2000 村井進吾

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2000 村井進吾

「米子彫刻シンポジウム制作作品」

「米子彫刻シンポジウム制作作品」
作品名 作法
制作者 村井進吾
素材 花崗岩
規格 70×110×214センチメートル
制作年 2000年
設置場所 加茂川・遊歩道沿い
作品解説(広報よなご平成30年9月号掲載)
加茂川沿いの遊歩道を歩いて行くと、突然目のまえに行く手を阻むかのような大きな四角い塊が立ち現れます。
村井の作品は、遠くから見ると一見無骨に見えますが、所々にその内部構造が垣間見られる隙間があり、そこからは、本来割れやすいはずの石が、L字型が複雑に直交した立体パズルのような複雑な形に切り取られていることを発見できます。自重でわずかに傾いていることからも、一つづきの形であることが確認できます。村井の作品は、高度な石を加工するテクニックに支えられ、「石」本来が持つ、重量感や緊張感というイメージを軽やかに覆す、素材としての石が持つ新たな可能性が発揮された作品といえます。
自分自身の在り様という意味を込めて「作法」という題名をつけられた本作、設置する場所も作品を構成する重要な要素として慎重に選ばれました。そこは普段見過ごしそうな場所ですが、遠くの自然の山並みと人工的に敷設された床面のレンガや、山の斜面に斜めに組まれたブロックの規則的な模様の対比、遊歩道が描く緩やかな曲線と、橋のアーチや手すりの直線構造など、実に幾何学的な要素により構成されている、この場所自体の面白さも作品を鑑賞することにより発見できるのです。(米子市美術館副館長兼統括学芸員 今 香)
掲載日:2017年12月26日