、ヌカカに注意していただくサイトです。
  • ヌカカの被害にあわれた方が、被害にあった場所を地図上に入力すると、画像のサイトイメージのとおり、その場所が登録されます。被害発生の状況が、月日の経過とともに図示されます。
  • 今後のヌカカ対策に役立てるために、皆さんのご協力をお願いします。

 リンク・新しいウィンドウで開きます … ヌカカ被害情報   収集サイト

掲載日:2015年11月24日